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城壁の中の国々

翌朝、朝食後に、また聖樹をハシゴしたら、昨日の場所に移動する。


移動したら飛翔。


戦闘を繰り返しながら進む。


地上で戦闘を見かけたら、加勢する。


神話では、西の大陸にも、大きな国があったはずだ。


魔力の満ちた土地で、どんな国が作られていたのだろう。


冬だからか、緑もなく、岩山や荒れ地、枯れたような木。


そのなかを北へ、飛翔する。


空の魔物も少しは慣れたが、楽な相手ではない。


一日でどれくらい進んでいるか、それもよく分からない。


進んでも進んでも、荒野が続く。

精神的にも強くならないといけない。


目印になりそうな場所を、夕方には見つけて、リンダースに移動する。


宿屋で夕食とお風呂。

翌日も、また同じ。


日曜日がきた。

感謝月になったのだ。


聖樹をハシゴしたら、リンダースに戻る。

最近、冒険者ギルドに顔を出していなかったから、冒険者ギルドに行く。


ドルトスさんが手招きしてきた。

一階の応接室に行く。


「最近顔を見せなかったな」

「はい、今、西の大陸を進んでいます」

「はあ?また面倒なことをしてるな」

「師匠の話も分からないままですが、中央大陸の神殿で、聖樹を巡るよう言われました」

「聖樹か、伝説の類か?」

「伝説でも、何かせずにはいられませんから」

「そうか。ああ、魔術ギルドが、大きな魔石は無いかとか言ってきたな」

「月曜日には手に入りますね。少しですが」

「そうか、あんまり無理はするなよ」


ポンポンと肩を叩かれ、部屋を出る。

大きな魔石は、非常用にしたいからなあ。

本当に少しだけ売るか。


今日は休みにして、優子さんのお店にでも行こう。


「こんにちは」

「あら、雪乃さん。いらっしゃい」

「今日はサボって買い物です」

「サボりなんて、頑張り過ぎよ」

「でも、皆さんの帰還が」

「焦っても仕方ないでしょう」

「そうですけど」

「雪乃さんの冬服、合わせましょう」


優しく笑い、服を手に取る優子さん。

薄手に見えて、暖かいジーンズ。可愛いけど暖かい下着やTシャツ。


ちょっとほっこりする。


可愛い靴下で戦うなんて、楽しいかも。


「不思議なのよね」

「え?」

「雪乃さんは、明らかに違うけど、転移者に女の子がいないこと」

「私以外は優子さんだけですね」

「それに、来た年の間が微妙に開いてるわ」

「私も思いました。高木さん以来来ていないのも不思議ですし、沢井さんの前もいませんね」

「ランダムだからと言えばそうなんでしょうけどね」

「でも、ランダムなら、リンダース付近に多過ぎますね」

「雪乃さんは?光に包まれなかった?」

「はい、光はなしです」

「色々不思議だけど、みんなの気持ちを考えたら、あまり話せないのよね」

「それは、分かります」

「まあ、沢井さんが、そんなことくらいは考えているかも知れないけど」

「皆さん大人ですもんね」

「また、今日の夜、転移者会ね」

「はい、また後で会えますね」


結局、下着ニ組と、ジーンズを買って、お店を出る。


転移者会は、憩いの場だ。

突っ込んだ話はできない雰囲気がある。

沢井さんたちの研究室は、多分、気持ちを削るような話もしているだろう。


やっぱり、雪乃には、雪乃しかできないことがある。

戦い進み、聖樹を巡る。


夜、タキガワに行く。


「今晩は」

「雪乃さん、いらっしゃい」


いつものみんなだ。

椅子に座り、飲み物や料理を頂く。


「西の大陸の国は、国ごと城壁の中でした」

「それは、想像できないな」

「城壁の中に川や畑なんかがあるんですよ」

「凄いな、どうやって作ったんだろう」

「不思議ですね」


軽い雑談。

