〇四弐:還道村(かんどうそん)にて天書三巻を授かり 宋公明、九天玄女にまみえる事
『天命の調べ 〜九天玄女の御告げ〜』
近日リリース、乞うご期待!
[Intro]
[Verse 1]
宋江よ、汝の忠義と志、天に通じたり。
この乱世、衆生は苦しみ、道は乱れ、民は塗炭の苦しみに喘ぐ。
ゆえに天は汝を選び、正しき道を示す。
[Pre-Chorus]
地の果て、天の涯、乱れるは人の心。
争いの炎、悪しき淵、光を失いし世よ。
[Chorus]
今、汝に三巻の天書を授けん!
その一巻は、『替天』の理を示す!
天の意思を代行し、乱れし世を正すべし!
私欲を捨て、大義に徹する心こそが、天の道なり!
[Verse 2]
その二巻は、『行道』の法を説く。
地の理を悟り、弱きを助け、強きを挫け。
集いし百八の星々を束ね、侠義を重んじ、悪を討つべし。
その歩みこそが、地の道なり。
[Bridge]
その三巻は、『無常』の真理を語る。
栄華も、権勢も、尽きせぬ富も、いずれは塵芥と化す運命を知れ。
世は移ろい、人もまた移ろう。
その中にあって、変わらぬは『信』と『義』のみ。
これなくしては、大業は成らざるべし。
[Chorus Reprise]
汝、これら三つの教えを心に刻み、天に替わりて道を往け!
幾多の困難、血と涙の試練が待ち受けようとも、
その心、決して揺るがすことなかれ!
これぞ、汝に課せられたる『替天行道』の使命なり!
[Outro]
我が言を忘れず、天命を全うせよ……
天命を、全うせよ……
【しおの】
さて、物語の筋を紐解けば、梁山泊での一幕に遡ります。
ある日の宴席でのこと、宋江は居並ぶ好漢たちを前に、重い口を開きました。
「私、宋江は皆様の厚き義侠心によって救われ、この山に身を寄せることができました。連日こうして華やかな宴に預かり、真に楽しく過ごしております。しかしながら、一つ、故郷に残した老父の安否が気がかりでなりませぬ。江州での一件が都へ奏上されれば、必ずや管轄の済州へと通達が飛び、我が郷里の鄆城県へ家族の逮捕命令が下りましょう。下手人を捕らえるより先に、父の命が危うくなるやもしれませぬ。父を想うと居ても立ってもいられず、自ら実家へ戻り、父をこの山へ連れ出して憂いを絶ちたいと存じます。兄弟の皆様、どうかお許しいただけないでしょうか」
これを聞いた頭領の晁蓋が答えました。
「賢弟よ、それは人の道として、何にも代えがたい大事である。我らばかりがここで安逸を貪り、君の父君に苦労を強いるなど、あってはならぬことだ。ただ、兄弟たちは連日の戦いで疲れが溜まっており、人馬の備えもまだ万全ではない。あと二日だけ待ってくれぬか。兵を整え、一気に迎えに行こうではないか」
しかし、宋江は首を振りました。
「仁兄、お気遣い痛み入ります。ですが、数日待つ間に江州からの公文書が届けば、すぐさま父子の身に手が及びましょう。ここは一刻を争います。大勢で押しかける必要はございませぬ。私一人で密かに戻り、弟の宋清と共に父を連れ出し、夜を徹して戻って参ります。そうすれば、誰にも気づかれることはありますまい。もし大軍を引き連れていけば、かえって村を騒がせ、不測の事態を招きかねませぬ」
「とはいえ賢弟、道中で万一のことがあれば、誰も救うことができぬぞ」
「父のためであれば、この命、塵のように捨てても悔いはございませぬ」
その日、皆が必死に引き留めるのも聞かず、宋江の決意は揺らぎませんでした。彼はフェルトの笠を深くかぶり、短い棒を手に、腰には鋭い刃物を忍ばせて山を下りました。頭領たちは金沙灘まで見送り、後ろ髪を引かれる思いで山へと戻っていきました。
