〇弐九:施恩、ふたたび孟州道に覇を唱え、武松、酔いて蒋門神を討つ
さて、施恩がしずしずと進み出て言いました。
「兄上、まずは腰を据えてお聞きください。私の胸の内に秘めたる実情を、詳しくお話しいたしましょう」
すると武松は、遮るように答えました。
「若旦那、堅苦しい挨拶などは抜きにしよう。肝心なことだけを、包み隠さず真っ直ぐに話してくれ」
「私は幼少の頃より、江湖の師匠について槍棒の業を学んでまいりました。それゆえ孟州の一帯では『金眼彪』という渾名で呼ばれております。この街の東門を出た先に、快活林という名高い盛り場がございます。そこは山東や河北から商人たちが集まり、百余りの宿屋と三十もの賭場が軒を連ねる賑やかな場所です。
かつての私は、己の腕節と、牢内にいる命知らずの囚人八、九十人を後ろ盾にして、そこで酒肉を商う店を開いておりました。店を割らせて商売を差配し、流れの娼妓が来れば、まずは私の元へ挨拶に来させ、その後に商売を許す……。そうして日に日に集まる端金も、一月の終わりには二、三百両もの蓄えになっておりました。
ところが近頃、張団練という役人が東方から赴任してまいりまして、一人の男を連れてきたのです。姓は蒋、名は忠。九尺もの大男ゆえ、江湖では『蒋門神』と呼ばれております。奴は単に体が大きいだけでなく、槍棒も拳法も、さらには相撲においても天下無双だと豪語しておりました。『三年の間、泰山の相撲大会でも敵なしだ』と。
そうして奴は、私の商売を力ずくで奪いにやってきたのです。私が譲らずに抵抗すると、奴の凄まじい拳骨を浴びせられ、二ヶ月もの間、床から起き上がれぬほどの痛手を負わされました。兄上が来られたあの日、私が頭に布を巻き、腕を吊っていたのもそのためです。今もその傷跡は消えておりません。
人を集めて報復しようにも、奴の背後には張団練という役人の軍勢が控えております。騒ぎを大きくすれば、父の治める牢城営の立場が悪くなる……。しかし、この怨み、晴らさずにおられましょうか。兄上がまことの豪傑であると聞き及び、どうかこの無念を晴らしていただきたいと願う次第です。そのためなら、私は死んでも悔いはございません。
ただ、兄上は遠路はるばる着かれたばかり。気力も体力も十分ではあるまいと考え、数ヶ月は養生していただこうと思っておりました。それを、家の者がうっかり口を滑らせてしまった。これが私の隠せぬ実情にございます」
これを聞くや、武松は呵々と高らかに笑い、尋ねました。
「その蒋門神とやらは、頭がいくつ、腕が何本あるのだ?」
「いえ、頭も一つ、腕も二本。我らと変わりはございません」
武松は鼻で笑い飛ばしました。
「俺はてっきり、頭が三つに腕が六本もある那吒のような化け物かと思ったぞ。頭が一つで腕が二本なら、何も恐れることはない」
「ただ、私の腕が未熟であったがゆえ、奴に敵わなかったのです」
「俺は法螺を吹くのは好まぬが、平生より世の硬骨漢や理不尽な輩を叩き伏せるのを身上としている。話が決まったのなら、何をぐずぐずしている。酒を持て。今すぐそいつを虎と同じように片付けてやろう。拳が重すぎて殺してしまったら、俺がその命を償ってやるまでのことだ」
「兄上、まずは落ち着いてください。父が参りますゆえ、それからでも遅くはございません。まずは明日、人をやって奴が家にいるか探らせましょう。空振りに終わって、草を打って蛇を驚かすようなことになり、奴に備えられては厄介ですから」
武松はいら立ちを隠せず、言い放ちました。
「若旦那、あんたが奴に打たれた理由が分かった気がするぜ。そんな女々しいやり方ではいかん。行くなら今だ。明日だの明後日だのと、敵の準備を待つ必要などどこにある!」
武松をなだめかねているところへ、屏風の影から老管営が姿を現しました。
