〇四七:撲天鵰、生死の書を両度修め 宋公明、一たび祝家荘を打つ
「状況が『詰み』すぎてて草。でも作画が神。」
火力がバグってる (火の勢いが異常すぎて、ゲームのパラメータ設定を間違えたレベル)
先頭のニキ、バイブス高すぎ (一番前の李逵が斧を振り回してて、テンションや気迫が凄まじい)
完全に「無理ゲー」 (矢の雨と火の海で、攻略不可能な難易度のゲーム状態)
治安が悪すぎる (争いや危険な雰囲気がMAX)
エモい (絶望的な状況だけど、なんか心動かされる、趣がある)
【しおの】
話は、楊雄と石秀が、あの世にも奇妙な風貌の男と出会った場面に遡る。楊雄はその男を地面から抱き起こすと、石秀に向き直って言った。
「こちらの兄貴はどなたです?」
石秀の問いに、楊雄が答える。
「この男は、姓を杜、名を興という。中山府の生まれだが、このいかつく荒々しい顔つきのせいで、皆から『鬼臉児』と呼ばれている。去年のことだ、商売で薊州に来ていた折、諍いから仲間を殴り殺して牢に入れられてな。俺は、彼が拳法や棒術に秀でた者だと知り、力を貸して助けてやったのだ。まさか、こんな場所で再会しようとは」
杜興は驚きとともに尋ねた。
「恩人殿、これほど遠い場所へ、一体どのようなご用件で?」
楊雄は周囲を気にしながら、その耳元で低く囁いた。
「実は、薊州で人を殺めてしまい、梁山泊へ身を寄せようと逃げてきたのだ。昨夜、祝家荘の宿に泊まったのだが、連れの時遷という男が店の報暁鶏を盗んで食うという不始末をしでかしてな。店小二と揉め、ついカッとなって店を焼き払ってしまった。夜通し逃げたが、まさか追っ手が来るとは思わなかった。俺たち二人で数人を退けたものの、乱戦の最中、草むらから伸びてきた鉤鎌槍に時遷をさらわれてしまったのだ。俺たちはここまで逃げ延び、道を尋ねようとしていた矢先、お前に会ったというわけだ」
「恩人殿、案じることはありません。私が時遷を連れ戻してご覧に入れましょう」
杜興の力強い言葉に、楊雄は安堵して勧めた。
「そうか、頼もしい。まずは賢弟、ここへ座って一杯やろうではないか」
三人は腰を下ろし、酒を酌み交わした。杜興が語る。
「薊州を離れて以来、恩人殿のご恩を胸にここまで参りました。幸いにもこの地の旦那様に目にとめていただき、今は屋敷の主管を務めております。金銭の出し入れから何から、すべて私を信頼して任せてくださるので、故郷へ帰る気も失せましたよ」
「その大旦那様とは、どなただ?」
楊雄の問いに、杜興は独龍岡の情勢を解き明かした。
「この先の独龍岡には、三つの丘があり、それぞれに村を構えております。中央が祝家荘、西が扈家荘、そして東が私の仕える李家荘です。この三つの荘園を合わせれば、軍馬と人家は一、二万にも及びます。中でも祝家荘は最も勢いがあり、当主の祝朝奉には『祝氏の三傑』と謳われる三人の息子がおります。長男の祝龍、次男の祝虎、三男の祝彪。さらに『鉄棒』の異名を持つ武芸師範・欒廷玉が控えており、その勇猛さは万夫不当。西の扈家荘は扈太公が治め、息子の『飛天虎』扈成も手練れですが、何より娘の『一丈青』扈三娘こそが真の英傑。日月双刀を振るい、馬上で舞う姿は見事なものです。そして東が、私の主人、李応の李家荘でございます。主人は渾鉄点鋼槍を操り、背に隠した五本の飛刀は百歩離れた標的をも射抜きます」
「『撲天鵰』と呼ばれる李応殿のことか!」
楊雄が驚くと、杜興は頷いた。石秀も身を乗り出す。
「江湖にその名を知らぬ者はない好漢だ。ぜひ、お会いしたい」
三人は店を出て、李家荘へと向かった。
たどり着いた屋敷は、広大な堀に囲まれ、白い土塀に沿って数百株の柳が風に揺れていた。門の内側には武具が並び、厳かな空気が漂う。杜興が奥へ知らせに走ると、やがて李応が姿を現した。
その威風堂々たる風貌を写せば、まさにこのようなものであったろうか。
ハヤブサのような眼差しに鷹の瞳を宿し、頭は虎のごとく勇ましく。
燕の顎に猿の腕、しなやかな狼の腰つき。
財を軽んじて義を重んじ、英豪と結ぶことを誉れとする。
