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私説 水滸伝一〇八編の鎮魂曲  作者: 光闇居士


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〇四五:楊雄は酔うて潘巧雲を罵り、石秀は智をもって裴如海を殺める

挿絵(By みてみん)

『月下断罪図 ― 冀州路地の粛清』 任侠浪曲風 独白

(三味線の調べ、ゆっくりと始まり、語りが入る)

〽︎闇に沈みし 冀州の路地よ…

〽︎寒月冴える 石畳…

〽︎男の意地が 命を賭けて…

〽︎怨念晴らす 血のしずく…

(語り)

「へい…皆の衆、耳を傾けてくだせぇ。これは遠い昔、遠い異国の地で起こった、ある男の、いや、若き義侠の士の、血と涙にまみれた物語でござんす…」

(歌い出し、力強く)

〽︎月は白うて 路地は深く

〽︎軒の影さえ 鬼と化す

〽︎若き精悍 石秀が

〽︎心に秘めし 刃の音

〽︎人の道踏み外す

〽︎畜生道へと堕ちた僧

〽︎裴如海とて 許せぬは

〽︎義理と人情を 汚す罪!

(語り)

「ああ、あの潘巧雲を誑かし、兄貴分を罠に嵌めおった外道僧、裴如海…!仏の道を説きながら、その腹は欲と悪で膨れ上がっておったという。そんな腐りきった輩を、この若き石秀が見過ごすはずがねぇ…!」

(歌い継ぎ、情念を込めて)

〽︎頭陀の衣に 木魚を抱き

〽︎見えぬ短刀 握りしめ

〽︎一点の迷いも 無き眼光

〽︎月をも穿つ その気迫

〽︎「命乞いなど 聞くものか!」

〽︎一閃、墨飛ぶ 白い道

〽︎肥えたる肉体 転がりて

〽︎悪の華散る 月の下!

(語り)

「飛沫となって散るは、僧の血潮か、はたまた石秀の怒りの墨か…!白い石畳に広がるは、因果応報、自業自得の証でござんす。遠く霞む報恩寺の五重塔も、この惨劇を静かに見守っておるかのよう…」

(歌い締め、余韻を残して)

〽︎義侠の刃 錆びつくまじと

〽︎石秀が立つ 月下の路地

〽︎風は冷たく 身を切るが

〽︎心に残るは 晴れし空

〽︎ああ、男の道は 峻厳なれど

〽︎清き心に 曇りなし!

(三味線、静かにフェードアウト)


【しおの】

 さて、話は戻る。石秀が豚の買い付けから戻ると、あちこち片付けられた店の様子を見て、いよいよ別れの時が来たかと、主の潘公はんこうに切り出した。

「叔叔、まあ待ちなされ。あんたの言いたいことは痛いほど分かる。二晩も家を空け、今日戻ってみれば店が閉まっている。てっきり『もう商売はやめだ』と早合点して、出て行こうとしているんだろう? これほど繁盛している店を畳むわけがない。たとえ万が一、店を閉めるようなことがあっても、あんた一人を養うくらいの甲斐性は、このわしにもあるのだ。

 実はな、うちの娘の亡き夫、王押司おうおうしの二周忌が明日でな、供養のために二日ほど店を休ませたのだ。明日は報恩寺ほうおんじから僧侶を招いて法要を営むゆえ、叔叔にもぜひ手伝ってもらいたい。わしはもう年で夜更かしが堪えるのでな、あんたに万事頼みたいのだ」

 これを聞いた石秀は、

丈丈おじいさんがそこまでおっしゃるなら、もう少し厄介になりましょう」

 と答えた。潘公は安堵して、

「叔叔、これからは変な疑いなど持たず、どうか気楽に過ごしてくれ」

 と語りかけ、二人は数杯の酒と精進料理を共にし、静かに膳を下げた。

 やがて、寺男(道人)が経典などを担いで現れた。祭壇が設けられ、仏像や供物、鐘に太鼓、線香や蝋燭が整然と並べられていく。厨房からは、法要の後に供される斎食さいじきの香りが漂い始めた。

 さるの刻、午後四時を回る頃、楊雄が一度帰宅したが、石秀にこう告げた。

「賢弟、あいにく今夜は当直を任されていてな、法要には立ち会えぬのだ。万事、頼んだぞ」

「兄貴、案じることはない。夜のことはすべて私が引き受けよう」

 楊雄が役所へ戻った後、石秀は門前で用事をこなしていた。すると、一人の若い僧侶がすだれを掲げて入ってきた。石秀が見れば、その身なりはあまりに小ざっぱりとして、世俗の垢を感じさせないものであった。

