表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/29

北へ

日曜の夜は転移者会。

月曜日は、マルト商会に、獲物を売る。


秋も終わりが近い10月の末頃。


北へ、遠征を続ける。


山越えしたから、飛翔して、森には休憩に降りて、狩りと採取をする。


三日くらいで、森の先に草原が見えた。



草原に降りて、休憩する。


この大陸でも、南北でかなり違いがあるみたいだ。


先を急ぐ。

飛翔しながら、人工的な物を探す。


草原と、時々森。

森の魔力は、薄くなってきた。


もう少しで、人が暮らす場所を見つけられそうな気がする。


夕方前に、何か見えたが、時間がないので、明日にする。


聖樹に寄ってから、王都に帰る。


宿屋暮らしは、家事をしない。

そこら辺りは、女の子として気になるが、一人暮らしの手間を考えたら、このままでいいかと思う。


聖樹の側に、家があるけど、鍵は作らなかった。もし、訪れる人がいれば、使ってもらえば良い。


お風呂に入り、快適なベッドで眠る。


翌朝、聖樹に移動して、聖樹の恵みを貰う。

昨日の場所に移動。

飛翔して、進む。


草原に、道が現れ、道沿いに飛翔する。

村が見えた。

通過して飛ぶ。


畑や町がある。

街道沿いに飛翔を続けて、昼には草原に降りる。

草原には、牧畜をしている所もあるようだ。

のどかな風景だ。


昼食休憩をしたら、また地面を蹴る。


スピードは、ローブのおかげで、かなり早くても、大丈夫だ。


町や村を通過して、夕方、城壁が見えた。

少し迷ったけど、門に向かう。

勿論、一般用の列に並ぶ。


リンダースよりは、小さな門で、人もやや少ない。


冒険者証を見せる。


「Aランクですか。カルドラには初めてですか?」

「はい、リンデル王国から来ました」

「リンデル王国からですか。ここは、カルド王国の王都カルドラです」


門を通過したら、冒険者ギルドを探す。

すぐに見つけた。


冒険者ギルドに入り、受付のお姉さんに、宿屋のある場所を聞く。

観光案内所ではないけど、教えてくれた。

カルドラの地図もくれた。


一泊くらいは、してみよう。


宿屋がある場所に行き、そこそこ良さそうな宿屋に入る。


「今晩は、部屋はありますか?」

「ありますよ。風呂付きが良いですか?」

「はい、お風呂付きでお願いします」

「食事は?食べるかな」

「夕食と、朝食をお願いします」


部屋に案内される。

ベッドに熱風をかけておく。


特に、荷物を置いたりしないから、食事をしに行く。


魚料理が出された。北の海で魚がとれるのか。

そこそこの宿屋なので、美味しい物ばかりだった。


リンダースの宿屋は、お金を多めに預けているから、一日くらい帰らなくても大丈夫だろう。


北の小国は、いくつあるのだろうか。



翌朝、朝食を食べたら、宿代を払い、宿屋を出る。通貨は共通みたいで、良かった。

銀貨15枚。安いのかは分からない。


地図を見て、図書館を見つけていた。

貴族専用かも知れないけど、行ってみる。


図書館は、あまり大きくなかったけど、誰でも入れた。


受付で、冒険者証を見せて、注意事項を聞く。貸出はない。閲覧は自由。書き写しも自由だ。ありがたい。

勿論、本は高価だ。汚したり破損したら、かなりの罰金が取られる。


今日は一日、図書館で過ごすことになりそうだな。


地理、歴史の本を探す。

地理は、このカルド王国を詳しく、この大陸全体は、大まかなものだ。


それでも、情報はありがたい。


メモ帳は、新しく文房具屋で買った物を使う。


大陸の山は、山脈と言えるほど、高く連なり、東西に渡っている。

山脈の東西それぞれの端が、低くなり、海沿いは平地になっている。


山脈の位置は、大陸の北から三分の一辺りにある。


山脈の北には、小国が三国、西から、アンカ王国、カルド王国、ティード王国。


雪乃は、山脈の真ん中辺りを飛んで来たようだ。


三国は、北の海で魚をとり、畑や果樹園を作り、三国の間の草原では、牧畜もしている。

小さいが、魅力的な国だ。


山脈の南は、リンデル王国。

北の三国とは、行き来が難しく、リンデル王国の南の港街リーゼルから、海沿いの小さな町を経由して、わずかに交易がある。


昔は、海沿いの陸路もあったそうだが、今は使われていない。


三国も、リンデル王国も、100年くらいの昔には、今より国力があった。


西の中央大陸との交易も、盛んだった。


また100年前、キーワードだな。


歴史の方は、やはり、100年前の辺りは詳しくない。

カルド王国でも、疫病は時々あるようだ。



違う観点で見てみるか。

魔法の歴史とか、無いかな。


小さな図書館だから、あまり専門的な本は無い。魔法入門ならあった。


パラパラと見てみる。


魔法は、魔力のある人なら、誰でも使える。

訓練すれば、個人差はあるが、ある程度上達する。


ちょっと疑問に思う。


この世界には、ステータスがあり、他人のステータスは知らないけど、魔力ゼロな人はいない気がする。


理論上、みんな魔法が使えることになる。


そうなんだろうか?

みんな魔法が使えるのかな?