さて、宋江は渡し場を越え、朱貴の酒場で岸に上がると、大道へ出て鄆城県を目指しました。道中、飢えれば喰らい、渇けば飲み、夜に宿を取り、暁とともに道を行きました。
ある日のこと、宋家村へと急ぐものの、日は無情にも暮れてしまい、その夜は宿に泊まりました。翌日、暗いうちから道を急いで村に着いたのは、まだ夜も明けきらぬ早朝のことでした。林の中に身を潜め、夜の訪れを待ってから、懐かしき屋敷の裏門を叩きました。
中から弟の宋清が出てきて門を開けましたが、兄の姿を見るなり仰天しました。
「兄さん、どうして戻ってこられたのですか」
「父上とお前を迎えに来たのだ」
「兄さん、江州でしでかした事は、すでにこの界隈に知れ渡っています。県からは趙という二人の都頭が派遣され、連日監視を続けており、私たちは一歩も動けない状態です。江州の文書が届けば、すぐに私たち父子を捕らえ、兄さんを誘い出すための人質にする手はずなのです。昼夜を問わず、百人以上の兵が巡回しています。一刻の猶予もありません。早く梁山泊へ戻り、頭領たちに頼んで助けに来てください」
これを聞いた宋江は、驚愕のあまり冷や汗を流しました。門に入ることも叶わず、すぐさまきびすを返して梁山泊への道を走り出しました。
その夜、月はおぼろで道も定かではありません。宋江は人目を避けて小道を選び、必死に足を動かしました。一更(午後八時頃)ほど歩いた頃でしょうか、背後から凄まじい鬨の声が上がりました。振り返れば、一、二里ほど後ろに松明の光がうごめき、「宋江、逃がさぬぞ!」という叫びが夜風に乗って聞こえてきます。
宋江は走りながら、激しい後悔に苛まれました。
(ああ、晁蓋兄の忠告を無視したばかりに、このような災難を招いてしまった。天よ、どうか宋江をお救いください)
遠くに微かな集落を見つけ、そこを目指して無我夢中で走りました。しばらくして風が雲を払い、明月が顔を出すと、宋江はその場所をはっきりと見て、「しまった!」と叫び声を上げました。そこは「還道村」と呼ばれる、奇妙な場所だったのです。
周囲を険しい山々に囲まれ、山裾を谷川が巡るこの村には、入り口となる道がただ一本しかありません。一度中に入れば、他へ抜ける道はなく、必ず入り口まで戻らねばならない袋小路だったのです。
宋江は入り口まで引き返そうとしましたが、すでに追手はそこまで迫り、松明の明かりが昼間のように辺りを照らし出しています。やむを得ず、宋江は村の奥へと走り込み、身を隠せる場所を探しました。
林を抜けると、一軒の古びた廟が姿を現しました。その様子を眺めれば――
塀は崩れ落ち、御殿は今にも傾かんとし、
両廊の壁画には蒼い苔が長く這い、
敷き詰められた瓦の隙間からは草が生い茂る。
門前の小鬼は腕を失い、凄みを無くし、
殿上の判官は頭巾も無く、威厳も失せている。
供物台には蜘蛛が網を張り、香炉の中には蟻が巣を構える。
狐狸は常に古びた炉の中に眠り、蝙蝠は天蓋を離れず。
宋江は廟の門を押し開き、月明かりを頼りに中へ入り、必死に隠れ場所を探しました。前殿、後殿と巡るも、身を隠せる隙間もなく、焦燥ばかりが募ります。その時、外から人の声が届きました。
「都頭、間違いありません。奴はこの廟へ逃げ込んだようです」
それは紛れもなく、趙能の声でした。もはや逃げ場はありません。ふと見ると、殿上に神像を納める厨子がありました。宋江は帳をまくり上げ、その中へ身を滑り込ませました。棒を置き、体を小さく丸めて、息を殺してうずくまりました。外からは松明を持った一団が踏み込んでくる気配がします。
宋江が厨子の中からこっそり覗くと、趙能と趙得が四、五十人の兵を引き連れ、殿上へと近づいてきます。
「もはやこれまでか……。神明よ、どうかお守りください」