 青々と剃り上げた頭には、麝香じゃこうと松脂の艶が塗り込まれ、

 仕立てたばかりの黄色い僧衣(直裰)からは、沈香や白檀の香りが漂う。

 足元を飾るは福州染めの深緑の履物、

 腰に巻いた九条の組み紐は、西域より届いた真紫。

 ぎらつく泥棒のような双眼は、施主の若奥様をなめるように眺め、

 口先だけの甘い言葉を並べては、喪家の未亡人をたぶらかす。

 一度、色情が起これば尼寺へと走り、

 欲情が動けば方丈の陰で稚児を弄ぶ。

 その僧侶は奥へと進むと、石秀に対し慇懃に合掌(問訊)した。石秀もそれに応じつつ、「師父、少々お待ちを」と声をかけた。僧の背後からは、寺男が二つの菓子折を担いで入ってくる。

 石秀が「丈丈おじいさん、お坊さまがお見えですよ」と呼びかけると、潘公が奥から姿を現した。僧侶は愛想よく言った。

乾爺おとうさん、最近はどうしてお寺へ顔を見せてくださらないのですか」

「店を始めてからというもの、忙しくてなかなか出られなくてな」

「今日は押司殿の二周忌とうかがいました。大したものではありませんが、麺と京棗なつめを少々お持ちした次第です」

「やれやれ、かえって気を使わせてすまないのう」

 潘公は石秀に品を受け取らせ、奥へ運ばせた。石秀は茶を淹れ、僧侶に勧めた。

 そこへ、二階から楊雄の妻、潘巧雲はんこううんがしずしずと下りてきた。喪中とはいえ、地味な装いではなく、うっすらと化粧を施している。

「叔叔、どなたからの贈り物かしら」

丈丈おじいさんを『乾爺』と呼ぶお坊さまだよ」

 巧雲はそれを見て、華やかに笑った。

「まあ、兄弟子の海闍黎かいじゃり裴如海はいじょかいさんだわ。とても真面目な方なのよ。実家は絨毯屋の裴家で、報恩寺で出家されたの。師匠がうちの門徒だった縁で、父と義理の親子になったのよ。私より二つ年上だから『師兄にいさん』と呼ばせてもらっているわ。法名は海公かいこうとおっしゃるの。――叔叔、今夜のお経をぜひ聞いてみて。本当にいいお声なんだから」

 石秀は「なるほど」と頷きながらも、心の片隅で(妙に馴れ馴れしいな)と怪しんでいた。

 巧雲が表へ出ると、石秀は手を後ろに組み、密かに簾の陰からその様子を伺った。

 巧雲の姿を見るや、僧侶は立ち上がって進み出て、深く合掌した。

「まあ師兄、こんなにお金を使わせてしまって申し訳ないわ」

賢妹いもうと、ほんの心ばかりの品だ。気に病まないでくれ」

「何をおっしゃるの。出家された方から頂き物をするなんて、罰が当たってしまうわ」

「そういえば、当寺に新しく水陸堂すいりくどうが完成したのだよ。ぜひ賢妹にも参拝に来ていただきたいのだが、節級せっきゅう殿がお気を悪くされるだろうか」

「うちの人なら大丈夫よ。そんな細かいことを気にする人じゃないわ。それに、母が亡くなった時に『血盆経けつぼんきょう』をあげる願掛けをしたままになっているの。近いうちに必ずお参りして、約束を果たさなきゃ」

「身内のことではないか、そんなに他人行儀にしないでくれ。私に言ってくれれば、何でも手配するよ」

「それなら師兄、母のために丁寧にお経をあげてくださる?」

 女中がお茶を運んでくると、巧雲は自ら茶碗を手に取り、手巾でその飲み口を丁寧に拭ってから、両手で僧侶に差し出した。僧侶はそれを受け取る際、涎を垂らさんばかりの目つきで巧雲の全身をねめ回し、巧雲もまた、嬉しそうにその視線に応えていた。

 「色胆しきたん、天の如し」というが、簾の陰で石秀がすべてを見ているとは夢にも思わぬ二人である。

 石秀は心中で毒づいた。

(『真っ正直な者など信じるな、偽りの慈悲にこそ用心せよ』とはよく言ったものだ。あの女、俺にまで色目を使ってきやがったが、やはり根っからの尻軽だったか。もし俺の手にかかれば、楊雄の兄貴に代わってきっちり始末をつけてやるぞ)

 石秀は疑念を確信に変え、簾を上げて堂々と出て行った。

 賊坊主は慌てて茶碗を置くと、「大郎だんな、まあお座りなされ」と取り繕った。

 巧雲がすかさず口を添える。

「この叔叔は、主人が新しく義兄弟の契りを結んだ方なの」

 僧侶は急に腰を低くし、愛想笑いを浮かべた。

「大郎のお国はどちらで? お名前は?」

「姓は石、名は秀。金陵きんりょうの生まれだ。余計なことに首を突っ込み、人のために一肌脱ぐのが性分でな、世間からは『拼命三郎(へんめいさんろう=命知らずの三郎)』と呼ばれている。見ての通りの無骨者だ、礼儀知らずは勘弁してくれ」