でも、私のステータスは高過ぎるらしいから、普通に魔法が使えるくらいでは、魔物に対抗できないのか。


国民全員魔法使いとかじゃなさそうだし。


なんか、疑問が増えただけか。


本を棚に戻す。


今度は、古そうな本を探す。

絵本…はやめて、神話…うーん。

建築の歴史…これもなあ。


やはり、大きな図書館に行けるようになるか、本を買うかだな。



図書館を出る。

カルド王国には、いつでも来れる。


東に飛んで、ティード王国を目指すかな。


街の門を通過して、東の方へ、ちょっと歩いて、地面を蹴る。


おお、放牧してるね。


スピードを上げて、飛ぶ。


さすがに半日じゃ行けないか。

昼、食べてなかったし。


覚えやすい木の側に降りる。

覚えたら、聖樹に寄って、リンダースに。


宿屋で夕食を食べる。お腹空いてた。

部屋でお風呂。


北の三国を巡ったら、中央大陸を目指すか。

軍の物資を返すのも、手詰まりだし、先にこの世界を巡って、ヒントを探す。


師匠も許してくれるはずだ。

師匠の生きた時代を知り、そこから何か答えを見つける。


狩りと獲物を売るのは、お金を得るために必要だし、転移者会も、情報交換の場だ。


神殿にも、顔を出そう。中央大陸の神殿は、聖樹があるらしいから、詳しく聞きたい。



また、翌日、聖樹に行き、恵みを受ける。

そこから、昨日の場所に移動。


地面を蹴り、飛翔する。


畑や村、町を通過して、昼には降りて休憩。


更に飛翔して、夕方、城壁が見えた。

城壁の手前に降りて、今日はリンダースに帰ろうと思う。


リンダースに戻り、宿屋で休む。

明日はティード王国だ。


翌朝、聖樹経由で、北の森で少し狩りをする。腕が鈍らないようにと、獲物集めのためだ。


ティード王国に移動。

城壁の門に並ぶ。カルドラと同じくらいの街に見える。


冒険者証を見せて、門を通る。


冒険者ギルドを探して、また街のことを聞く。

ここは、ティード王国の王都テトスだそうだ。

テトスの地図をくれる。親切だな。


図書館を探す。

見つけて、行ってみたら、また誰でも入れることが分かる。


北の三国は、王国だから、王家があり、貴族もいるはずだ。

でも、リンデル王国より、庶民的な気がする。お国柄か。


図書館は、カルドラと同じような規模で、規則も同じ。


地理の本をざっと見る。

カルドラで見たのと、あまり変わらない。


珍しい本を探して、本棚を見ていくが、そう簡単にはいかない。

図書館があることはありがたいけど。


テトスにも、いつでも来られるようになった。


後は、西のアンカ王国だ。

アンカ王国に行けるようになったら、南を目指し、港街リーゼルに行こう。


聖樹経由で、リンダースに戻る。


宿屋で休みながら、神殿のことや、転移者がいないか探すのは、難しいなと思う。


リンダースには、タキガワがあり、転移者は把握できる。

北の三国は、それぞれ、暫く暮らさないと、分からない。


今は、聖樹のある、中央大陸が気になる。

神殿もあるから、何か新しいことが、分かるような気がする。


翌日は、日曜日だった。


朝、聖樹に行き、恵みを受けて、カルドラの前に移動する。


今度は西に、飛翔する。


冬の前の放牧が、のどかだ。


昼には、降りて、休憩する。


休憩したら、また西へ向かう。

畑や村が、少しずつ増える。

