え、う、嘘でしょ!?
少女二人と別れた穂香を迎えてくれた二人の女性に広間に通された
広間は日本どくどくの和作りでなんだか安心できたが、穂香の目の前には男女二人が座っていて少し緊張した
「始めまして、私東京新聞記者の佐藤穂香と申します」
穂香が頭を下げると女性二人も軽く頭を下げてくれたが、男性二人は警戒している風にも思えた
「俺は杉村義衛、こっちは妻の蛍だ」
「……「あ゛~私は藤田葵、こっちは夫の五郎だ」言う必要あるのか?」
自己紹介を聞いていると葵と言う名に反応した
“葵”先ほどの茶色い髪の少女の言葉を思い出す
「佐藤さん、どうかしたの?」
蛍は突然動きを止めた穂香を心配したが
「よくここまで迷わずこれたな」
五郎の一言で先ほどのことを話そうと思った
「いいえ、私は道に迷っていました。そんなとき、軍服を着た二人の少女に助けられました」
穂香の話の軍服の少女に四人は面白いほどに反応し、葵と蛍なんて動揺しまくりで何かあると確信した
「穂香さん?少女たちの特徴は?」
動揺していたが蛍より動揺が薄かった葵が問いかけてきたのでさっきのことを思い出しながら
「一人は身長が低く髪が明るい茶色、一人称が僕」
「「「「え!?」」」」
四人か穂香が言う特徴に唖然としてしまった
四人の知り合いにそっくりなのである
「もう一人はおっとりとした感じで髪が短く、お姉さんみたいな少女たちでした。あれ?少女たちが知り合いだと言っていたんですけど…」
あまりの驚きさに知り合いって言ってたよね?と疑問に思った
「佐藤さん、その少女たち何か言ってましたか?」
蛍が体を乗り出して聞いてきたので首を縦に振り
「茶色髪の少女が“葵によろしく”と」
それを言うと驚きの混じった顔になった
男性二人は顔を見合わせて何かを話していたが聞こえなかった
「今まで新聞記者の誰もがここに来れなかった。ここまで来る途中に少女たちに違う道を案内されてしまうから」
義衛がぽつりぽつり話し出した
「新聞記者たちは桜花組について聞きに来ようとしているものばっかりだった。佐藤さん、あんたも桜花組を聞きに来たんだろ?」
義衛の言葉に静かに頷いた
女性二人は驚きの顔で夫を見つめていた
たぶん聞かされてなかったのだろう
「私は桜花組の生き残りがいると聞いてお話を伺いに来ました」
穂香は頭を軽く下げたときに葵の笑い声が響いた
穂香が不思議そうに顔を上げると蛍も軽く笑っていた
「穂香さん、副長からも許可が下りてるから桜花組についてお話しします」
穂香は不思議に思い鞄の中から土方歳三の手紙を取り出して見た
やはり副長、土村紅は明治2年にここ北海道で戦死している。
では、いつ許可が下りたのか
「フフ、不思議そうに思ってる。あのね?桜花組の副長土村紅の特徴は一人称が僕で髪が明るい茶色。佐藤さんをここまで連れてきたのはたぶん紅に斎田先輩だと思うんだ♪」
葵が嬉しそうに話してくれた
「!?彼女たちが桜花組を歴史から消した本人たち……本当にお話ししてくれるんですか? 」
考え込んだ後、もう一度確認すると葵が立ち上がって
「武士に二言は無い!!なんだって俺は桜花組4番隊組長東宮葵だからね!!」
葵の言葉でこれから穂香は時代に消えた桜花組の真実を知る