悪魔の襲撃 4
悪魔の少年はガクンと膝を崩し肩を落とし、誰にも操られていないマリオネットのようになった。
その時_____
マリオネットと化した少年は顔をグッとあげ、前方にいる紫苑をキッと睨んだ。
「_____!?」
睨んでいる少年の瞳は紅く、ナイフのような切れ長な瞳だった。紫苑はその瞳を見た瞬間、金縛りにあったかのように動けなくなる。
「倒せたと思った?」
少年は口角をニッとあげ、獣のような笑みを浮かべた。
「お前らの程度で僕を倒せるわけがない。まだまだ遊び程度だな」
少年は背後から黒いオーラを放ち、どんどんと巨大化させていった。
それはだんだんと、いくつにも密集し何本もの手のような形になった。その数は約20本ほど。
「僕を甘く見るなよ」
少年の瞳が強く、強く光った。
それと同時に背後から伸びていた霧から出来た手は20本同時に、金縛りにあっている紫苑の方へと伸びていった____。
一気に伸びた手は紫苑の体をグルグルと巻き付け、何重にもそれが重なっていく。
「くっ…うわぁぁっ…!!」
「紫苑!!」
先の尖った術式ペンをギュッと握りしめた麗遠は、ペンでスラスラと空中に術式を描き始める。
その文字はだんだんと光始めていった。
「フェブリスフレイム」
その瞬間、ズラッと描かれた文字がボッと燃え、だんだんと巨大化して行く。
「はっ!」
麗遠は巨大化した炎を少年の背後から伸びている手へと放った。