「これは失礼した。……では拙僧は、仲間の僧たちを迎えに行って参ります」

 僧侶は逃げるようにその場を去った。

「師兄、早く戻ってきてね」という巧雲の言葉に、「すぐ参る」と答えて足早に消えていく。巧雲は名残惜しそうにその背中を見送り、奥へと入った。

 一人残された石秀は、門前でうつむき、深く考え込んでいた。

 およそ、世の中で僧侶ほど色欲の強い者はいないという。なぜか。俗世の者も出家者も、同じ父母から生まれた人間であることに変わりはない。しかし、古来より言われる色事の条件「はんとうしょうかん」のうち、僧侶は「ひま」という点で群を抜いているのだ。

 三度の食事は施主からのもてなし、住まうは立派な僧房。俗世の煩わしさもなく、ふかふかの寝床に身を任せていれば、考えることといえば「アノこと」ばかりになるのも無理はない。

 例えば、金持ちであっても悩みは尽きず、夜は金の工面で眠れぬこともある。美しい妻がいても、心に余裕がなければ情趣は湧かない。庶民に至っては、朝から晩まで働き通しで、明日の米の心配で精一杯だ。妻が美しくとも、それを愛でる気力など残っていない。

 ゆえに、暇を持て余して欲にまみれた僧侶には、到底敵わないのである。かつて蘇東坡そとうば学士はこう評した。

「禿げずんば毒ならず、毒ならずんば禿げず。うたた禿げれば転た毒なり、転た毒なれば転た禿ぐ」

 さらに僧侶を表す言葉に、こんな皮肉がある。

 一文字なら「僧」、二文字なら「和尚」、三文字なら「鬼楽官きらくかん」、四文字なら、まさしく「色中餓鬼しきちゅうがき」である。

 さて、石秀が考えに耽っていると、ほどなくして行者が現れ、蝋燭や線香に火を灯した。やがて海闍黎が衆僧を従えて戻ってきた。潘公と石秀が出迎え、茶湯でもてなすと、鐃鉢にょうはつが鳴り響き、読経が始まった。

 海闍黎と若僧が鈴と金剛杵こんごうしょを振り、仏を招き、施餓鬼せがきを執り行う。亡き王押司の冥福を祈るその場へ、巧雲が薄化粧をして現れた。彼女が手炉を捧げ、しなやかに焼香して礼拝すると、海闍黎はいっそう張り切り、鈴を激しく振って真言を唱え始めた。並み居る僧たちも、巧雲の放つ色香に心を乱され、読経は見るも無残に乱れていく。

 班首はんしゅはのぼせて仏号を念じ、前後不覚に。

 闍黎じゃりは浮ついて真言を誦し、調べの乱れも顧みない。

 香を焚く行者は、見とれて花瓶を突き飛ばし、

 蝋燭を持つ頭陀ずだは、うっかり香箱を掴み取る。

 名を読む表白は、大宋国と言うべきを大唐と口走り、

 罪を悔いる通陳つうちんは、王押司を祈るはずが、誤って王押禁おうきんと唱える。

 にょうを鳴らす者は、空を見上げて手元を狂わせ、

 はつを叩く者は、落としたことにも気づかぬ。

 銛子せんすを打つ音は、締まりなくもつれ合い、

 響磬きょうけいを撃つ響きは、甘く蕩けて形をなさない。

 堂内は騒然とし、僧たちの歩みは右往左往。

 蔵主ぞうすは心ここに非ず、太鼓を打てば弟子の手を叩き、

 維那いなは眼がくらみ、磬槌けいついで老僧の頭を打ち据える。

 十年の苦行も一瞬で霧散し、万の金剛力をもってしても、この煩悩を抑えることはできぬ。

 僧たちは巧雲の一挙一動に目を奪われ、手足は浮き立ち、仏性も禅心もどこへやら。心猿意馬しんえんいばを繋ぎ止める術もない。徳の高い僧など、この世に稀なのだと知らされる。

 石秀は傍らで冷ややかに笑った。

「こんな茶番で、何の功徳があるというのだ。『福を求めて善をなすより、罪を犯さぬことこそが真の救いだ』というのに」

 やがて読経が一段落し、僧たちは奥の広間で食事となった。海闍黎は仲間の後ろからこっそりと振り返っては、巧雲を見てニヤニヤと笑い、巧雲もまた口元を隠して艶やかに笑い返す。視線だけで情を通じ合わせる二人を、石秀はすべて見逃さなかった。あまりの不快さに腹が立ち、彼は腹痛を装って板壁の後ろに横たわった。

 巧雲はもはや情欲を隠そうともせず、人目もはばからず僧たちの世話を焼いた。海闍黎は弟子たちに真面目な顔をして経を読むよう命じ、天王懺てんのうざんや沐浴、三宝礼拝の儀式を続けた。