兵たちは次々と通り過ぎていきますが、厨子の中を覗く者はいません。天の助けかと思ったその刹那、趙得が松明をかざして厨子に近づきました。
「ああ、今度こそ捕まる!」
趙得は片手に武器を持ち、神前の帳を跳ね上げ、火をかざしました。
その瞬間、どこからともなく煤煙が舞い上がり、黒い塵が趙得の目に飛び込みました。
「痛っ!」
趙得は堪らず松明を床に投げ捨て、足で踏み消しました。殿外へ出ると、兵たちに向かって言いました。
「ここにはおらぬ。他に道はないはずだが、どこへ消えおった?」
兵たちが答えます。
「きっと村の林の中でしょう。ここは還道村、逃げ場は一本道しかありません。入り口さえ押さえていれば、奴が翼を生やして空を飛ぼうとも逃げられはしません。夜が明けたら、しらみつぶしに捜しましょう」
「もっともだ」
趙得たちは一度、殿を下りていきました。
宋江は胸をなでおろしました。
(これこそ神仏の加護だ。もし命が助かったなら、必ずやこの廟を修復し、恩返しをいたします)
祈りが終わらぬうちに、再び廟の門前で声が上がりました。
「都頭、ここにいましたぞ!」
趙能、趙得らが一斉に雪崩れ込んできました。
「なんという不運だ。今度こそ……」
趙能が問います。「どこだ?」
兵が答えます。「都頭、廟の扉を見てください。埃の中に手形が二つ。さっき扉を押し開けて中に隠れたに違いありません」
「なるほど。もう一度、念入りに捜せ」
再び捜索が始まりました。前殿から後殿まで、煉瓦の一枚までひっくり返すような勢いです。松明の光がいよいよ厨子に迫ります。趙能が言いました。
「やはり、この中しかあるまい。先ほどは見落としたのだ。俺が照らしてやる」
兵が松明を持ち、趙能が帳を掲げ、五、六人が首を突っ込んで覗き込もうとした、その瞬間でした。
神厨の中から一陣の「あやしき風」が巻き起こり、松明をことごとく吹き消してしまったのです。廟の中は一瞬にして漆黒の闇に包まれました。
「なんだ、これは!」
趙能の叫び声が響きます。
「平地にいきなりこのような風が吹くとは、ただ事ではない。きっと神仏がお怒りなのだ。ここは一度退散しよう。入り口を見張って夜明けを待つのが得策だ」
しかし、趙得は食い下がります。「ですが、中をよく見ておりません。槍で突いてみたらどうですか」
「よかろう」
二人が進み出ようとしたその時、殿の奥から再び怪しげな嵐が巻き起こりました。砂を飛ばし石を走らせ、建物全体をガタガタと揺さぶります。黒雲が垂れ込め、肌を刺すような寒気が辺りを支配し、毛髪が逆立つほどの恐ろしさです。
「こ、これは不味い! 逃げろ、神の怒りだ!」
一味は蜘蛛の子を散らすように廟の外へ逃げ出しました。転ぶ者、足を挫く者、我先にと門を這い出していく惨状です。
趙能が戻って見ると、数人の兵が石段で転び、木の根に衣服を絡ませて、死に物狂いでもがいていました。武器も放り出し、ただ「助けてくれ」と悲鳴を上げるばかりです。
厨子の中でこれを聞いていた宋江は、思わず吹き出しそうになりました。
趙能は兵を助け出し、門外へと連れ出しました。逃げた兵たちが言いました。
「申し上げた通りです。この地の神は霊験あらたかだ。あんた方が無理をするから、神罰が下ったんですよ。村の入り口を固めておけば、奴も逃げられはしません」
「その通りだ。入り口を四方から固めろ」
一団は入り口の方へと去っていきました。
宋江は感謝しつつも、どうやってこの袋小路を脱すべきか思案に暮れていました。すると、裏の廊下からしずしずと人の気配がします。
「また来たか……いや、様子がおかしいぞ」
見れば、二人の青衣を纏った童子が厨子のそばに立ち、清らかな声で告げました。
「小童、娘々(にゃんにゃん)の法旨を奉じ、星主様をご案内申し上げます」
宋江は恐れて返事をしません。童子は再び繰り返します。