飲んだり食べたり。

雪乃はまだ一年もいない輪のなか。


宿屋に戻り、お風呂に入る。

進もう。それしかできない。



翌日は、マルト商会に行く。

西の大陸の魔物を20体と、その他も、買い取ってもらう。


お金と魔石を受け取る。

魔石は確かに大きい。

均一ではないが、大人の拳大が小さいくらいだ。


魔術ギルドに向かう。

受付で名乗り、ロードさんを呼んでもらう。


また部屋に案内される。


「こんにちは、大きな魔石ですが」


大人の拳大を出す。


「これくらいで、大きいでしょうか」

「充分ですよ」

「まだ数はあまりありませんが」


10個のうち、特に大きい二つは取っておく。


「八個で、どうでしょうか」

「買い取ります」

「いつものは、要りますか」

「20個合わせて買い取ります」


魔石を渡して、皮袋をもらう。


「ユキノさん、まだ内々の話ですが、魔法学院に在籍して、魔術ギルドで研究するという話があります」

「そうですか。自由に動けないなら困りますが、お話がきたら考えます」


席を立ち、部屋を出る。

聖樹のことで、何か答えが出たら、悪くない話だと思う。


師匠の物資を返すには、上への繋がりはほしい。


とりあえず、今日は進もう。


聖樹をハシゴして、目印の場所へ移動する。


北へ、飛翔して戦闘を繰り返す。

夕方まで進む。


また目印を見つける。


リンダースに移動、宿屋で夕食とお風呂。


同じような日の繰り返し。


四日目に、ようやく城壁が見えた。

カゲフ王国だろう。


城壁前まで飛ぶ。


ルビアとは、少し雰囲気が違うが、堅牢な二重の門は同じだ。


夕方には少し早い。

迷ったが、門に向かう。


外の門から広い場所に入り、列に並ぶ。

冒険者証を見せて中門を通過する。


やはり、田園風景だ。

畑があり、川が流れ、村がある。


冒険者ギルドを探す。

この国も、ルビアと同じように、王国の地図があり、簡単な地図は無料配布だった。


地図をもらって、リンダースに移動する。


宿屋で夕食、部屋でお風呂。


明日は、カゲフの西門から、西へ進み、アゲイルを目指す。


ゆっくり休もう。


翌朝朝食後、聖樹をハシゴして、カゲフの冒険者ギルド前に移動。


西門行きの馬車に乗る。

やはり銀貨一枚。


西門に着いたら、また二重の門を通る。


外に出て、進路を西に定め、飛翔する。


空の魔物は相変わらず襲ってくる。


ひたすら戦闘と飛翔を続ける。


魔力の消費も激しいが、泉の水がある。

空中で、ラッパ飲みは笑える。

魔力も増えたから、また瓶を増やすかな。


袋の容量も増えたはずだから、問題はないだろう。


夕方までに、目印を見つける。

もし、目印など無い場所があれば、命懸けの野営が待っている。


リンダースに移動して、雑貨屋に行き、瓶を買い足す。

感覚的には、泉の水は、総魔力の何パーセントかを回復するようだ。


魔力が増えたら、一度の回復量も増える。

魔石は、多分注いだ分しか回復しないと思うので、泉の水は貴重だ。


宿屋で夕食とお風呂。


明日も進む。


翌朝朝食後、聖樹をハシゴして、昨日の場所へ移動する。

瓶は30本。


飛翔する。


戦闘を繰り返し、レベルや魔力を上げていかなければ、まだまだ先が長い。


魔物は多くなるし、周りは荒野だ。

苦しい気持ちがあるが、そんな自分にも負けるわけにはいかない。


戦い続ける。


夕方、目印の木を覚え、リンダースへ移動。


タキガワに行く日だ。


「今晩は」

「雪乃さん、いらっしゃい」


ホッとする。

美味しい飲み物や料理、みんなの雑談。

このまま生きていけそうに感じてしまう。


帰還に対する気持ちは、それぞれ違うと思う。

雪乃はどうか?

帰っても、居場所があるだろうか?