 三更(真夜中)、僧たちが疲れを見せ始めた頃、海闍黎はひとり気炎を上げ、大声で経を読み上げた。巧雲は簾の下でその勇姿を見つめ、抑えきれぬ欲情のままに、女中の迎児げいじを使って海闍黎を呼び寄せた。

 賊坊主が駆けつけると、巧雲はその袖をそっと引き、耳元で囁いた。

「師兄、明日お布施を取りに来るとき、父に『血盆経の願果たし』の相談をしてね。忘れないでちょうだい」

「分かっているとも。願果たしは早いほうがいい」

「うちの叔叔、勘が鋭いのよ。気をつけて」

「あいつか! あんな風来坊、大したことはない。血の繋がりもないただの同居人ではないか」

「それを聞いて安心したわ」

 二人は暗がりでひとしきり戯れた後、僧は再び祭壇へ戻り、施餓鬼の続きを執り行った。

 石秀は板壁の裏で寝たふりをしながら、この様子をつぶさに観察していた。

 五更(明け方)、ようやく法要が終わり、僧たちは引き揚げていった。巧雲は満足げに二階へ寝に行き、石秀はこみ上げる怒りを抑えきれなかった。

(兄貴ほどの豪傑が、あんな淫らな女を娶るとは……)

 嘆きを胸に、彼は作業場へ戻り、泥のように眠った。

 翌日、楊雄が役所から帰ってきたが、何事もなかったかのように食事を済ませ、再び出かけて行った。

 入れ替わるように、海闍黎がぱりっとした新しい僧衣を纏って現れた。巧雲は慌てて階下へ下りて出迎え、茶を供した。

「昨夜はお疲れ様でした。お布施の準備もまだ整っておらず……」

「そんなことは二の次ですよ。昨夜お話しした『血盆経の願果たし』のことですが、ちょうど明日、当寺で法要がございます。今なら疏(そ=願文)を一本加えるだけで、手軽に済みますよ」

「それは都合がいいわ」

 巧雲は潘公を呼び出し、潘公もまた昨夜の無礼を詫びた。

「昨夜は疲れ果てて寝入ってしまい、失礼をいたしました。石叔叔も腹痛で休んでおりまして」

「乾爺、どうぞお気になさらず」

 巧雲が畳みかけるように言った。

「お父さん、母の願果たしをしたいの。師兄が明日お寺で法要があるから、一緒に済ませてくださるって。明日の昼食が済んだら、お寺へ行って願文を書いてもらいましょう」

「だが、明日は店が忙しいのではないか?」

「石叔叔がいてくれるから大丈夫よ」

「娘がそこまで言うなら、行かねばならんな」

 巧雲は銀子を僧に手渡し、「明日お寺でお素麺をいただくわ」と微笑んだ。海闍黎は「心よりお待ちしております」と銀子を懐に収め、意気揚々と引き揚げた。巧雲は門の外まで彼を見送った。

 石秀は作業場で一休みした後、起きてくると黙々と豚を捌き始めた。

 いにしえの詠み人は、その情景をこう書き残している。

 仏殿に奇しき縁の芽吹きあり、密かに交わすは深き情の契り。

 裴航はいこう玉杵ぎょくしょを勤むる如く、巧雲が歩む先には愛の橋(鵲橋)がかかる。

 その晩、楊雄が帰宅すると、巧雲は潘公から「明日は母の願果たしに報恩寺へ行く」と伝えさせた。楊雄は疑うことなく「好きにすればいい」と許可を与えた。

 翌朝、五更の鐘とともに楊雄は出勤し、石秀はいつものように店を開けた。巧雲は念入りに化粧を施し、香箱を手に、雇った輿こしに乗り込んだ。石秀は知らぬ顔で商売を続けていた。

 巳の刻、潘公も着替えて現れ、「留守を頼むぞ」と声をかけた。石秀は努めて明るく笑って見せた。

「姉さんのお守りをしっかりお願いしますよ。お参りが済んだら、早く帰ってきてくださいね」

 言葉とは裏腹に、彼の腹の中ではすべてが透けて見えていた。

 潘公と女中の迎児を従え、巧雲の輿は報恩寺へと向かった。

 朝に釈迦経を繙き、暮れに華厳呪を念ず。

 瓜をえて瓜を得、豆を種えて豆を得るが如し。

 経呪の調べは慈悲なれど、絡み合う因縁を誰が救えよう。

 本来の心を照らし見れば、救いの道もまた多し。

 心に曇りなかりせば、天の助けを待つまでもなし。

 地獄と極楽の境目は、ただ自らの行いが決めるもの。

 これは因果応報を説くの一節であるが、この生臭坊主、海闍黎にそんな慈悲の心などあろうはずもない。彼は巧雲に一目惚れし、潘公を「乾爺」とまで呼んで懐に入り込んだものの、楊雄の存在が邪魔で手を出せずにいた。昨夜の法要は、ようやく手にした絶好の機会だったのである。