「娘々がお招きです。星主様、どうかお出ましください」
聞こえてくるのは鶯や燕のさえずるような、この世のものとは思えぬ美しい声でした。宋江は意を決して厨子から這い出しました。
「宋星主様、さあこちらへ」
宋江が帳を分けて外に出ると、そこには巻き上げた髪に美しい礼を尽くす二人の女童がいました。その姿たるや――
若々しい肌に緑の髪、白い歯に輝く瞳。
塵の世に染まらぬ、気高い天仙の趣がある。
高く結い上げた髪は山峰のごとく、鳳凰の刺繍ある靴は蓮の花のように軽い。
深い青の襟には銀の糸で文様が編まれ、
紫の帯には金色の霞が結ばれている。
まさに仙界の住人、この世のものならぬ麗しさである。
宋江は尋ねました。
「お二人の仙童、どこから来られたのですか」
「娘々の命を受け、星主様を宮殿へご招待に参りました」
「人違いでしょう。私は宋江というしがない庶民、星主などではありません」
「間違いございません。さあ、娘々がお待ちかねです」
「娘々とはどなたですか。お会いしたこともないのに、伺うわけには……」
「行けば分かります。お尋ね無用」
「その娘々はいずこに?」
「この廟の裏の宮殿にいらっしゃいます」
青衣の童子に導かれ、宋江は殿を下りました。角門を抜けると、そこには星と月が満ち、香しい風がそよぐ別世界が広がっていました。
(廟の裏にこれほど立派な道があったとは。知っていればあんな怖い思いをせずに済んだものを)
さらに歩を進めると、朱塗りの欄干がある美しい石橋が現れました。岸には見たこともない奇花異草が咲き乱れ、橋の下には清らかな水が流れています。
橋を渡ると、大きな朱塗りの門がそびえ立ち、その奥に壮麗な宮殿がそびえていました。
金の釘に朱の扉、碧の瓦に彫刻ある軒。
柱には経文が踊り、真珠が戯れ、帳には双鳳が暁を告げる。
赤い泥の壁には宮花が咲き、
たなびく霞の中に瑞々しい光が籠もる。
窓からは香風が吹き込み、簾の間から月が照らす。
天上の神仙の住まいでなければ、帝王の宮殿そのものである。
宋江は畏怖のあまり足がすくみますが、童子に促されるまま中へと入りました。正面の大殿は煌々と輝き、重厚な空気が漂っています。
「娘々、星主様をご案内いたしました」
宋江は震える体で地にひれ伏しました。
「私は下界の罪深き者、聖なる御顔を拝すること能わず。どうか天の慈悲を賜りたい」
御簾の奥から、静かな声が響きました。
「星主にお座り願いなさい」
宋江は顔を上げられぬまま、錦の椅子へと導かれました。
「御簾を上げよ」
簾が上げられ、宋江はようやく顔を上げました。正面の九龍の椅子には、かの娘々が座しておられました。その神々しい姿は、言葉では言い尽くせぬほどのものでした。
娘々が口を開きました。
「星主よ、別れてより変わりはありませんか」
「……私は庶民ゆえ、以前のことは存じ上げませぬ」
「ここへ来たからは、堅苦しい礼は無用です」
娘々は童子に命じ、酒を献上させました。宋江は勧められるまま玉杯を受け取り、一口飲みました。その香りは全身に染み渡り、心まで洗われるような不思議な味わいでした。さらに仙棗を勧められ、宋江は作法を失わぬよう一粒食べ、その種を手に握りしめました。
計三杯の酒と、三つのナツメ。
宋江はほろ酔い加減となり、これ以上の失態を恐れて辞退しました。
すると、娘々が告げました。
「酒が飲めぬなら、これを取り出し、星主に授けなさい」
渡されたのは、黄色の布に包まれた三巻の「天書」でした。
娘々は宋江を静かに見つめ、こう続けました。
「宋星主よ、汝にこの三巻の天書を授ける。汝はこれより『替天行道(天に替わって道を行う)』の使命を果たすべし。主には忠義を尽くし、国を助け民を安んじ、邪を退けて正しきへ導け。私から四句の天言を授ける。決して忘れず、他人に漏らしてはならぬ」
