桜花組の異変 後編
その頃、会津本陣
紅たちの目の前には新選組をお預かりしてくれている張本人、松平容保だった
それも周りには誰もいない状態で顔を見合わせている
「……新選組の状況はどうだ?」
お茶を飲んでいた容保の問い掛けに佳織は紅の方を見ながら困ったように微笑んだが紅は無表情で容保を見詰めたまま
「少し桜花組の仲が悪くなっただけです」
素っ気なく返した
容保は一人派手に溜め息をつき原因が分かったように紅を見つめていた
紅は無視
「ハァ、まぁお前たち桜花組だったらなんとかなるだろう」
「あ!蛍が永倉さんと婚礼をあげそうです。それから葵と斎藤さんの仲も良くなってきていますし、彩が土方さんとそして紅が沖田さんと恋仲になりましt「要らない情報だろそれ」あれ?」
まぁ、遅くなってしまったが佳織と紅は容保の命令で新選組内を探っている会津の間者なのだ
こちらに来たとき佳織と紅だけが容保の前に降ってきてしまったことによって間者をする約束をしてしまったのだ
「うん?そう言えば慶喜様が今度来ると言われていて伝言で今度こそ側室にしてやるから待ってろ紅!!だそうだ」
紅はそれを聞いた途端にそそくさと退出していった
そのあと二人は団子を買い屯所へと戻った
「ただいま帰りました♪」
佳織が元気よく言うとまた中から元気の良い音をたててこちらへ向かってくる足音が聞こえてきた
「チッ、めんどくさい奴等が気が付いたか」
紅だけ足音がする方角の反対の廊下をさっさと歩いていってしまった
佳織だけが固まっていると桜花組のメンバーと新選組幹部が走ってきた
そのあと会津本陣にいたことを聞かれたがなんとか逃げただした佳織だった
その頃、紅の部屋
スッ
「紅」
総司が紅の部屋へと入ってきた流石の紅も驚いてしまった
「ど、どうしたの?総司…」
紅は驚きながら書いていたものから目をはなした
総司は不機嫌そうに紅に近づいてきたと思うと
「えっちょ!!」
ガタッ!!ドサッ
「っ~何するんだ総司!!」
突然手首を掴まれたと思ったら押し倒されてしまった
押し倒されたときに畳にで全身ぶつけてしまって一瞬息ができなかった
「放せ!!」
紅が足をばたつかせ抵抗するが着流しのため、ただ着崩れし、素足が出るだけである。
膝上まで見えたところでようやく気が付き足を動かすのをやめて総司を睨んだが総司は感情の無い顔で紅を見つめていた
「言ってください。紅はいったい何がしたいんです?仲間を遠ざけて」
総司がじっと見詰めてくるが顔を背けた
絶対に言いたくない
言っても何ともならないしただ仲間を危険な目に遭わせてしまうだけだ
「…言わないんですか。じゃあ…」
紅の左手首を掴んでいた手を着崩れして見えた素足の太股を触ってきた
流石の紅も身の危険を感じ焦りを表した
「っ!!総司!!言うから!!言うからお願い!!」
紅は必死に総司の顔を見た
総司は少し詰まんなそうな顔をしたが紅にとってはまだ夜でもないのに盛られなんてた溜まった物ではなかった
「僕と佳織ちゃんは会津の間者だ。僕たちは会津の為に沢山の不逞浪士を殺し恨みを買っている。そんな僕たちと一緒にいたら命を狙われてしまうだから僕は!!」
そこまで言うと抱き締められ、紅は唖然とするしかなかったするしかなかった
「紅の思いをしっかり聞いたよ。これでよかったですょね?土方さん」
総司がゆっくりと退くのと同じくらいに障子が開いた。
そこには新選組幹部と桜花組のメンバーが揃っていた
紅はただ状況が理解出来ずに固まっていた
まさか聞かれてしまっていたなんて思ってもいなく、会津の間者であることを話してしまった
「紅!!」
「ち、千紗?」
千紗が固まっている紅の前に歩み寄ってきた。
その間に総司が自分で羽織っていた羽織を紅の足にかけた
「紅、そんなに私たちは弱く見えるか?言ったよな?紅の魂に刻まれてる土方さんの記憶にしっかりあるはずだ。俺たちをもっと信じてくれ。あんたと近藤さんだけで背負い込まないでくれ」
千紗は紅の胸に体を預けてしっかりと見つめてきていた。紅は千紗の頭を撫でながら辺りを見渡した
「みんな、僕が間違っていたみたいだね。ごめんなさい」
紅は千紗を放し姿勢をただし深く頭を下げた途端、葵が笑いだした
バッと顔をあげ見ると誰も怒っていなかった。みんな優しく紅を見ていた
「まさかそんな理由だったなんて怒ったのが馬鹿みたいププッ」
全員が笑いだし、桜花組の仲が今までのようにもとに戻った
だが、紅と佳織の一人部屋はそのままになった
オマケ
「おい総司」
「何ですか?」
総司はあのあと副長室にいた
「あのまま紅が何も言わなかったら俺たちが聞いている前で襲うきだっただろ」
煙管を吸いながら土方は総司を睨み付けたが総司は笑っていた
「バレました?フフ、はじめて紅が土方さんの生まれ変わりだと実感しましたよ」
そう言いながら土方の煙管を奪った
「紅たちは僕たちの未来を知っている。しかし、どうやら幸せではなさそうですね」
そう言いながら総司が出ていこうとするので止めようとすると、今日は紅の部屋に泊まりますんで書類は机の上に置いといてくださいと言い出ていった
「ハァ~彩のところにでも行くか」
終わり