悪魔の襲撃 2
その時____。
虹子奈の目の前に、黒いオーラを纏った(まとった)少年が現れた。
「お前が………」
黒いオーラは一瞬で消え、虹子奈と同い年であろう少年の姿が、今度はハッキリと現れる。
少年は虹子奈に向かってスッと手を差し出し、歩みだす。
「まずい、あのままだと…!」
止めてあった車の影に隠れていた白馬が走り出そうとしたとき…
「うわぁっ!!」
虹子奈は大きく悲鳴をあげて、震えながら後ろへ一歩下がった。
白馬は走るのをやめ、再び車に隠れる。
「やっぱり…、悪魔が見えてる…!」
「ということは、白馬の言っていたとおり、あの女は魔法使い…か」
麗遠は白馬に向かってふっと笑い、武器である術式ペンを構える。
それを見て白馬も口元に笑みをこぼしながら、先端で光を放っている水晶が乗っている杖を手に取った。
「な、なんなの…コイツ…!」
虹子奈はジリジリと手を差し伸べながらこちらに歩いてくる少年から、もたついている脚で逃げる。
「その子に触れるな!」
「_______?」
少年は虹子奈の後ろに現れた白馬たちに、目を向けた。
それを見るなり少年は差し伸べていた手をスッと下げる。
「邪魔が入っちゃったか…」
虹子奈はその様子を見て訳わからない様な顔で少年と白馬を交互に見る。
「えっ…? どういうこと…? うわっっ!」
瞬間に、勢い良く抱き上げられる感覚がした。
しかし虹子奈が気づいた時には、すでにあの少年からずいぶん離れた所の電柱の陰にいた。
「大丈夫か?」
虹子奈は声のした方に顔を向けた。
そこには眼鏡に赤い髪、眼鏡外したらきっともっとイケメンだろう。と思う位の男の人がいた。
結構年齢上なのかな…と思ったが、白馬と同じく青のケープを羽織っている。
虹子奈の頭に、入学式の光景が映し出された。
赤い髪…確か……
「あなた…生徒会副会長の…」
「話は後だ。今は後ろに下がっていろ」
あぁ、話聞いてくれなかった…。
「確か…生徒会副会長の紅麗遠さん…」
と思っているうちに、麗遠は少年の方へ走って行ってしまった。
速い____!?
虹子奈は麗遠が走る一部始終を見ていたが人とは思えない速さだ。
チーター?新幹線?いや、それよりも速い。
「一体この人たちは何者なの…?」