宿に遇わば重重の喜び、
高に逢わば是れ凶ならず。
外夷及び内寇、
幾処にか奇功を見ん。
「玉帝は、星主の魔心が未だ断たれず、修行が完了しておらぬゆえ、暫し下界へ留めておられる。だが、遠からず天界へ戻ることができよう。決して怠ってはならぬ。この書は、『天機星』とのみ共に読み、他者に見せてはならぬ。功を成した後は、これを焼き捨てよ」
娘々は「天と地は隔たっており、長く留めることはできぬ」と言い、宋江を戻らせるよう童子に命じました。
石橋まで送られた宋江は、童子から「橋の下で龍が戯れているのを見なさい」と言われ、身を乗り出したその時、背中をドンと突き飛ばされました。
「あっ!」
宋江は叫び声を上げ、神厨の床に激突しました。
気づけば、それは「南柯の夢」であったのです。
宋江が這い起きて見ると、月は中天にあり、真夜中の静寂が戻っていました。しかし、袖の中を探ると、手の中に三つの種があり、手ぬぐいに包まれた三巻の天書が確かに存在していました。口の中には、今なお仙酒の芳醇な香りが残っています。
「夢のようで夢ではない。神霊が私をお救いくださったのだ」
廟の額を見上げれば、「玄女之廟」の文字がありました。九天玄女娘々が、窮地の宋江を救い、天書を授けてくださったのです。宋江は深く感謝し、再建を誓って廟を後にしました。
村の入り口へと向かうと、前方から凄まじい叫び声が聞こえてきました。また追手か、と身を隠すと、逃げ込んできたのは都頭の趙能たちでした。
「助けてくれ、皆殺しだ!」
その後ろから、上半身裸で二振りの斧を振り回す大男が現れました。あの「黒旋風」李逵です。
李逵は転んだ趙能を一撃で斬り伏せると、周囲を蹴散らしました。宋江が姿を現すと、欧鵬、陶宗旺、劉唐、石勇、李立ら好漢たちが次々と現れました。
「兄貴! 無事だったか!」
戴宗からの知らせを受け、晁蓋自ら好漢たちを引き連れて助けに来たのです。宋江の父と弟も、すでに別の隊によって救出され、梁山泊へと送り届けられたとのことでした。宋江の目からは熱い涙が溢れました。
梁山泊に戻った宋江は、父・宋太公との再会を果たしました。
「父上、申し訳ございませぬ……」
太公もまた、息子との再会を喜び、共に過ごせる幸せを噛み締めました。梁山泊は連日、宋江父子の再会を祝う宴で沸き立ちました。
しかし、数日が過ぎた頃、公孫勝が故郷の母を案じて山を下りたいと申し出ました。
「師匠と母を見舞い、安否を確かめたいのです。三、五ヶ月で必ず戻ります」
晁蓋たちは別れを惜しみながらも、親孝行のための帰郷を許しました。
その見送りの席で、突然わんわんと泣き出した男がいました。李逵です。
「面白くねぇ! 皆が親父だ御袋だって迎えに行くのに、俺だけが土の中から湧いて出たわけじゃねぇだろ! 俺だって田舎に老いた御袋がいるんだ!」
李逵もまた、苦労ばかりかけている母親を迎えに行きたいと訴えました。
宋江は李逵の荒っぽい性格を心配して止めようとしましたが、その熱意に負け、三つの条件を出すことにしました。
果たして、李逵に課せられたその条件とは何か。
(厳かで神秘的な雰囲気の中、九天玄女の声が天から響き渡る。その声は、深遠でありながら慈悲に満ち、宋江の心に直接語りかけるように響く。)
「宋江よ、汝の忠義と志、天に通じたり。」
「この乱世、衆生は苦しみ、道は乱れ、民は塗炭の苦しみに喘ぐ。
ゆえに天は汝を選び、正しき道を示す。」
「今、汝に三巻の天書を授けん。
その一巻は、『替天』の理を示す。
天の意思を代行し、乱れし世を正すべし。
私欲を捨て、大義に徹する心こそが、天の道なり。」
