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逃避

作者: 冥月 霜華

逃げ出したいと思った

何度も

何度も

何度も


幸せそうな家族を見る度

悲しくて

悲しくて

申し訳なくて


涙を零すのを耐えられなかった


可能性が残っていると

そう信じるのが辛くて

可能性が無いと

言われるのが怖くて


逃げて

逃げて

逃げて


手を離してと

涙を流して

抗って


その度に触れる優しさが

温かくて

嬉しくて

愛おしくて


涙と共に零れる言葉は泡のように弾けていく


逃げてもいいから、一緒に逃げよう


向けられた笑顔が

眩しくて

眩しくて

悲しくて


逃げたいという感情を抱えたまま

一緒にいたいという我儘で巻き込んで


今日もまた

可能性はあると言い聞かせながら

逃避する場所を探し続ける

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