仮面
ハツラツとした性格だった私は、小学校5年生にあがると、
一気に大人しい性格に変えてしまった。
漫画や小説などでよく出てくる、読書家で大人しい
知的美人系のキャラに憧れていたのかもしれない。
休み時間は必ず1人で読書。
勿論、友達もあまり多くはなかった。
6年生になって、少しずつ友達も増えたが、
親友とケンカをして傷つけてしまったことから、
人間関係に臆病になって5年生の頃に戻った。
中学校にあがるとき、私は今までを振り返り、
友達が欲しいと強く強く思った。
傷つけてしまうかもしれないけれど、
誰かの中に、自分の居場所が欲しかった。
けれど、新しい中学校という環境の緊張感と、
何にでも真面目に取り組もうとしたために、
真面目っ子という印象がついてしまった。
結局、やっと他人との壁が壊れ始めた頃には、
もう進級でクラス替えの時期だった。
2年生になってから私は大きな変化を成し遂げた。
真面目っ子の仮面を捨てることで、
たくさんの友達を手に入れることが出来た。
やっと手に入れたこの環境を楽しんでいた私に、
クラスのある友達が言った。
「あんたの性格ってよっくわかんないよね~。
ハツラツと思ったらしばらく真面目だし、
かといって2年になったらはっちゃけるし。
どれがホントのあんたなの?」
そのとき、私は始めて気がついた。
真面目という仮面を脱いで、素に戻ったつもりでいた私。
でも実は、その素でさえも仮面だったということに。
私にかぶさっている仮面が全て取れる日は、
まだまだまだまだ遠そうです。