「義士よ。お言葉はすべて承りました。今日こうしてお会いできたのは、暗雲を払って日の光を仰ぐような心地です。まずは奥へどうぞ」
武松が導かれて奥へ行くと、老管営は「どうぞお座りください」と席を勧めました。
「私はただの囚人の身。相公を前に座るわけには参りません」
「義士よ、そのようなことは仰るな。せっかくお会いできたのです。遠慮は無用ですぞ」
武松は無作法ながらも挨拶をして腰を下ろしました。施恩は傍らに控えて立っていましたが、武松が言いました。
「若旦那、あんたも座れよ」
「父が相伴しております。兄上、どうぞお気になさらず」
「それでは俺も落ち着かねえ」
老管営が促して施恩も席に着くと、豪華な酒肴や果物が運ばれてきました。老管営は自ら酒を注ぎ、こう語りかけました。
「義士のような英雄を、誰が敬わぬはずがありましょう。息子が快活林で商売をしていたのは、決して私利私欲のためではございません。孟州の街を活気づけ、侠客の気風を養うためでした。それを蔣門神が力づくで奪い去った。義士のような勇士でなければ、この恨みは晴らせません。どうぞこの杯を飲み干し、息子の礼を受けてやってください。息子を弟分としていただければ、これ以上の光栄はございません」
武松は答えました。
「私のような者に何の才がありましょう。若旦那の礼を受けるなど、もったいないお話だ」
酒を酌み交わすと、施恩は畳に頭をつけて四度、丁重に拝礼しました。武松も慌てて答礼し、二人は義兄弟の契りを結びました。その日、武松は心ゆくまで酒を楽しみ、泥酔して部屋へと運ばれていきました。
翌朝、施恩父子は密かに相談しました。
「武松は昨夜、ひどく酔っていた。今日は酒が残っていよう。人をやって『蒋門神は不在だ』と偽り、一日延ばして様子を見ようではないか」
施恩が武松の元へ行き、そう告げると、武松は不服そうに「それでは今日も無駄飯を食うだけか」とぼやきました。朝食の後、二人は営内を散歩し、昼頃にはまた酒宴の席が設けられました。しかし施恩は、万一を考えて酒を控えるように勧め、ご馳走ばかりを並べます。武松は酒を飲みたいのに、勧められるのは肴ばかりで、いかにも気が進まない様子でした。昼食を終えて部屋へ戻ると、使用人が風呂の用意にやってきました。
「あんたの所の若旦那、今日はご馳走ばかりで酒をあまり出さねえ。一体どういうつもりだ?」
「都頭、正直に申し上げます。今朝、旦那様方が『今日は大事な日。都頭が二日酔いでは困る』と仰り、酒を控えさせたのです」
武松は言いました。
「なんだと。俺が酔っ払ったら大事を仕損じるとでも思っているのか?」
「さようにございます」
その夜、武松は夜明けを待ちかねるように早起きし、身支度を整えました。頭には万字の頭巾を被り、土色の布衣を纏い、腰には紅い絹の帯を締めました。足には脚絆をきりりと巻き、麻の靴を履きます。顔の金印には小さな膏薬を貼り、傷を隠しました。
施恩が朝食に呼びに来ましたが、食後、施恩が馬を用意させようとすると、武松はそれを断りました。
「俺は足が不自由ではない。馬などいらぬ。ただ、一つだけ条件を飲んでくれ」
「兄上、何なりとお申し付けください」
「城を出てから目的地に着くまで、『三杯飲まずば旗を過ぎず』を守ってもらいたい」
「兄上、それはどういう意味でございましょう?」
武松は豪快に笑って答えました。
「蒋門神を打ちに行く道すがら、酒屋を見つけるたびに必ず三杯の酒を飲ませろ。三杯飲ませなきゃ、その酒屋の前を通り過ぎぬ。これを『無三不過望』と言うのだ」
施恩は内心、不安に駆られました。
(快活林までは十四、五里。酒屋は十二、三軒はある。一軒で三杯ずつ飲めば、着く頃には三十五、六杯……。酔いつぶれてしまわないだろうか?)
