第1話
初めまして。豆電球です。暇つぶしに良ければどうぞお読み下さい。
両親が亡くなった。俺が小学校5年生の頃だ。買い物帰りの事故死だった。俺は親戚の家でお世話になることになり、叔父さん叔母さんと1つ上の従姉との生活が始まった。
そこに俺の居場所はなかった。毎日が苦しかった。
だから俺は寮がある市立登川高校に進学をは家を出ることにした。
俺は近江ケンイチ。15歳だ。先日希望校に合格し寮に入る準備をしている。今は日用品の買い物の帰りだ。
「ただいま」
玄関で靴を脱いでいると叔母さんが呼んでくる。
なんだ?と思いつつ居間に入ると叔父、叔母、従姉がおりニュースが流れていた。
『臨時ニュースです。先程市立登川高校で火事が起こり隣接する寮が全焼する事件が起こり原因は〜』
は?火事?全焼?俺の寮生活は?家…出れない⁈
「大変ね、ケンイチ君」
「まぁ登川高校ならここからでも通えないことはない。新設されるまではここから通えばいいさ」
「なんだ、家でないんだ」ボソ…
誰も目を合わせない…
冗談じゃない‼︎クソッ‼︎意地でもここからでてやる‼︎
「あ、あの!俺何とかします!」
俺はそう言い、玄関を飛び出した。
不動産屋に飛び込んでは予算が…とかどこもいっぱいで…などと断られ続けた。
クソッ。クソッ。クソッ‼︎‼︎ 何でた!もう少しであの家から出られたのに!もう嫌なんだ!自分の居場所がないのはっ‼︎
父さん!母さん!俺はっ、俺はっ‼︎
気づいたら泣いてた。悔しかった。悲しかった。ふらふらと歩いてた。先が見えなかった。
「あれ?ケンイチじゃないか」
「あ…おっちゃん」
良く聞き慣れた声に顔を上げると、幼馴染のお父さんが仕事帰りなのかそこにいた。
「どうしたんだ?こんな所で。ん?泣いているのか?」
泣いているのがばれた。恥ずかしかったが、今はおっちゃんに頼りたかった。おっちゃんは昔からよく面倒を見てくれて俺の気持ちも知っている。だから事情を話した。
「なるほど。よし事情はわかった。何とかなるかもしれん。」
「本当ですか⁉︎」
「ここの不動産屋に行きなさい。きっと力になってくれるだろう」
一筋の光が見えた気がした。1枚のメモを渡されそれを握りしめて俺は目的地へと走った。
『草木不動産』
それが目的地だった。古びた事務所で不気味だったがおっちゃんの紹介した所だ。1つ深呼吸をして入った。
「いらっしゃい」
女性だった。着物をきた恐ろしい程肌が白く髪が長い美女だった。
俺は目を丸くし驚いた。普通こんな古びた事務所にこんな美女がいるとは思わない。まるで昔話に出てくる雪女のようであった。
女性は白く細長い指で椅子を指し、鈴の様な声で「どうぞ」と勧めてくれた。
俺は勧められるがまま座った。
「今日はどの様なご用件で?」
「は、はい。実は入る予定でした寮が焼けてしまって住む所を探している所でして」
「ああ、登川高校の生徒さん?大変でしたね。ここには誰かの紹介で?」
「あ、はい。おっ……武田さんの紹介で」
「武田さんのね。なら良い物件紹介しないとね」
おっちゃん…こんな美女と知り合いだなんて…
羨ましいぞ‼︎
「予算の方は?」
「3万円以下だとありがたいです」
こう答えるとどこの不動産屋も呆れた様な顔をして断ってきた。俺は内心ビクビクしていた。
「風呂・トイレ共用 賄い付き 六畳一間 南向き 2万8千円 どう?」
「え?」
俺は開いた口が塞がらなかった。値段にも驚いたが、賄い付きというのにもさらに驚いた。
それにドヤ顔が可愛いかった。
「あれ?気に入らなかった?」
「あ、いえ‼︎ 驚いていまして。でもやっぱりその好条件でその家賃はちょっと…」
「やっぱり気になる?」
「はい…もしかして…コレ ですか?」u °-°; u
「そう…コレ☆なのよ」u^ - ^u
可愛いいぃ。
じゃなくて!曰く付き物件でしたぁぁぁぁorz
「マジっすか…それ以外ってなると?」
「ごめんね。無いの」^_−☆
許しちゃう‼︎ いや許しちゃうのかよ。
しょうがない。あんな家戻るよりましか。腹くくるか。
「その物件でお願いします‼︎」
シリアスどこいった