Maid or Guardian
声の主はこの世界にいるかもしれない
少しの希望を持ったリュウトは少なからず浮かれていた
ウェンズとの話の後ライムも加わり3人で昼食を摂り、この世界について大雑把に話を聞いたり、雑談を繰り返し、いつ間にかウェンズもリュウトと名前で呼ぶ様になった
「ところでリュウトはどこで寝泊まりしているんだい?」
「昨日は私の家に泊まったわ!ね!」
首を傾け同意を求めるライム、それを聞いたウェンズは口に含んだコーヒーを吹くのではなく、だらーと垂れ流し目を細くし冷めた目でリュウトを見た
「そんな目で見んな!昨日は本当に寝ただけだ!」
「昨日は?へぇ〜、じゃぁ今後はナニをするのか
分からないと〜?」
「いやっ!だからそーじゃねぇって!あーもーダリィなぁ!もう泊んねぇよっ!」
「えぇー!?リュウトどーするの?お金も無いし食事だって摂れないんだから今日も泊まればいいじゃ無い!?」
それを聞いたウェンズは手を顎に当て少し考えると、あっ!という感じで手の平に拳を置きある提案をリュウトに持ちかける
「リュウトくん!」
「あぁ?」
「内で働かないかい?この城で!」
「働くったって、いってぇなにやんだよ?」
「そーだねー、んー、メイドとか?」
「はっ!無理だね!自慢じゃ無いが家事全般なんもできねぇ」
「そーか、んー、よし決めた!ライムの護衛だ!」
「決めたってなんだ!?決定かよ!?」
「いいじゃないかー!今のところ友達もライムだけなんだろう?」
「勝手に決めんなよ!それに今まで護衛とかいなかったライムからしたら堅苦しいだろ?」
「ん?私な嫌じゃないよ?リュウトなら全然問題ないよー?」
「!!!」
リュウトならってなんだよ!俺ならいいのか!?いやむしろなんで俺ならいいんだ!?
リュウトは少し意味を深く考え、驚き顔で赤面する
「じゃ、そーいうわけで〜、よろしく!」
「よろしく!リュウト!」
照れたままポカーンとした口で「はい」といい、城を後にした