Go to the room of king
-リュウト-
-!!!
-リュウト-
「リュウト!」
「だれ……だ?」
「はい?もう忘れたの?私はライム!」
「ライム?」
「そう!ライム!そんな事より起きて!」
目を開け、声のする方へ顔を向ける
雪の様に白い中に大きな瞳
寝癖で髪が乱れたライムが抱き着きドアップで真横にいた
「真横に……!!!」
「まよこ?横がどうかしたの?」
「……なぜ俺の横で寝てる?」
「あなたが私のベットにいるんじゃない。ベットで寝たいなら最初からそーすればいいのに!」
「はいいいぃぃぃ?!」
そーいえば!という様に思い出すと
喉が渇き夜中に目が覚め1階へ下りキッチンの水道で喉を潤す
その後寝室に戻り真正面のベットへ潜る
「いきなり横に来るからビックリしたよぉ~」
「そっ!それでなぜ抱きついてんだよ!?」
「いつもはリュウトに貸した枕を抱いて寝てるからぁ、ついついね!」
笑みを浮かべながら言うライム
寝巻きは開け肩から胸にかけ露出し、体は密着し、顔と顔の距離は約10センチ
今の自分の状況を第三者の目線で想像し、その結果の緊張感と、自ら開けた距離を自ら縮めた行動の恥じらいが一気に込み上げ、ベットから転げ落ちる様に抜け出した
「もー、朝から忙しいねえリュウトは」
「イテェー!くっそ!」
「おはよう」
いつもの朝の習慣を繰り返すリュウト
顔を洗い、歯を磨き、ライムに寝巻きとして借りたバカデカイTシャツを脱ぎ、レザーの上下に着替える
(なんでこんなワンピースみたいにデカイTシャツを持ってんだぁ?)
とか思いながら朝食を準備するライムの元へ
テーブルには既にパンと目玉焼き、それと見た事もないスープ?が並んでいた
「おおお!朝からこんな飯食った事ねぇわぁ」
「いつもはどんなご飯食べてたの?」
「いや、学校に間に合うギリギリまで寝てるから食わねんだよ」
「へぇ~、リュウトの世界にも学校があるんだぁ」
「てことはこっちにもあんのか?ライムはいかねぇの?」
「学校に行くのは12歳まで!私そんな幼く見える?」
「いや、こっちの学校のシステム知らねぇからさ。ライムは何歳なんだ?」
「女の子に歳は聞かないの!」
「あーこっちにもそー言うのあんのね……」
苦笑いでスルーするリュウト
他愛もない会話をしながら朝食を済ませ
朝食を作った代わりに食器洗いを手伝う
「さーてどーすっかな」
「あのさ、行く当てもないなら王様の所へ行ってみる?」
「王様って、そんな簡単に会えんのか?」
「んー、普通は無理だけどー、私が一緒なら大丈夫よ!」
「知り合いなのか?」
「学校出るまでは王様の所で育てられたの!それに、王様だったら何か知ってるかもしれないし」
「んーそっか。そいじゃぁ行ってみっかな」
支度を終え王のいる城まで歩く
道中の会話は絶える事もあるが、それでもリュウトは初めての普通の会話に慣れないながらも楽しんでいた
城の正門に着き、そこには門番?の様に立つ2人の兵士
ライムが「おはようございます」と言うと「お久しぶりです」と言い返し門を開けてくれた
だがリュウトには鋭い視線を送る。それに対しガンを飛ばし返すリュウト
「けっ!なんだよアイツ等。俺を見るなり睨みやがって」
「一応門を守ってる人達だしね。怪しい服装のリュウト見て警戒したのよ」
「どこまで行っても喧嘩売られんのかよ俺は。ったく」
門を抜けると非常に高い階段
「エスカレーターねぇのかよ」と愚痴をこぼすが「えすかれーた?って何?」と聞き返すライムに
「はぁ」と溜息をつき、もはや説明すんのもしんどい様子
階段を登り切るとそこには大きな扉があり開く
中は高い天井に赤い絨毯が敷いてあり壁は白く金色の装飾が施されている
「一番の奥の部屋が王様の部屋だよー」
「一番奥って……もはや見えねぇよ……」
汗もかかず清々しい顔で歩き続けるライムに「なんでだよ……」と小声で突っ込むが
「ん?」と振り返り、軽く微笑みまた前を見るライム
「ついた!ここが王室よ!」
「はぁ、はぁ、俺みてぇなゆとりにはキツイぜ」
「ゆとりがある事は良い事よ!」
「そういう意味じゃねぇよ……」
扉を開くとそこには、赤いソファーの上に寝仏の様に横になる男が1人
「やぁライム、久しぶりだね。懐かしい人を連れて来てくれたようだ」
その男は意味深な言葉と、意味深な笑みを見せた