武松はそれを見透かしたように大笑いしました。
「俺が酔って仕損じるとでも思っているのか。俺はな、酒がなきゃ腕も振るえぬのだ。一分の酒が入れば、一分の業が出る。五分なら五分。十分飲めば、どこからともなく神力が湧いてくるのだ! 酒を飲んで度胸を据えなきゃ、景陽岡でどうして虎を打てただろう。あの時も泥酔していたからこそ、思い切り戦えたのだ」
「兄上がそれほどのお方とは存じませんでした。我が家には名酒がいくらでもございます。ただ、しくじるのを恐れたばかりに、昨夜は控えさせました。ならば、先に下男二人に酒と料理を持たせて先回りさせ、道々、ゆっくりと飲んでいただきましょう」
武松は「それでこそ俺の意にかなう。蒋門神を打つにも度胸が必要だ。奴を叩き伏せて、天下の笑い種にしてやろうぜ!」と気炎を上げました。
老管営は密かに屈強な男たち二十人ほどを選び、武松たちの後方で援護するように手配を整えました。
施恩と武松の二人は安平寨を出て、孟州の東門を抜けました。三、五百歩も行くと、街道の傍らに酒屋の旗がなびいているのが見えました。使用人がそこで待っています。
施恩が武松を店へ招き、酒を注がせました。
「小さい杯はいらぬ。大碗に三杯だ」
武松はためらわず三杯を干して立ち上がりました。使用人は急いで食器を片付け、先を急ぎました。
「腹の調子が出てきた。行こう」
時は七月、炎暑は残るものの、どこか秋の気配も漂い始めています。二人は衣の襟をくつろげ、一里ほど行くと、また林の中に酒旗が見えました。それは村の素朴な酒屋でした。
古道の村坊、川辺の酒店。
門の外には柳が深く、池の中には蓮の花が揺れる。
黄金の風にたなびく酒旗、酷日を遮る短き葦の簾。
磁器の盆には冷たき村酒、竈の前には香る蒸し酒。
十里先まで香らねど、隣の三軒を酔わすには十分なり。
武松はそこでも三杯を飲み、また歩き出しました。それから十軒ほどの酒屋を回りましたが、武松は少しも酔った様子がありません。
「快活林まではあとどれくらいだ?」
「もうすぐです。あの先に見える林がそうでございます」
「よし、着いたな。あんたはどこか別の場所で待っていろ。俺が一人で行く」
「くれぐれも油断なさるな」
「案ずるな。ただ使用人を一人つけてくれ。まだ酒屋があるなら飲みたいからな」
武松は施恩と別れ、さらに三、四里歩くうちに、また十杯ほどを飲み干しました。
時刻は午後の二時、日差しはなお強いものの、微風が吹き抜けます。武松の体に酒が回り始め、衣をはだけました。五、七分の酔い加減でしたが、わざと泥酔したふりをして、千鳥足でふらふらと歩を進めます。
「あの丁字路にある店が、蒋門神の店です」
使用人が指差す方を見ると、林の背後に、白い布衣を着た仁王のような大男が椅子にふんぞり返り、蝿払いを手に涼んでいました。
その容貌は醜悪にして、相貌は極めて粗野。
紫色の肉は横に広がり、浮き出る青筋。
縮れた黄ばんだ髭、怪しき眼を円く見開き、眉の下には双星が閃く。
まさに門を守る神荼、鬱塁のごとき恐ろしき形相なり。
武松は「こいつが蒋門神に相違ない」と確信し、真っ直ぐに突き進みました。
三十歩ほど行くと、丁字路の大きな酒屋の軒先に「河陽風月」と記された旗が見えました。門前には緑の欄干があり、金の刺繍を施した旗には「酔裏に乾坤大なり、壺中に日月長し」と書かれています。片側には肉を切る台と包丁、反対側には蒸し饅頭の竈。中には地中に半分埋まった大きな酒瓶が三つ並び、中央の帳場には若く美しい婦人が座っていました。
これこそ、蒋門神が孟州へ来て新しく娶った愛妾でした。元は盛り場の舞台で歌を歌っていた女だといいます。
眉は翠の山並みのごとく、眼には秋波を湛える。
桜桃の口元は微かに紅を帯び、春筍の指先は玉のごとき美しさ。
狭き袖には榴の花の色、薄き衣は瑞雪を纏う。
まさに酒を売る卓文君の再来かと思われるばかり。
武松は酔い眼を細め、帳場の正面にドカリと座り込みました。両手を机につき、じっとその女を見つめます。女は不快そうに顔を背けました。
武松は机を叩いて怒鳴りました。
「主人はどこだ!」
給仕が寄ってきて尋ねました。「お酒はどれくらいお出ししましょう?」
「二角だ。まずは毒味をさせろ」
運ばれてきた酒の香りを一口嗅ぐと、武松は首を振りました。
「だめだだめだ、取り替えろ!」
給仕は「酔っ払いか」と内心毒づきつつ、一段上の酒を持ってきました。武松は一口なめると、また叫びました。
「これもだめだ! 早くいい酒を持ってこい!」
