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第02斬 "テンペストにハリケーン、タイフーン……さてこれはなんでしょう?"


WW2の英国戦闘機は素晴らしい。


ドイツの88mm高射砲も素敵だ。


ただ、難点があるとすれば……


この前書きが、中身と関係あるようなないような微妙な内容だということぐらいだろうか?








むかぁしむか〜し、ある世界に大層ふざけた魔王がいたそうな……




【まんが混沌昔ばなし】

より抜粋




☆☆☆




さて、ニート魔王で盛り上がっていた一人と一体、二剣二刀のソーディアンと、人工知性結晶体であったが……


"がちゃ"


不意にリビング・キッチンから寝室に繋がる木戸が唐突に開き、


「ふあぁぁぁ〜〜〜っ……おはよ。"テンペスト"、レイ」


アクビ混じりに出てきたのは、とある21世紀の島国なら間違いなく○学校に通ってそうな幼女(?)だ。

無論、"人間ならば"という但し書きがつくが……




髪型は思わず"ちよちゃん"とか呼びたくなる茶髪の短いツインテで身長は140cmに満たず、体型は上から順に【つる〜ん、ぺた〜ん、ざんね〜ん】と効果音が付きそうな見事なフラット系幼児体型。


なんで断言できるかと言えば、一糸纏わぬ素っ裸だからだ。


少し色っぽい事を細かく言うなら、全身にキスマークと色々な混合体液が乾いたのとか赤い固形物がびっしりとこびりつき、きっと宿屋の主人が居たなら、


『昨晩はお楽しみ……いえ、お楽しみ過ぎましたね?』


とか言ってくれそうだ。




『きゅっくる〜♪』


彼女の目覚めに嬉しそうに頭上を旋回していた、"翼の生えたトカゲ"……いやいや、手乗り文鳥ならぬ"肩乗りドラゴン"はぱさっと小さな羽音をさせてツインテの中間、頭のてっぺんに着地する。


「"ニーくん"もおはよ♪」


『きゅる〜♪』


ちなみに"ニーくん"と略称されてるが、このチビドラゴンのフルネームは、"ニーズヘッグ"という中々にゴツく不吉な物だったりする。


とりあえず、このちびっこ……ネーミングセンスはただ者ではない。


というか、もしかして激レアスキルの【竜使役師(ドラゴン・マスター)】なのだろうか……?




☆☆☆




という事は消去法で、前回は名前が出てこなかったソーディアンの名が"テンペスト"なのだろう。

フルネームで言うなら、


【テンペスト・ホーカーシドレー】


である。

言うまでもなく父親の名前はタイフーンで、姉さん女房な母の名前はハリケーンだ。

ちなみに子供が出来たらハンターとか付けてほしい所だ。




『相変わらず寝坊助ですね? "アハト"』


少したしなめるようなレイの言葉に、


「ドワーフは夜行性だから朝は弱いんだよぉ〜」


と実はドワーフっ娘の【アハト=アハト・シュレーク】は唇を尖らせた。


ちなみに彼女、見かけは人間だと1桁っぽいが実際の年齢はとっくに成人している。









**********




少しだけアハトの事を書いておくと……




実は彼女、故郷の"ドワーフの里"ではかなりダメっ娘扱いされていた。


ドワーフなのに冶金/錬金まるで駄目。

手先もぶきっちょで細工も駄目。


何しろ写実的な彫刻をさせたら抽象的を通り越して"クトゥルフ神話に出てきそうな筆舌しがたい何か"になる始末。


彼女の彫刻を見て子供が泣き出したのはあまりにも故郷では有名な逸話だ。




いくら竜使役ができる……死にかけた"はぐれ子竜"を拾って看病したらなつかれ、気がついたら使役できるようになっていたとはいえ、ドワーフの里ではそんな珍妙な特技に意味はない。


そんな調子だったもんだから、完全にミソッカス扱いでお年頃(結婚適齢期)になっても嫁の貰い手がなく、腐っていた所に訪れたのがたまたま手に入れた魔剣を鍛え直しに来たテンペストだった。




