悪魔の襲撃 3
少年の元へ閃光の速さで近づいた麗遠は、隣にいる白馬が持っていたキラキラ光る水晶が乗った杖に目を細めながら、白馬に顔を向けた。
「あの女の安全確保はできた。
あとはあいつを倒すだけだ」
「よし、麗遠ありがとう。
じゃあみんな、行くぞ!!」
その白馬の威勢の言葉が発された瞬間、生徒会のメンバーは手慣れたかのように、それぞれ四方に散っていった。
「ふぅん…」
少年は四方に散った生徒会メンバーを見て笑顔を浮かばせた。
「ここは僕が…先手を切ります」
紫苑が迷うことなく一直線に、少年の方へと向かった。
紫苑は手に力を込め、紫色の霧みたいにモヤモヤしたものを宿していく。
どんどん少年との距離は近くなり、その距離は2mになった。
手に込めていた力をさらに強める。
手に宿していた【毒の霧】はついに紫苑の全身を覆った。
紫苑は最大限に込められた毒の霧を右手に集中させ、右手を少年の方へと向ける。
「イャート・バレット…!」
その瞬間、紫苑の右手に込められていた毒の霧は一気に少年に向けて噴出された。
その霧はだんだんと密集し、濃い紫色の霧になっていく。
この技はイャート・バレット。遠距離射撃の技である。
技の正確性が重視されるが、命中した時の威力は絶大である。
少年は一歩も動かず前から迫ってくる毒の霧に飲み込まれていった。
「ぐっ…!」
少年は苦しそうな声をこもらせ、顔をしかめている。
美碧はその様子を見て安堵の表情をみせる。
「やった…!」