雪のごとき白馬を駆り、深紅の戦袍をなびかせるその姿。
背には五本の飛刀を隠し、点鋼槍には銀の装飾が煌めく。
その剛直な気性を、誰が侵すことができよう。
彼こそは「撲天鵰」李応、真の壮士なり。
李応は楊雄と石秀を温かく迎え、酒でもてなした。二人が時遷の救出を乞うと、李応は快諾し、自ら署名と花押を記した一通の手紙を書かせ、副主管を祝家荘へと走らせた。
しかし、戻ってきた副主管の報告は意外なものだった。
「祝家の三兄弟が腹を立て、手紙を突き返してきました。人を放さぬばかりか、州の役所へ突き出すと言い張っております」
李応は耳を疑った。
「生死を共にする誓いを立てた仲ではないか。杜主管、お前が私の直筆の手紙を持って、もう一度行ってまいれ」
杜興は主人の再度の親書を懐に、祝家荘へ馬を飛ばした。
日が暮れかかる頃、戻ってきた杜興の顔は怒りで紫に染まっていた。
その怒りに震える貌を形容するならば、
生まれ持った異相は、怒りに触れてさらに猛々しく。
人の形を留めぬほどに凄まじきその面構え。
地獄の焦面王が如き凄絶なまでの憤怒。
杜興は息を乱しながら訴えた。
「祝家の三兄弟は、旦那様の手紙を封も切らずに引き裂きました。あまつさえ『お前の主人も梁山泊の賊として突き出してやる』と、口を極めて罵ったのです!」
信じがたい裏切りであった。
漆と膠のように固く結ばれたはずの絆も、
利害の渦中では、いとも容易く投げ捨てられるものか。
真の義気がなければ、死生の交わりとて空しき言葉。
「小僧ども、よくも俺をコケにしたな!」
李応の怒りは頂点に達した。黄金の鎖子甲を纏い、点鋼槍を手に取ると、三百の精鋭を率いて独龍岡へと突き進む。楊雄と石秀も朴刀を手にこれに従った。
岡の上には堅牢な石垣の城がそびえる。門が開くと、赤い馬に跨った祝彪が飛び出してきた。
金の荷葉兜に、梅花をあしらった鎖の鎧。
弓矢を腰に、鋭き刀槍を手に。
馬の紅纓は地を照らし、その面には天を衝く殺気が満ちる。
李応と祝彪、二人の将は火花を散らして打ち合った。十七、八合。李応の力に圧された祝彪は馬を返して逃げ出す。追いかける李応。だが、祝彪は振り返りざまに、満月に引き絞った弓を放った。
鋭い風切り音とともに、矢は李応の腕を貫く。落馬する李応。祝彪が止めを刺そうと迫るが、そこへ楊雄と石秀が割って入った。二人の奮戦により祝彪は退き、李応は救い出された。
屋敷へ戻り傷を癒したものの、時遷を救う術は尽きた。楊雄と石秀は決意する。
「我ら二人は、梁山泊へ向かいます。頭領たちに乞い、祝家荘を討ち果たしましょう」
二人は李応に別れを告げ、梁山泊への路を急いだ。
山道を進むうち、二人は一軒の酒屋を見つけた。そこは梁山泊の監視所であり、石勇が守っていた。互いの素性を知ると石勇は喜び、鏑矢を放って対岸へ合図を送った。小船に揺られ、二人はついに梁山泊の大寨へと登った。
晁蓋、宋江をはじめとする好漢たちが並ぶ中、楊雄はこれまでの経緯を語った。だが、祝家荘の無礼を伝えた瞬間、晁蓋が激昂した。
「この二人を斬れ! 梁山泊の名を騙って鶏を盗むとは、我らの恥だ!」
楊雄と石秀、その覚悟も虚しく。
時遷を連れたことが、思わぬ禍を招く。
豪傑の心は火の如く熱くとも、
緑林の法度は霜の如く峻厳なり。
宋江が必死にこれを諌めた。
「兄貴、お待ちください。祝家荘はかねてより我らの敵。この機に奴らを討てば、数年分の兵糧も手に入り、李応殿という新たな仲間も迎えられましょう」
呉用たちの助言もあり、晁蓋はついに怒りを鎮めた。こうして、宋江を総大将とする祝家荘討伐軍が編成された。
独龍岡へ到着した宋江は、まず密偵として石秀と楊林を村へ送り込んだ。石秀は薪売りに、楊林は行者に姿を変えて潜入する。
軟弱は身を守る礎となり、剛強は禍を呼ぶ種となる。
争わず競わぬことこそ賢才の道。
鈍き斧で瓦を叩けば砕け、鋭き刀で水を斬れども分かたれず。
髪は白く歯が抜けても、舌だけが残るは、その柔軟ゆえ。
迷路のように入り組んだ村の道に、石秀は途方に暮れる。だが、幸いにも親切な老人・鐘離に出会い、この地の「盤陀路」の秘密を聞き出した。