☆☆☆




元来、ドワーフという種族はかなり保守的で余所者には心開かず別種族には警戒を解かず、特にエルフは大嫌いという特性があるが、テンペストは貴重な例外だった。


というのもテンペスト、ひょんなことから里を襲う魔獣、ドワーフの宿敵"ジャイアント・モール"と戦う羽目になり、見事にこれを退治した。


この活躍によりテンペストはドワーフの里の英雄、


【人間にしては見所のある奴】


として受け入れられ、打ち解ける。


以来、テンペストは魔剣とかを入手して、レストアとか必要になるとドワーフの里を訪れるようになったのだ。




勿論、アハトもテンペストの事は知っていた。


というか、男性の減少により相手不足に悩む(ドワーフの男は人間より遥かに一夫一妻意識が強い)里にとって、テンペストはまたとない"獲物(笑)"であり、また彼の守備範囲(ストライク・ゾーン)は極めて下に広い為に、互いの需要と供給が合致し、来る度に宿にあぶれたドワーフっ娘達が押し掛け、乱痴気騒ぎになるのだ。

例えば、


【一晩同時五人Ahe】

の武勇伝は余りに有名だ。


どうでもいいが……

いくら頑丈さにおいては比類なきドワーフとはいえ、実際の年齢はともかく見かけはアレな小さな娘達相手に、よくぞ彼処まで鬼畜&外道プレイをできる物だとむしろ感心する。


とはいえ、人間で見た目通りの年齢なら確実に精神(こころ)肢体(からだ)も"壊れる"プレイでも、むしろよがり狂った後にケロッとしてる("クセ"にはなるようだが)のがドワーフがドワーフたる所以なのだが……




☆☆☆




話が斜め下にズレたが……


ともかく、ミソッカス扱いのアハトは一念勃起……もとい。発起。


荷物を纏めると、ニーズヘッグ共々里の出口でテンペストを待ち伏せ。


そのまま、押し掛け女房と相成った。


以来、アハトは自称"テンペストの嫁"を名乗っている。


まあ、テンペストも別に肯定も否定もしてないし、どうやら彼女の現状を見る限り憎からずとは思っているので、これはこれで良いのだろう。




贅沢を言うなら、里でテンペストを待ち構えてるだろう雌狼の群れに"格の違い"を見せつける為に、"ハンター"とかの開発と量産を急ぎたいが、人間とドワーフだと中々に命中弾や有効弾は出しにくいらしく、今のところ(アハトのみの)家族計画段階だ。











**********




『ドワーフが夜行性とは聞いたことありませんが?』


「じゃあ、昨晩テンペストと頑張り過ぎたってのはどう?」


アハトはニコリと微笑むと、急にモジモジしだして、潤んだ熱っぽい目でテンペストを見ると……


「昨日の……"探さ吊り人間燭台ごっこ"……すっごい良かった♪」


"ぽっ"


いや、"ぽっ"じゃねーだろ(汗)

お前はどこの董卓だよ?


ああ、なるほど。

身体中にこびりついた赤い固形物の正体は、低温蝋燭の残骸だったのか……


「テンペストぉ……またしてぇ♪」


『貴女には、節操という物がないんですか?』


「そんなの里に置いてきたよん♪」




【テンペスト・パーティー】の面子もこれでまずは全員集合。


とりあえず、今日も平和(?)な一日が始まったようだ。










次回へと続く希望は、その心にあるのだから……







皆様、ご愛読ありがとうございましたm(__)m


今日は強風のせいで電車が止まり、予定が全部キャンセル(泣)


予想外に空いた時間を全てつぎ込み、第02斬を完成させました(^^;




いや~、やっぱりパーティーの初期面子であるドワーフっ娘を書かないと片手落ちだろうという事で(;^_^A


実はソーディアンの名前が直前まで決まらず、


『今日は突風だなぁ……電車止まったし』


って所からテンペストって名前を思いつき、更に


『英国の戦闘機落とすならドイツの高射砲だよな♪』


って安直な理由でアハトの名をつけたのはナイショです(笑)




なんかファンタジーと言い張るのに勇気がいる作風ですが、また次回にて皆様にお会いできる事を祈りつつ(__)





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