 賊坊主は身なりを整え、山門で今か今かと待ち構えていた。輿が到着するや、顔をほころばせて出迎えた。

 潘公と巧雲を水陸堂へ案内し、十数人の僧たちが経を読む中、巧雲は恭しく礼拝し、地蔵菩薩の前で願文を読み上げて紙銭を焼いた。

 儀式が済むと、海闍黎は僧たちを食事へ行かせ、自らの弟子に接待を任せると、潘公と巧雲を密かに自室へと招き入れた。

 奥まった静かな僧房には、極上の茶が用意されていた。さらにその奥の小部屋へ進めば、壁には名画が掛かり、香炉からは清雅な煙が立ち上り、春台(食卓)には珍しい果物や精進料理が所狭しと並べられている。

 潘公は「もう失礼しよう」と腰を浮かせたが、海闍黎は巧みに引き留めた。

「乾爺、これほど良い酒が手に入ったのです。ほんの少しだけでも味わってください」

 断りきれぬ潘公は、勧められるままに強い酒を数杯あおり、やがて心地よい酔いに包まれた。

「乾爺、少しお疲れのようだ。あちらの部屋で横になられてはいかがです」

 僧は弟子に目配せし、潘公を離れの静かな部屋へ連れて行かせ、眠りにつかせた。

 二人きりになると、海闍黎は巧雲に酒を勧めた。

 「酒は性を乱し、色は人を迷わす」という。巧雲も満更ではなく、三杯も重なれば、その瞳は潤み、とろんとしてきた。

「師兄、そんなに飲ませて、どうするつもり?」

 僧は卑屈な笑みを浮かべた。

娘子おくさんをただ、敬愛しているだけですよ」

「もう飲めないわ」

「それでは拙僧の部屋で『仏の歯(仏牙)』をご覧になりませんか?」

「まあ、見てみたいわ」

 僧は巧雲の手を引き、二階の寝室へと誘った。そこは驚くほど綺麗に整えられた、僧の部屋とは思えぬ空間であった。

「綺麗な部屋ね」

「ただ一つ、奥様という華が足りませんな」

「それなら、どなたか貰えばいいじゃない」

「そんなふさわしい施主はいませんよ」

「それはそうと、仏の歯を見せてちょうだい」

「迎児を下へ行かせたら、お出ししましょう」

 巧雲は迎児を階下へ追いやり、僧はすかさず扉を閉めて閂をかけた。

「師兄、鍵をかけてどうするの?」

 賊坊主はもはや我慢できず、欲情を剥き出しにして巧雲を抱きすくめた。

「娘子を愛して丸二年、今日という日をどれほど待ちわびたか! どうか、私の思いを遂げさせてください!」

「主人は恐ろしい人よ、知られたら命はないわ」

「どうか慈悲を、この通りです!」

 僧は床に膝をついて懇願した。

「本当に口が上手いんだから。引っぱたくわよ!」

「ええ、どうぞ。あなたのお手が痛くなければ」

 巧雲もその胸に飛び込み、僧を強く抱き寄せた。

「本気で打つもんですか」

 二人はそのまま床へ倒れ込み、帯を解き、枕を交わして泥沼のような快楽に耽っていった。

 そのあられもない情景を、詠み人はこう綴っている。

 如来の教えを背に受けて、仏祖の遺言も今は昔。

 一人は色欲に目を眩ませ、夫の怒りも露知らず。

 一人は淫心に身を任せ、聖者の道を投げ捨てる。

 荒い息遣いは柳の茂みから躍り出る牛の如く、

 甘い吐息は花の間を囀る鶯の如し。

 耳元で囁くは雨情の戯れ、枕元で誓うは山盟海誓。

 闍黎じゃりの寝所はたちまち快楽の道場と化し、

 報恩寺の奥底に極楽世界が顕れる。

 惜しむらくは菩提の甘露、一朝にして巧雲の内に注ぎ込まれん。

 古人も言う。「僧侶は鉄の中の虫」である。どんな隙間もなくとも、欲のためなら入り込む。

 事が終わると、海闍黎は名残惜しそうに言った。

「思いを遂げられた今、死んでも本望ですが、一時の快楽ではいっそう身が焦がれる。これきりでは恋い死にしてしまいます」

「慌てないで。良い考えがあるわ。主人は月に二十日は当直で家を空けるの。迎児はすでに味方につけたわ。主人がいない夜は、裏口に香炉台を出して合図にするから、それを見て入ってきて。帰りは五更(明け方)、夜明けを告げる頭陀ずだに木魚を叩かせれば、寝過ごすこともないでしょう?」