給仕は耐えて、最上等の酒を運んできました。武松は今度は「まあ、飲めるな。おい、主人の姓は何という?」
「蒋と申します」
「なぜ李ではないのだ?」
それを聞いた女が激昂しました。「この男、酔っ払って喧嘩を売りに来たのかい!」
給仕が「ただの田舎者でしょう、放っておきなさい」となだめようとしましたが、武松はさらに挑発を重ねました。
「おい給仕、その帳場の女をこっちへ呼べ。俺の酌をさせろ」
「無礼を言うな! こちらは主人の奥方だぞ!」
「主人の女房が何だ。酌をさせるくらい大したことではなかろう!」
女は激怒し、罵声を浴びせながら帳場を飛び出そうとしました。
武松は待っていましたとばかりに、布衣を懐へ押し込み、目の前の桶の酒を地面にバシャリとぶちまけました。そして帳場へ飛び込み、女を捕まえたのです。武松の剛腕には抗う術もありません。片手で腰を抱きかかえ、もう片方の手で女の髪を掴むと、帳場越しにひょいと持ち上げ、そのまま大きな酒瓶の中へドブンと放り込みました。
水の音と共に、哀れな女は酒まみれになりました。
驚いた給仕たちが襲いかかってきましたが、武松は軽々と一人を捕まえ、また別の酒瓶の中へ放り込みました。さらにもう一人も頭を掴んで投げ入れ、残る二人も拳と足で叩きのめしました。瓶の中に落ちた三人はもがき苦しみ、倒された二人は這い上がることもできません。
武松はわざと一人の手下を逃がしてやりました。
「蒋門神に知らせに行け。真っ直ぐ迎えに行って、大通りで叩きのめしてやるからな!」
知らせを聞いた蒋門神は驚愕し、椅子を蹴飛ばして駆けつけました。武松は街道の真ん中で奴と正面からぶつかります。蒋門神は巨体ではありましたが、近頃は酒色に耽って体がなまっており、武松のような虎のごとき猛者には到底敵いません。
蒋門神は「酔っ払いめ」と侮って突っ込んできました。
言うが早いか、武松は二つの拳を奴の顔に当てるふりをして、ひらりと身を翻しました。蒋門神が怒りに任せて追ってきた瞬間、武松の足が空を切りました。左の足が蒋門神の下腹を正確に捉えます。
蒋門神が腹を抱えてうずくまろうとした刹那、武松は独楽のように鋭く回転し、今度は右の足が蒋門神の眉間を直撃しました。奴はたまらず仰向けにひっくり返りました。武松は一歩踏み出し、奴の胸を足で踏みつけると、酢瓶ほどもある大きな拳で、その顔面を滅多打ちにしたのです。
これこそが、武松が生涯の極意とした玉環歩、鴛鴦脚の業でありました。
蒋門神は地べたに這いつくばり、必死に命乞いをしました。武松は一喝して言いました。
「命が惜しくば、俺の言う三つの条件を飲め!」
「助けてくれ、英雄! 三つどころか三百でも聞き入れましょう!」
武松は蒋門神を指差し、三つの条件を突きつけました。
これぞ、顔を変えて主を捜し、眉を揃えて人を殺す因縁の始まり。
果たして、武松が突きつけた三つの条件とは。
【Vol.029】武松の「ほろ酔い(?)リベンジ代行」まとめ
1. 施恩、ガチ凹みで人生相談
二代目ボンボンの施恩が、武松に「実は僕、地元の繁華街『快活林』を蔣門神っていうバケモン級のデカい奴に力ずくで奪われたんすわ……」と愚痴り始めます。蔣門神は「3年連続相撲大会無敗」を誇るガチ勢。施恩はフルボッコにされて全治2ヶ月の重傷を負い、利権も全部パクられてメンタル崩壊。それを聞いた武松は「は? 頭が1つなら余裕だろ。今すぐボコりに行くわ」と即レスします。
2. 謎のこだわり「ハシゴ酒ノルマ」
施恩のパパ(元・刑務所長)も出てきて、武松と義兄弟の契りを交わすアツい展開に。でも、武松が「行く途中の酒屋で、1軒につき3杯ずつ飲ませろ。飲まないと店の前を通らない(無三不過望)」とかいう、アルハラも真っ青な縛りプレイを提案。
施恩は「え、目的地に着くまでに30杯以上飲む計算だけど大丈夫そ?」とビビりますが、武松いわく「俺は酒が入れば入るほどバフがかかるタイプ。シラフじゃ火力が出ねえんだわ」と謎の最強理論を展開。
3. 快活林への「千鳥足」デリバリー
結局、道中の酒屋を制覇しながら、武松は仕上がった状態で目的地に到着。でも実はこれ、ただの酔っ払いじゃなくて「酔拳」的なフェイク。ふらふら歩きつつ、蔣門神の店を見つけると、まずは受付にいた蔣門神の愛人にダル絡みを開始。「店主呼べよ。あ、お前が酌しろよ」と煽りまくり、ブチギレた愛人を酒ダルの中にドボンと放り込むという、コンプラ無視の暴挙に出ます。
4. 必殺技「玉環歩・鴛鴦脚」が炸裂!