この世界も、無理をしなければ、雪乃には生きやすい場所だ。


食べたければ、和食もある。着心地の良い服も、お風呂も、それを手に入れるお金も。


尊敬されたければ、冒険者のランクが、狩りの腕がある。


でも、何か違う。

何か分からないが、心からの納得が、できないだろう。


やはり、進む。

進んだ先にある何か。

それを確かめなければ、この世界に生きる意味も見出だせない。


ぼんやり考えながら、宿屋に戻る。


お風呂に入り、ベッドに寝転ぶ。

疲れているのか、余計なことを考えてしまったな。


翌朝起きて、朝食後、マルト商会に行く。

西の大陸の魔物は需要があるというので、30体、その他溜まっている物を売る。


魔石とお金を受け取る。


今日も進んでおこう。

聖樹をハシゴして、目印の場所へ移動する。


飛翔して西へ進む。


スピードは全開だ。

それでも空の魔物は襲ってくる。

侮れない。


戦う。戦闘を繰り返して進む。


夕方までに目印を見つけて、リンダースに戻る。


同じことを繰り返して3日目、馬車の車列が見えた。アゲイルに向かうのだろう。


過酷な土地でも人は生きているのだ。


上空を通り過ぎてから、戦いのような気配を感じて、振り返る。


どこから現れたのか、馬車の護衛と魔物が戦闘に入るところだった。


空の魔物も現れた。

戦う。

倒した後、地上を見る。


戦闘は互角のように見えるが、新たな魔物が来たようだ。


迷わず飛ぶ。

新たな魔物に圧縮攻撃をする。

有効だ。


圧縮弾を狙い撃つ。

竜のような魔物を倒し、狼のような群れに挑む。


圧縮弾は、狙い通り飛ぶ。

魔物の数を減らしながら、撃つ。


冒険者らしい護衛も、この大陸で戦う者たちだ。弱くはない。


ほどなく、魔物を殲滅した。


「要らぬ助けかと思いましたが、加勢してしまいました」

「いや、助かった。アゲイルへ行くのか?」

「はい、どのくらいか分かりますか?」

「馬車で一日だ。あんたは?」

「飛翔します」

「なら、半日くらいか」

「ありがとうございます」

「ああ、そっちの地竜とウルフも何匹か、あんたの獲物だ」

「良いのですか?」

「お互い、こんな土地を行く者だ」


地上に降りて、獲物を回収する。


「では、お互い急ごう、幸運を」

「はい、幸運を祈ります」


飛翔する。

半日なら、急いで行けば、今日中に着く。


スピード全開で飛び、時々戦闘。


夕方には、城壁が見えた。

城壁の門を目指し、飛ぶ。

門の前に着地した。


どうしようかと思っていたら、門が開く。

急いで入る。

やはり二重の門だ。


列に並ぶ。

冒険者証を見せ、通過する。


西の大陸の今までの国では、一番大きいようだ。

畑に村、川も流れ、城壁が見えなければ、のどかな風景だ。

街までは遠い。


今日はここで宿屋を探す方が良さそうだ。

街に着き、冒険者ギルドに行く。


アゲイル王国の案内板。

地図をもらう。


ギルドの近くで宿屋を探す。


中の上か、上級のような宿屋に空きがあった。安い宿屋から埋まるらしい。


こんな場所で、贅沢な宿屋は気が引けるが、空きが無いから仕方ない。


宿屋で夕食を食べる。

焼いた肉と少しの野菜。野菜は貴重だろう。

飲み物は、お酒以外はお茶だけだった。


部屋に行く。

お風呂はなく、シャワーがある。


ベッドに熱風をかけて、シャワーを浴びる。

アゲイル王国に辿り着いた。


西の大陸の地図を出して見る。


アゲイルの北門から北西に進めば、聖樹に行けるはずだ。


もう少しで一歩進める。


翌朝、朝食を食べる。

麦も貴重なのか、パンではなく、薄いナンのようなものと、焼いた肉だった。


宿代を払い、冒険者ギルドから、北門行きの馬車に乗る。銀貨二枚。


王宮や貴族街を迂回して、馬車は走る。

アゲイルの王宮の周囲は、水が湧き出す泉のようだ。

そこから、街中を川が流れる。


オアシスのような国だ。


北門に着いたら、昼だった。