「なんと妙案だ! 当寺に道人という頭陀がいる。彼を使おう」

 巧雲は身なりを整え、潘公を叩き起こして何食わぬ顔で帰路についた。

 海闍黎はすぐさま胡道人を呼び出し、酒と銀子を握らせて手なずけた。

「潘公の娘御と忍ぶ仲になった。裏口に香炉台があれば合図だ。お前が毎日確認してくれ。帰りは五更、お前が裏口で木魚を叩き、高らかに仏号を唱えてくれれば、私が気づいて帰れるという寸法だ」

 欲に目のない胡道人は二つ返事で引き受けた。

 その日から、胡道人は潘家の裏口を見張るようになり、巧雲もまた彼に銅銭を与えて手筈を完璧なものにした。

 「家の女中は奴才やつこ」とはよく言ったもので、小遣いさえ与えれば、迎児のような小娘はどんな悪事にも手を貸すのである。

 その夜、楊雄は予定通り当直へと出かけた。

 迎児が香炉台を裏口にそっと置くと、巧雲は部屋を整えて待ち構えた。宵の口、頭巾を深くかぶった男が滑り込んできた。海闍黎である。二人は二階へ上がり、朝まで情欲の限りを尽くした。

 明け方、木魚の音と朗々たる仏号が響き渡り、二人は夢から覚めた。

「また今夜」と僧は闇に紛れて去り、迎児が音もなく扉を閉めた。

 それ以来、楊雄が不在の夜は必ず僧が通い、潘公は早々に寝入り、石秀だけが一人蚊帳の外に置かれた。僧と巧雲は魂を奪い合うように溺れ、その関係は一ヶ月余りも続いた。

 石秀は店を切り盛りしながらも、胸のざわつきを抑えられなかった。僧の姿こそ見てはいないが、毎朝五更になると、行き止まりのこの路地で頭陀が木魚を叩き、大声を張り上げるのがあまりに不自然だと感じていた。

(何かが、起きている)

 十一月の中旬、五更の冷え込む朝。石秀は意を決して起き上がり、門の隙間から外を覗き見た。

 頭陀が「普度衆生、救苦救難!」と叫ぶや、闇の中から頭巾を被った男が現れ、頭陀と共に足早に去っていった。その後、迎児がしれっと扉を閉めるのを見た石秀は、拳を握りしめた。

(やはりそうか。兄貴ほどの男が、あんな淫婦にたぶらかされているとは)

 朝、石秀は楊雄を訪ね、州橋の酒楼へと誘い出した。

「兄弟、浮かない顔をしてどうした」と楊雄が尋ねると、石秀は真剣な眼差しで切り出した。

「兄貴、俺を実の兄弟と思ってくれるなら、包み隠さず言わせてもらう。あの義姉さんは、あまりにふしだらだ。報恩寺の海闍黎と密通しているぜ。最近、明け方に頭陀が木魚で合図を出し、ハゲ坊主が裏口から這い出してくるのをこの目で見たんだ。あんな女、置いておく価値はねぇ」

 楊雄は烈火のごとく怒った。

「あのあばずれめ、許せん!」

「兄貴、まずは抑えてくれ。今夜はあえて知らんふりをして、明日の夜、当直のふりをして夜中に抜き打ちで帰ってきてくれ。俺が奴を捕まえてやる」

「分かった、そうしよう」

 二人は策を練って別れたが、その日、楊雄は知府に呼び出され、棒術の相手を務めることになった。出来栄えを褒められ、賜った酒を飲み干すうちに、彼は不覚にも泥酔してしまった。

 酒の勢いは、人の怒りをどこまでも増幅させる。

 いにしえの詠み人は言う。

 酒と色は気と相連なり、酔い痴れた浪子は花柳の夢を見る。

 英雄の胸には晴れぬ想いがあり、酔いの中に憤りが触れれば、それを抑えることなどできぬ。

 楊雄は千鳥足で帰宅するなり、妻に罵声を浴びせた。

「このあばずれめ! よくも俺を裏切りやがったな! いつかその首をはねてやる!」

 巧雲は肝を潰したが、楊雄がそのまま泥のように眠ってしまうと、明け方、介抱するふりをして泣き真似を始めた。楊雄が目を覚まし「どうした」と聞くと、彼女は声を震わせて訴えた。

「あなたが酔って、私をひどく罵ったのよ。きっとあの石秀のせいだわ」

「あいつが、何をしたというんだ」

「あいつ、あなたがいない時に私に『妊娠したか?』なんて卑猥なことを聞いて、無理やり胸を触ってきたのよ! 私が必死で拒んだから、今度はあなたにあることないこと吹き込んで、私を追い出そうとしているんだわ。ああ、恐ろしい……」