夕方まで飛翔して、覚えられそうな場所に降りる。


聖樹に寄って、リンダースに戻る。



タキガワに行く日だ。

閉店した店に入る。


「今晩は」

「雪乃さん、いらっしゃい」


いつもの顔ぶれだ。

橋本さんに、聖樹の果実を渡す。


美味しい料理や飲み物を頂きながら、雑談する。


暫くして、橋本さんが、話す。


「今日は、僕が来た時の話をするよ」


みんな、静かになる。


橋本さんが来たのは、七年前。


大学の院生だった時、飲み会の帰りに、光に包まれた。

気がついたら、城壁が見えた。


死んだのかと思ったのも、言葉が分からないのも、タキガワに来たのも、首から下がるプレートも同じ。


異世界転生ものは知っていた。

自分の身に、本当に起きたことは、信じ難いが、どうやら夢ではない。


滝川さんに言葉と文字を習い、沢井さんの勧めで魔法学院に入り、一緒に研究をするようになった。


専門は、物理学で、講義を頼まれたこともあるが、理解できる生徒がいないので、研究室にこもるようになった。


簡単な理科の講義も頼まれて、週に一度は講義をする。この世界向けの理科なので、苦労はした。


夢中になると、寝食を忘れてしまうので、三年くらい、外に出ていなかった。


滝川さんが言うには、


「私の知る限りでは、沢井さん、鈴木さん、橋本さん、川本君、木下さん、高木さんの順に、来たね」


川本さんが話す。


「じゃあ、次は俺かな」


高卒のフリーター、適当な日々を送っていた時、バイト仲間とカラオケ帰りに、ひとりになったところで、光に包まれた。


気がつくと、ゲームの中みたいな城壁があった。ゲームの世界に転生とかの小説も知っていたが、まさかと思いながら、タキガワに連れて来られた。


首から下がる、プレートを触り、ステータスを見て笑った。


翌日目が覚めても夢ではない。


特技など無いから、タキガワで働きながら、言葉と文字を習い、そのまま働いている。


みんな、こんな話にも、慣れてきた。


滝川さんの存在が、大きな支えだ。

滝川さんの話は、高木さんの話と一緒に、次回にする。


また、雑談をして、料理や飲み物をいただく。


雪乃はちょっとモヤモヤした気分になる。

明らかに、自分はイレギュラーだ。

沢井さんと鈴木さんの間は二年開いている。


でも、毎年リンダースに転移者が現れたら、それはそれで、大問題な気もする。


師匠の話で、召喚されたのは子供だ。


リンダース付近に現れた転移者は、子供という年齢ではない。


まだまだ、何も掴めない。



宿屋に戻り、お風呂に入って、気持ちを切り替える。


自分に与えられた能力を使い、情報を集める。明日は、マルト商会に行ってから、アンカ王国を目指そう。


翌日、マルト商会で獲物を売る。

魔石が溜まるなあ。


マルト商会を出たら、聖樹に移動。

最近、門を通らないな。


そこから、昨日の場所に移動する。


移動したら、すぐに飛翔して、西へ。


スピード全開で飛ぶ。


何か、かなり人外な生き物になってきた気がする。


町や村を通過して、夕方には、城壁が見えた。城壁の近くに着地。


中央大陸に近いからか、少し大きな街に見える。


明日に期待して、リンダースに戻る。

宿屋で、夕食を食べ、部屋でお風呂に入る。


最近は、服は全部ユーコ製だ。

冒険者スタイルは、注文して作って貰った。


