虚数的なプロローグ
見てくれてアリガトー。
誤字や文法、表現方法の誤りや、良い使い方など感想よろしくお願いします。
アドバイス的な批判は大歓迎です
僕は昔、幽霊が見えていた。触れることも、話すことも出来たから、それが幽霊だなんてちっとも気が付かなかった。
おかしいな。と思い始めたのは四歳の頃からだった。
その頃の僕は『ひよちゃん』というお友達がいて、いつも一緒に遊んでいた。
でもそれがまずかったらしい。
沢山いたお友達も、だんだん僕を避けるようになっていった。
その当時は原因が全く解らなくて。ただただ悲しくて。『ひよちゃん』に泣きじゃくったこともある。
でも『ひよちゃん』はとても優しくて。僕の頭を撫でながら抱きしめてくれた。
けれど『ひよちゃん』の表情は何故だかひどく淋しそうで。 だから僕は『ひよちゃん』を元気付けであげたくて。【僕は何処にも行かないよ】って言って。そのコトバの持つ意味なんて全然わかってなかったから。いきなり『ひよちゃん』が泣き出してしまったのが悲しくて。僕はまた泣いてしまった。
結局、僕が『ひよちゃん』に会ったのはその日が最期だ。
八月の。陽射しが照りつけ、咽せるように暑い、夏の日。
ドコまでも続く、群青色の空が段々、朱色に染まっていって。
何故だか僕は、その夕焼け空の景色にひどい焦燥感を抱いた。
そして『ひよちゃん』が言ったんだ。
きっと、大丈夫だよ。
××くんは私が助けにいくから。
だから待っててね。
そう言い残し。バイバイもせずに『ひよちゃん』はどこかに行ってしまった。
そして遺されたのは、いつもひよちゃんが着けていた緋色の紙紐。
その日を境に、僕は段々と体調を崩していった。
最終的に僕は十年間を病院のベッドの上で過ごすことになった。
原因は不明。今でも全く解らないけれどボクは、二度の心配停止、記憶の欠落、一時期人格障害まで。様々な危機に直面したらしい。
今でも記憶は一部戻っていない。
五歳から十一歳までの記憶がまったくないのだ。
そして、顔の造詣がとても女の子じみてる。
初対面ならまず絶対に男扱いはされないほどに。
ボクが信頼している従姉妹の話では、僕はかなりギリギリだったそうだ。
毎回毎回ホラーチックに仕立て上げて話してくる従姉妹はどうかと思うが。
そして偶にだけど、ポツリと呟くんだ。
「まだ空はみえないか?」
その意味が解らなくて。でも最近、漸くわかってきたような気もする。
もしかしたら、ぼくは物語なのかもしれない。
まぁ、僕とボクの独り語りはこの辺にしておこう。
じゃないと、語り部さんが泣いてしまう。
では最後に----
僕は『ひよちゃん』の姿を忘れてしまった。
ボクは当たり前の景色を忘れてしまった。