 楊雄は単純な性格ゆえ、その言葉を鵜呑みにして激昂した。

「『画虎画皮難画骨、知人知面不知心(虎の皮は描けても骨は描けず、人の面は知れても心は知れず)』だ! あいつ、自分の悪事がバレる前に先手を打ちやがったな。恩知らずめ、叩き出してやる!」

 翌朝、楊雄は突然「店を畳む」と言い出し、有無を言わさず肉切り台を撤去させた。

 石秀はその様子を見て、すべてを悟った。

(楊雄の兄貴、酔って口を滑らせ、あの女に丸め込まれたな。今さら弁解しても無駄だ。ここは一旦身を引き、動かぬ証拠を突きつけるしかない)

 石秀は潔く荷物をまとめ、潘公に別れを告げて家を出た。

 近くの宿に身を寄せ、彼は楊雄が当直を務める日をじっと待った。

 二日後、楊雄が重い足取りで夜勤へと出かけるのを見届けた石秀は、心に決めた。「今夜こそ、決着をつける」

 四更(午前二時頃)、石秀は宿を抜け出し、楊雄の家の裏路地に身を潜めた。

 やがて五更、あの胡道人が木魚を抱えて現れた。

 石秀は音もなく背後から襲いかかり、頭陀の喉元に短刀を突きつけた。

「声を出すな。海闍黎はお前に何をさせている」

「助けてくれ! 海和尚と潘公の娘ができているんだ。香炉台が合図で部屋へ入り、俺が木魚で合図して帰すんだ。俺はただの使い走りだ!」

「奴はどこだ」

「まだ家の中だ。木魚が鳴れば出てくる手筈だ」

 石秀は冷徹に頭陀の服を剥ぎ取ると、その場で息の根を止めた。返り血を浴びぬよう服を着替え、木魚を叩きながら路地の奥へと進む。

 海闍黎は木魚の音を聞き、慌てて飛び起きると、裏口から忍び出てきた。

 石秀は黙々と木魚を叩き続ける。

「おい、うるさいぞ。もっと静かにしろ」と僧が囁いた。

 石秀はそのまま僧を路地の出口までおびき寄せると、不意に足を払って倒し、馬乗りになった。

「騒げば殺す。服をすべて脱げ」

 月明かりの下、海闍黎はそれが石秀であることに気づき、恐怖に凍りついて抵抗一つできなかった。素っ裸にされた賊坊主を、石秀は容赦なく三、四回刺し貫き、地獄へと送った。

 彼は凶器を頭陀の死体のそばに投げ捨て、二人の服をまとめて包むと、宿へと戻り、何事もなかったかのように眠りについた。

 朝露の降りる頃、粥売りのおうじいさんがいつものように路地を通りかかった。暗がりの中、何かに躓いて粥をぶちまけてしまった。

「あいたた! どこの坊主だ、こんなところで酔いつぶれて……」

 起き上がろうとついた手が、妙に温かく、ねっとりとしている。よく見れば、それは血の海であった。じいさんの叫び声に近所の住人が集まり、そこには無惨な二つの死体と、血まみれの王じいさんが取り残されていた。

「こいつが犯人だ! 役所へ突き出せ!」

 まさに禍は天から降り、災いは地から湧く。

 無実の罪を着せられた王じいさんの運命はどうなるのか。

【Vol.45】「潘」姓の女、またやらかす。〜ガチ勢石秀のステルス暗殺〜

ぶっちゃけ、この回を一言でいうと「既視感デジャヴがエグい」です。

またしても苗字が「パン」さん。武松に詰められた潘金蓮の悪夢再来ですよ。これ、水滸伝界隈では「潘っていう奥さんは100%不倫フラグ」っていうお約束なんです。


坊主がチャラすぎて草

今回のターゲットは、楊雄ようゆうの奥さんの潘巧雲。

不倫相手は、法要に来たイケメン(?)坊主の裴如海はいじょかい

この坊主、お経をあげるフリして奥さんをジロジロ。奥さんもお茶を出すフリして、飲み口を拭いてから渡すっていう、令和でも使えそうな「あざとい」テクを連発します。周りの弟子たちも奥さんの色気に当てられて、読経がボロボロ。もうカオス。