優子さんが、この世界では貴重な、伸縮性のある生地を手に入れて、ジーンズ風なものや可愛いブラウスを作ってくれた。


凄く嬉しい。

師匠の服は、大切に仕舞ってある。


まあ、何を着ても、大きなローブで隠れちゃうけど、気に入った服を着るのは嬉しい。



翌朝は、朝食後、冒険者ギルドを覗いて、門を通る。


聖樹に移動して、恵みを受け、泉の水を汲む。

アンカ王国の街の前まで移動。


門を通る。


冒険者ギルドを探して、観光案内所代わりにして、地図を貰った。

ここは、アンカ王国の王都アントスらしい。


図書館を探す。


かなり立派な図書館で、残念ながら貴族専用だった。

仕方ないから、港を見に行く。


船がある。帆船に見えるが、魔法のある世界だから、魔法は使わないのか、気になる。


港の近くの、夜は酒場になりそうなお店に入る。カウンターに座り、食事を注文して、退屈そうな、お店の人に話しかける。


「リンデル王国のリンダースから来たんですけど、船が沢山あって凄いですね」

「そりゃそうさ。この大陸の北じゃ、一番大きな港だからな」

「私は、船に乗ったことがないんですけど、船は何で動かすものですか」

「帆があったから不思議だろう。帆も使うが魔力も使う。でかい魔石があるのさ」

「凄いですね。乗組員は魔力があるわけですか」

「そうだ。中央大陸なんか遠いからな」


食事は、やはり海の幸。


「美味しいですね。北の海は魚も豊富でしょうし、放牧も見ました。豊かな土地なのですね」

「まあな、昔はもっと栄えてたらしいがな」


ご馳走さまと言って、支払いをする。


店を出たら、街を観察しながら、門へ向かう。北の三国は、いつでも来られるようになった。


門を出たら、北の森で、狩りや採取をする。

夕方、聖樹に寄ってから、リンダース前に移動。門を通過して、宿屋に戻る。


夕食を食べて、お風呂に入る。


ユーコ製のスウェットを着て、寛ぐ。

最近は戦闘が少ないけど、ステータスはどうなってるかな。



ユキノ、19歳

職業、冒険者、ランクA

レベル、450

体力160000

知力160000

俊敏160000

魔力160000

スキル、【体術】【短剣】【剣】【槍】【言語理解】【文字認識】

【魔法】火、水、風、土、雷、氷、

聖、闇、無、時空、重力、付与


微妙に上がってるな。

中央大陸を目指すために、頑張ろう。




▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶▶



薄い灯りがともる、部屋の中、美しい黒髪に黒い瞳。

この世の者とは思えない美女が、豪華な装飾の部屋にいる。

歳の頃は分からない。


豪華なベッドに横たわり、数人の男たちが纏わりつく。


意にも介せず、冷たい声音が響く。


「滝川、その女は危険ではないのか」

「いえ、馴染んだ衣服、料理。他の者と変わりはありません。満足の中に埋もれるでしょう」

「ふん、つまらん。私の欲望を満たす者は現れんのか」

「ここにいる皆、あなたの下僕です」

「一時の快楽にも飽きるものだ」

「我々も尽くします故、どうか、お腹立ちなさいませんように…」




















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