二重の門を通り、外に出たら、補給のため、聖樹をハシゴする。


アゲイルの北門に戻り、北西へ飛翔する。


今までの距離からすれば、二日くらいで着くはずだ。


飛翔しながら戦闘。

聖樹に近づいている喜びが、心を強くしてくれるようだ。


夕方までに目印を見つけて、リンダースへ。


宿屋に戻り、夕食。

贅沢な食事に感じる。

部屋でお風呂。


こんな快適な生活をする資格が、自分にはあるのだろうか。


いや、この先に何があるか分からない。

明日のために眠る。


翌朝、朝食後、改めて宿屋にお金を預け、帰らない日があるかも知れないが、心配しないでいいと告げる。


聖樹をハシゴして、昨日の場所へ移動。


飛翔する。

スピードもまた上がった気がする。

それでも魔物は来る。


戦闘を繰り返す。

まだまだだ。強くならないと、先に行くほど苦労するだろう。


夕方になった。

聖樹はあと半日くらいのはずだ。


目印を探して降りる。


リンダースに移動。

宿屋で夕食とお風呂。

明日に備えて眠る。


翌朝、朝食後は聖樹をハシゴ。

いつも通り、目印の場所へ移動。


北西へ飛翔する。


暫く飛ぶと、聖樹が見えた。

まだ遠くだが、白く美しい聖樹だ。


邪魔をする魔物と戦闘を繰り返しながら、聖樹へ。


聖樹の場所は、丘になっていて、冬なのに草も生えている。


最後の戦闘と獲物の回収をしたら、真っ直ぐに聖樹の側へ飛び、地上に降りる。


自分に洗浄をかけたら、聖樹に触れる。

葉がはらりと一枚、果実も落ちてくる。


果実は黄色い。


腕輪を確認すると、黄色い光が点っている。

聖樹の泉もある。


やっと辿り着いた聖樹。

離れ難くて、今日は聖樹で休もうと思う。


夕方まで、聖樹の近くで戦闘を繰り返す。


薪は荷物の中にある。

夕方、久しぶりに、獲物の肉を串に刺して、夕食を準備する。


肉を味付けして炙り、パンを取り出す。

飲み物は水で充分だ。


串刺し肉五本とパン、果実もまだある。


聖樹に凭れる。

毛布もあるし、寒くはない。


聖樹に背中を預けて眠った。


翌朝、聖樹の恵みを受け、泉の水を汲む。

簡単な朝食を食べたら、他の聖樹を巡る。


カゲフに移動して、冒険者ギルドから北門行きの馬車に乗る。


カゲフの北門からは、北のタナトを目指す。


タナトから、北の大陸の港街ラクアに渡るためだ。

ドルアからラクア行きの船はあるが、戦うことで、強くならないと困ると思う。


北へ飛翔する。

戦闘は続く。

夕方には目印を見つけて、リンダースへ移動する。


タキガワに行く日だ。


「今晩は」

「雪乃さん、いらっしゃい」


椅子に座り、雑談しながら、美味しい飲み物や料理を頂く。


快適な時間を過ごす。


宿屋に戻り、お風呂に入る。

西の大陸でも、聖樹に辿り着いた。

まだ厳しいことが沢山あるかも知れない。


でも途中でやめたりしない。


久しぶりにステータスを見る。



ユキノ、19歳

職業、冒険者、ランクA

レベル、2000

体力800000

知力800000

俊敏800000

魔力800000

スキル、【体術】【短剣】【剣】【槍】【言語理解】【文字認識】

【魔法】火、水、風、土、雷、氷、

聖、闇、無、時空、重力、付与


基準が分からないから、この先は通用するのだろうか。

また頑張ろう。




▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶



薄暗い部屋、ベッドの上。

纏わりつく男たち。


怖いほどの美女。


「退屈だ」

「サオリ様、あなた以上の方はどこにもおりません」

「争いを起こして眺めるか」

「サオリ様にできないことなどありません」

「ふふ…苦しむ者の顔を見るか」

「サオリ様…」































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