「その二巻は、『行道』の法を説く。
地の理を悟り、弱きを助け、強きを挫け。
集いし百八の星々を束ね、侠義を重んじ、悪を討つべし。
その歩みこそが、地の道なり。」
「そして三巻は、『無常』の真理を語る。
栄華も、権勢も、尽きせぬ富も、いずれは塵芥と化す運命を知れ。
世は移ろい、人もまた移ろう。
その中にあって、変わらぬは『信』と『義』のみ。
これなくしては、大業は成らざるべし。」
「汝、これら三つの教えを心に刻み、
天に替わりて道を往け。
幾多の困難、血と涙の試練が待ち受けようとも、
その心、決して揺るがすことなかれ。」
「これぞ、汝に課せられたる『替天行道』の使命なり。
我が言を忘れず、天命を全うせよ。」
(九天玄女の声が静かに消え、神殿に再び静寂が訪れる。宋江は、天書を両手に固く抱きしめ、その言葉の重みと使命の大きさに、深く頭を垂れる。彼の心には、清らかな決意と、来るべき困難への覚悟が刻み込まれた。)
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【Vol.42:宋江、神域でチート本をゲット&黒旋風の爆泣き】
宋江、無謀なソロ活動を開始
梁山泊で連日パリピ生活を送っていた宋江だけど、急に「実家のパパがヤバいかも」とメンヘラ化。「大勢で行くと目立つから」って周囲の制止をスルーして、単身で里帰りするっていう、フラグびんびんなステルスミッションを強行しちゃいます。
秒で詰む。
実家に着いた途端、弟の宋清に「アニキ、警察(官憲)が張り込んでんぞ!今すぐ逃げろ!」とガチギレされ、速攻でとんぼ返り。案の定、見つかって追われる羽目に。逃げ込んだ先は「還道村」っていう初見殺しの袋小路。宋江、ここで「終わったわ…」と絶望します。
神隠し系異世界転生(?)
ボロい廟(神社みたいなとこ)の厨子の中に隠れた宋江。警察が「ここ怪しくね?」とガサ入れに来るけど、神風が吹いて松明が消えたり、砂が目に刺さったりする超常現象が発生。警察が「ここ呪われてるわ、無理」とビビって撤退。
すると、どこからともなく可愛い侍女が現れて、「女神様がお呼びです」と宋江を謎の超豪華パレス(異世界)へ招待。
女神様からの激レアギフト
そこにいたのはラスボス級のオーラを放つ九天玄女(九天玄女)様。
神の酒とナツメ(めっちゃ美味い)をご馳走になる。
「天書」3巻を授けられる。「これで天に替わって道を行け(替天行道)」と、物語のメインテーマを丸投げされる。
「内容は軍師の呉用以外に見せちゃダメだよ」と釘を刺される。
目が覚めたら元のボロ廟。でも手元にはガチで本とナツメの種がある。「夢じゃなかった!」
脳筋無双、現る
夜が明けて村を出ようとしたら、また警察に囲まれてピンチ!…と思いきや、背後から「黒旋風」こと李逵が斧を振り回して爆速でエントリー。「アニキぃぃ!邪魔な奴らは全員ブチ殺してやるぜ!」と警察をひき肉にします。
実は、心配した梁山泊のメンバーがフル装備で助けに来てくれてて、パパも弟もすでに救出済み。宋江、最初から全部任せとけばよかったね。
李逵、マザコン全開で大暴れ(情緒)
梁山泊に戻ってハッピーエンド…かと思いきや、別の仲間が「母ちゃんに会いに行ってくるわ」と言い出したのを見て、李逵が「ずるい!俺だって母ちゃんに会いたい!俺は地面から生えてきたとでも思ってんのか!」と子供みたいに地べたを叩いて爆泣き。
あまりに面倒くさいので、宋江が「わかったから、3つの約束守れるなら行っていいよ」と許可を出して、次回へ続く!
ひとことまとめると
宋江が独断専行でピンチになるも、女神様にチート本をもらってラッキー。ラストは殺人マシーンの李逵が「ママー!」って泣き喚いて全部持っていく回。