石秀セキシュウ、察しが良すぎて探偵レベル

ここで「拼命三郎(命知らずの三郎)」こと石秀の登場。

彼はニート同然で居候してるわけじゃなく、ガチの観察眼を持ってます。「あの坊主、目つきが泥棒じゃん」「今の笑い方、完全にデキてるわ」と秒で察します。

でも、旦那の楊雄はいい人すぎてスルー。石秀は「俺のブラザー(楊雄)が騙されてるの、マジで許せん」と、一人で証拠集めを開始。


楊雄、酔っ払って詰む

石秀から不倫のタレコミを聞いた楊雄。ガチギレしたまでは良かったけど、お酒が入って大失敗。

帰宅するなり奥さんに「このアマ!殺すぞ!」と暴言を吐いて、そのまま爆睡。

翌朝、奥さんは逆ギレ&得意のガスライティングを開始。「石秀が私をナンパしてきたの!断ったら逆恨みされて、不倫してるって嘘つかれたの!」と嘘泣き。

単純な楊雄は「あいつ、マジ最悪だな」と、恩人の石秀を追い出しちゃいます。


石秀の「倍返し」がステルスゲーム

追い出された石秀ですが、ここで折れないのが彼のアツいところ。「証拠さえ掴めば文句ねぇだろ」と、深夜の路地で張り込みます。

不倫カップルの合図は「裏口の香炉台」と、協力者の寺男が叩く「早朝の木魚(目覚まし時計代わり)」。

石秀の動きはもはや『アサシン クリード』。

まず、目覚まし係の寺男をキャッチ&キル(服を奪う)。

自分が木魚を叩いて、坊主をおびき出す。

満足げに出てきた坊主を全裸にして、一気にサヨナラ。


結局、一番の被害者は朝から粥を売っていただけの王じいさん。

通りかかったら血まみれの死体に躓いて、犯人に間違われるっていう「冤罪コンボ」で終了。

石秀の「仕事人」っぷりが光るけど、女性不信が加速しそうな、相変わらずの「潘さんクオリティ」な一回でした。


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主要人物図鑑(登場順)


074:潘巧雲はんこううんーあざとすぎる「不倫女子」のプロー

属性: 楊雄の妻。前夫と死別した未亡人バツイチ

キャラ紹介:

とにかく「あざとい」の天才。清楚系なフリして、中身は超肉食系。不倫相手の坊主と目が合うだけで「あ、これイケるわ」と察する嗅覚がバグってます。

彼女の最大の武器は「涙のセルフプロデュース」。不倫がバレそうになると、速攻で「石秀にセクハラされたのぉ〜!」と被害者ムーブをかまして旦那を洗脳。現代なら間違いなくSNSで「パパ活女子」とか「嘘松」とか叩かれるタイプですが、その図太さはある種プロフェッショナル。


075:裴如海はいじょかいー全方位チャラ坊主「カイ公」ー

属性: 報恩寺の僧侶。実家は絨毯屋(地元の名家)。

キャラ紹介:

修行?何それ美味しいの?状態の「生臭チャラ坊主」。

坊主という特権階級をフル活用して、ターゲット(巧雲)に「義理のお兄ちゃんだよ」と急接近。法要を口実にラグジュアリーな個室へ誘い込み、ハイスペな茶と精進料理で「おもてなし」しちゃう。その実態は、合図の木魚を外部委託(寺男を雇う)してまで夜這いを繰り返す、執念深すぎる不倫ガチ勢です。


【ネタバレ:二人の「エグすぎる」結末】

読者の皆さん、この後の展開はマジで「閲覧注意」の衝撃ラストが待っています。


裴如海(坊主)のエンディング:

さっきでも触れましたが、彼は「全裸アサシン暗殺」という世にも恥ずかしい死に方をします。

夜這いの帰り道、石秀に待ち伏せされ、服を全部剥ぎ取られた挙句にサヨナラ。朝、全裸の死体で発見されるっていう、徳もクソもない詰み方をしました。合掌。


潘巧雲(奥さん)のエンディング:

ここからが本番。石秀によって真実を突きつけられた旦那の楊雄(ようやく目が覚めた)は、彼女を「ピクニックに行こう」と騙して、人里離れた翠屏山すいへいざんへ連れ出します。

そこでの結末がもう、ホラー映画よりエグい。

「詰み」の暴露: 石秀が証拠の「坊主の服」をバサァッ!と出し、不倫の協力者(女中の迎児)をその場で処刑。

ラスト・オペ: 巧雲は「ごめんなさい!」と泣きつきますが、石秀は許しません。楊雄に「兄貴、自分でトドメ刺せよ」と詰め寄り、最終的に彼女は舌を切り取られ、胸を裂かれ、内臓をブチ撒けられるという、水滸伝屈指のグロい処刑をされます。


 このカップルから学ぶこと

結局、この二人の失敗は「相手が石秀だったこと」に尽きます。

石秀は「恋愛? 興味ねぇわ。義理人情と正義が全て」という、現代でいう「限界独身・ガチ勢格ゲーマー」みたいな潔癖すぎる男。そんなヤツの前で「不倫のあざとテク」なんて通用するはずがなかったんです。

「潘」という苗字の女は、武松の時の潘金蓮といい、今回の潘巧雲といい、「最終的に山に連れて行かれてエグい殺され方をする」という呪いにかかっています。

水滸伝の世界で「潘さん」に出会ったら、とりあえず全力で逃げるのが正解。情熱的すぎて、結末が完全に「アウトレイジ」な不倫劇でした!

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