知らせを聞いて飛び出してきた蔣門神。デカさだけはある蔣門神ですが、最近酒と女に溺れてて、完全にスペックダウンしてました。対する武松は、華麗なステップ(玉環歩)で翻弄し、死角から強烈なキック(鴛鴦脚)をぶち込む神コンボを披露。蔣門神は成す術なく地面に叩きつけられ、「マジすんません! 命だけは助けて!」と爆速で土下座。
5. 勝利の条件提示
ボコボコにされた蔣門神に対し、武松は「助けてほしければ3つの条件を飲め」と突きつけます。ここで次回に続く……という、なんともクリフハンガーな引きで終わります。
一言で言うと:
「酒飲めば飲むほど攻撃力上がるチートキャラ武松が、繁華街の利権を巡って脳筋デカブツを分からせる回」です。
武松の「酔えば酔うほど強くなる」っていうジャンプ主人公みたいな設定が、水墨画のような迫力とセットで描かれてるのが、この回のエモいポイントですね!
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主要人物図鑑(登場順)
040:蒋門神・蒋忠;才能の使い方を間違えた「脳筋エリート」の転落人生
1. 実はガチの「フィジカル・エリート」だった件
蔣門神って、ただのデカいおっさんじゃないんだよね。泰山(当時の格闘技の聖地)の相撲大会で3年連続無敗っていう、今で言えば「オリンピック3連覇」レベルの圧倒的実績を持つ超エリート。名前の「門神(門を守る神)」も、その圧倒的な威圧感からついた二つ名。ぶっちゃけ、格闘家としてのポテンシャルはチート級だったわけ。
2. 地方の汚職役人に「囲われ」ちゃった悲哀
そんな格闘界のスターが、なぜか孟州なんて地方に来たのか。それは張団練っていう汚職役人の「お気に入り」になって、天下の宝刀を「権力の犬」として使う道を選んじゃったから。
「スポーツで食ってくのは大変だし、権力者に媚びて不労所得(快活林の利権)ゲットした方がタイパ良くね?」っていう、現代的な「勝ち組ムーブ」を狙っちゃったのが、彼の人生の分岐点だった。
3. 「成金ライフ」で完全にスペックダウン
快活林を奪ってからは、可愛い愛人を囲って、毎日美味いもん食べて酒を飲む「あがり」の生活。でもそのせいで、かつての鋼の肉体はぶよぶよになり、スタミナもガタ落ち。「昔の栄光にすがって練習をサボり、お酒と女に溺れた元トップアスリート」……そう考えると、ちょっと悲しくない?
4. 運悪く「運営の嫌がらせ級」のチートキャラと遭遇
蒋門神にとっての悲劇は、自分が「地方の格闘家としては最強」だと思い込んでいた時に、水滸伝屈指のぶっ壊れ性能キャラ・武松がやってきたこと。
蔣門神が必死に築いた「権力+暴力」のイージーモード設定を、酒を飲みまくってバフをかけた武松に、物理(拳)だけであっさりデリートされるっていう……。
まとめると:
蔣門神は「格闘技の才能は神レベルだったのに、楽して稼ごうとして汚職公務員の用心棒に就職しちゃった結果、不摂生で弱体化したタイミングでガチ勢(武松)に詰められて詰んだ、悲しき脳筋モンスター」。
格闘家としてストイックに山にでもこもっていれば、歴史に名を残す聖者になれたかもしれないのに、「中途半端に世渡り上手になろうとして、最強の酔っ払いに処刑された」という、現代社会にも通じる教訓を含んだキャラなのです。




