まさかの方向音痴!?
ザクッザクッ
雪が吹雪いており視界の邪魔をされながら一人の女性が歩いていた。
女性の名前は佐藤穂香。東京で新聞記者をしているのだが
「あれ?……たしかここら辺なはずなんだけど……なんで海!?」
穂香は手に持っている地図を見て叫びだした。
しかし、どう見たって海に出ないはずなのだが……
穂香は諦めてトボトボ海岸沿いを歩き出したが流石は真冬の北海道、めっちゃ寒く海岸を歩くのは結構厳しかった。
そんなとき…
「お~い、お姉さん大丈夫?迷子?」
突然吹雪の中目の前に少女?二人が立っていた。それも今時珍しい軍服姿で……疑問が物凄くあるが、このままここにいると凍え死ぬのは目に見えて分かるのでなにも考えないようにした
「始めまして、ごめんね?お姉さん迷子になってしまって……杉村さんと藤田さんの家知らない?」
穂香は見逃さなかった。
杉村と藤田と言う名に少女二人が反応したことに
しかし、よくみると歳は16~20歳位だろう
茶色い長い髪の少女と黒髪の今の日本では珍しい肩までのザンギリ頭?と言っていいのか分からない不思議な髪型をしていた。(未来ではショートカット)
なぜこんな吹雪の日に海岸にいるのかが不思議だった
「…ねぇ、お姉さんの名前佐藤穂香って言うんだけど君たち名前は?」
勇気を振り絞って聞いてみたが少女二人は互いに顔を見合わせて
「そんなことより杉村さん、藤田さんの家に行きたいのでしょ?知り合いなのでそこまで案内します」
短い髪の少女がおっとりとした声だが確実に話を剃らされた
まぁ、連れていってくれるのは嬉しかったので付いて行くことにした
少女たちが先ほど穂香が出てきた方に進むのを見て真逆に歩いていることが恥ずかしかったが歩いて行くと意外と近くにあったことで少女たちの顔を見るのと気まづくなった
「ここだよ、結構近かったでしょ?」
茶色い髪の少女が意地悪っぽく笑っているのがよくわかった
短い髪の少女はそんな様子を見て微笑んでいた
「早く入らないと日がくれてしまいますよ?」
やはりおっとりしている
「そうだね……二人は行かないの?」
穂香の問に悲しそうに微笑み首を縦に振った
行かないと言う意味だ
なぜ悲しそうな顔をするのか分からないがなにかがあるのは目に見えて分かる
「……お姉さん、っ今日はもう帰るね!!あ、葵たちによろしく」
葵とは誰なのだろうか?聞こうと思い振り返ると少女たちの姿がなかった
「?すみません!!杉村義衛さんと藤田五郎さんはいらっしゃいますか!!」
「「は~い!!」」
中から元気のいい声が聞こえた
その頃
「○○ちゃん、本当に良かったの?」
少女二人は大きな桜の木の近くまで来ていた
その桜の木の下にはお墓が二つ並んで建ててあった。
その墓の存在を知っているものは少ない
「○○先輩、これでよかったんですよ。あいつらが元気そうでよかった」
その言葉とともに少女二人はどこかへ消えてしまっていた




