悪魔の襲撃
さっきまでまだ明るかった外も、雲がとても分厚くなり、もう夜かと思うくらい暗かった。
入学式を終えた虹子奈は一人、寄り道をして帰っていた。
じめじめしていて、とても気持ちが悪いし足取りが重くなる。
「はぁ…なんかだるいなぁ…」
そのトボトボ歩いている虹子奈の後ろから…
ある声が聞こえてきた。
「…あいつだ」
「よく見つけたね、白馬」
「あはは…あの子魔力強いからさ、少し分かりやすいんだよね」
という会話が小声で繰り広げられていた。
しかし、その姿は虹子奈や周りの人には見えていなかった。
「有栖ちゃんの闇魔法のおかげで楽な追跡が出来そうだよ」
「あ、魔力が消えそう…」
………………………
「えええええーーーー⁉︎」
「と、とりあえずその辺に隠れて!」
「う、うん!」
生徒会のメンバーは四方八方に散り散りに分かれ、やがて姿が現れた。
「ふー…危なかったー…」
澄桃は隠れていた電柱に座り込んだ。
「黒川、大丈夫か?」
有栖は麗遠の言葉にゆっくりと頷く。
「なんとか…」
その言葉に藍はうーん、とうなだれる。
「また魔法を使うには、ちょっと時間が必要だよな…」
「そうね…」
有栖は魔法を発動しようとするが全く反応しない。力が全くでなかった。
「…! 待って!」
白馬は静かにの合図を出す。いつもの笑顔も消え、何かを睨んでいる。
「どうした、白馬」
麗遠もその空気を察し、辺りを見回す。
「何かの…気配が…」
その気配はだんだんと大きくなってきたのか、白馬は目を目一杯に凝らし、辺りを見回した。
「うそっ…こんな時に…!」
澄桃は眉をひそめ、立ち上がった。
「みんな、とりあえず準備をしておけ」
「分かった」
生徒会のメンバーはそれぞれの武器を持ち、速やかに攻撃の準備をする。
「ーーー来るぞ!」