「白楊の木がある角を曲がるのじゃ。それ以外はすべて行き止まり、地には竹槍が埋めてある」
その時、表が騒がしくなった。道を知らぬ楊林が、袋小路に追い詰められて捕らえられたのだ。さらに祝彪の巡回が通り過ぎる。
石秀は老人の家に身を潜め、機を伺った。
一方、宋江は密偵の帰還を待てず、夜の闇に乗じて全軍に突撃を命じた。李逵を先頭に祝家荘へ殺到するが、城門は固く閉ざされ、中は不気味なほどに静まり返っている。
「罠だ、退け!」
宋江が叫んだその時、夜空に一発の号砲が響き渡った。
独龍岡の頂に無数の松明が灯り、周囲からは地響きのようなときの声が上がる。宋江たちは、出口のない迷宮の中、敵の包囲網に完全に取り残されてしまったのである。
文武の才あれど、この天羅地網をいかにして逃れるのか。
虎を縛り龍を捕らえる計略の渦中、宋公明の運命やいかに。
【Vol.47:ニワトリ・ゲート事件から始まる、祝家荘vs 梁山泊の初戦レポート】
祝家荘バトルの一部始終
きっかけは「食い逃げ」:
時遷っていう泥棒スキルの高いやつが、祝家荘の店で「時告げ鶏」を無断でシメて食っちゃった。これがバレて逆ギレ&火を放って逃げたから、さあ大変。時遷は捕まり、楊雄と石秀だけ逃げ延びます。
仲裁失敗でキレる有力者:
二人は知り合いの杜興を頼って、そのボス・李応に相談。李応は「俺の顔を立てて時遷を返してやれ」と祝家荘に手紙を書くけど、祝家の三兄弟(金持ちのワガママ息子たち)に「お前も賊の仲間かよw」と煽られ、手紙をビリビリに破かれます。李応はガチギレして攻め込むも、返り討ちにあって負傷。
梁山泊、出陣!:
楊雄と石秀は梁山泊へ。最初、ボスの晁蓋は「泥棒なんてセコい真似して俺たちの看板を汚すな!斬首だ!」と怒りますが、宋江が「いや、あそこの村、食糧めっちゃ持ってるし、ついでにぶっ潰して奪っちゃいましょうよ」と提案。軍勢を出して祝家荘へ突っ込みます。
初戦、大失敗(詰んだw):
宋江たちはノリノリで攻めますが、祝家荘の村は「盤陀路」っていう激ムズの迷路になってました。夜中に突っ込んだら、道に迷うわ、伏兵は出るわ、楊林は捕まるわで、宋江軍は完全に「ソフトロック」状態(詰み)。絶体絶命のピンチで次回へ!
【混乱防止】この章で初登場(&再登場)したニューカマー名鑑
この章、一気に名前が出てきて「誰が味方で誰が敵!?」ってなるので、キャラを整理しておきます。
李家荘サイド ※今回は味方っぽい中立
李応
あだ名: 撲天鵰
特徴: 超リッチな地主。背中にナイフを5本隠し持ってる。義理堅いけど、プライドを傷つけられてブチギレるタイプ。
杜興
あだ名: 鬼臉児
特徴: 李応の執事。顔がめちゃくちゃ怖いが、義理人情に厚い。楊雄に命を救われた過去がある。
祝家荘サイド ※今回のメイン敵(強キャラ軍団)
祝朝奉:村のボス。
祝氏三傑(祝龍・祝虎・祝彪)
特徴: 祝家の三兄弟。特に三男の祝彪が一番の武闘派で、今回のトラブルメーカー。
欒廷玉
あだ名: 鉄棒
特徴: 祝家荘の軍事顧問(師範)。この時点でのラスボス級。 めちゃくちゃ強い。
扈家荘サイド ※祝家荘と同盟中
扈三娘
あだ名: 一丈青
特徴: 水滸伝屈指のヒロイン&強キャラ。 祝彪の婚約者。馬に乗って二刀流で戦う。
その他・重要サブキャラ
鐘離老漢
特徴: 村に住んでるおじいちゃん。迷路(盤陀路)の攻略法を石秀に教えてくれた「攻略Wiki」みたいな重要人物。「白楊の木」が正解ルートの目印だと教えてくれる。
石勇
あだ名: 石将軍
特徴: 梁山泊の入り口の酒屋でバイト(監視)してる。楊雄たちを山へ案内した仲介役。
若者向けワンポイントアドバイス
この回を理解するコツは、「祝家荘は地元密着型のガチガチの防犯コミュニティ」で、「梁山泊はそれにカチコミをかけた外部勢力」だと捉えること。
宋江が「俺たちなら余裕っしょw」と舐めてかかったら、物理的な「迷路」と「地雷(鉄菱)」にハメられた……というのが、今回のオチです!




