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私説 水滸伝一〇八編の鎮魂曲  作者: 光闇居士


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23/49

〇弐弐:閻婆、大いに鄆城県を騒がせ、朱仝は義をもって宋公明を放つ

挿絵(By みてみん)

『滄州雪夜・双星邂逅図』


Ladies and gentlemen, 紳士淑女の皆様!今宵、私が皆様にご紹介するのは、ただの絵画ではありません。これは、歴史の深い溜息と、運命の燃え盛る情熱が、墨と筆によってこの世に顕現した、まさに奇跡の一枚でございます!

さあ、皆様、ご注目ください!この画面いっぱいに広がるは、峻厳で、しかし同時に詩情豊かな、まさに水墨画の真髄ともいうべき世界。柴進の広大な屋敷を包み込む滄州の荒野は、深い、深すぎるほどの墨色で描かれ、遠景の山々は、幾重にも重なり合った重厚な雲海に沈んでおります。見ているだけで、ひんやりとした冬の空気、そして墨の香ばしい匂いさえ感じられませんか?

そして、この絵の肝。画面中央を貫く、長大で、威厳に満ちた回廊にご注目ください。軒先からは、凍てつくような、しかしどこか叙情的な冷気が、墨のぼかしとなって立ち上り、画面の隅々には、かすかな銀箔を散らしたような初雪が舞い、空気の張り詰めた緊張感あふれる静けさを際立たせています。ああ、まさに息をのむような情景…!

しかし、この静寂の中に、突如として爆発的な動性が生まれるのです!足元をご覧ください!宋江が蹴り上げた十能から、鮮烈で、燃え上がるような朱色の火の粉が、まるで生きている龍のごとく、画面を舞い上がっています!この「火」だけが、この荘厳なモノクロームの世界において、唯一無二の色彩を放ち、まるで生命の衝突、あるいは宿命の激突を、私たちに雄弁に語りかけているかのようです!

そして、いよいよ主役の登場です!この二人の男をご覧ください!

画面右側にお立ちになりますは、我らが「及時雨」宋江!旅の疲れを滲ませながらも、その佇まいは、まるで慈悲深く、優雅な恵みの雨のごとし!彼の纏う衣の線は、柔らかく、流れるようで、周囲の空気と完璧な調和を見せていますが、足元の影は揺るぎなく、大地に根ざした徳を感じさせます。ああ、なんて奥ゆかしい、しかし確固たる存在感でしょうか!

そして、その宋江に対峙するは、画面左側から暗がりの廊下を突き破るように立ち上がる男、そう、彼こそが「伏龍」武松でございます!彼の姿は、まるで眠れる虎が、覚醒の瞬間を迎えたかのような圧倒的な迫力を湛えています!おこりに震えていたはずの男が、怒りとともに、まるで雷鳴のごとく跳ね起きたその刹那、背後の空間が裂けるような力強い筆致で描かれ、筋骨隆々たる肉体と、爛々と輝く眼光は、水墨の闇を貫くような光を放っています!

この二人の男が、互いの名を知り、武松が地を割るような勢いで平伏する、まさに運命の瞬間!画面の背景にある柴進の壮大で、広大な邸宅さえもが、この二人の男が放つ「オーラ」の重さ、宿命の輝きの前には、小さく見えるほどではありませんか!

上部に大胆な余白とともに添えられた、力強く、雄弁な行書体の言葉が、この劇的な出会いをさらに彩ります。

「四海の内、皆兄弟なり。一陣の風、二つの星を滄州の夜に巡り合わせん」

皆様、これは単なる「酔漢の諍い」ではありません!これは、「柔なる恵みの雨」が、「剛なる荒ぶる山」を包み込み、後に天を揺るがす百八人の絆へと繋がっていく、最初にして最大の激突でございます!

飛び散る炭火の熱い情熱、冷え切った空気の研ぎ澄まされた匂い、そして、英雄同士が直感する「宿命」の途方もない重みが、この一枚の絵から、観る者の心に迫力満点に、そして鮮烈に迫ってきます!

さあ、皆様、この壮大で、感動的な水墨画的情景を、心ゆくまでご堪能ください!歴史のロマンと芸術の美しさが融合した、この珠玉の一枚に、盛大な拍手をお送りくださいませ!ありがとうございました!


【しおの】

 さて、捕り方たちが唐牛児とうぎゅうじを捕らえ、引き立てるようにして県庁へと連行した。凄惨な殺人の急報を耳にした知県ちけんは、動揺を隠せぬまま慌てて壇に登り、審理の幕を上げた。

 ふと庭下を見れば、左には声を上げて泣き伏す老婆、閻婆えんばが、右にはうなだれた一人の男、唐牛児が膝を突き合わせている。

「いかなる殺しがあったというのか」

 促された老婆は、涙ながらに訴え出た。

「私には婆惜ばしゃくという娘がおり、宋押司そうおうしの囲い者にしていただいておりました。昨夜、娘と宋江が酒を酌み交わしていた折、この唐牛児が騒ぎ立てて追い出されたのは近隣も承知の通り。今朝、宋江が戻ってきて娘を手にかけました。私が県庁へ引き立てようとしたところ、この唐二が邪魔をして宋江を逃がしたのです。どうか、お裁きを」

 知県は唐牛児を厳しく怒鳴りつけた。「凶悪な下手人を奪い取るとは、不届き千万!」

 唐牛児は必死の面持ちで弁明する。「私は何も存じ上げませぬ。昨夜、宋江に酒をねだりに行ったところを閻婆に追い出されただけで。今朝は生姜を売り歩いておりましたら、閻婆が宋押司を掴んで揉み合っておりましたので、仲裁に入った隙に彼が逃げたのです。娘を殺した理由など、露ほども知りませぬ」

 知県は一喝した。「黙れ! 宋江は誠実な君子である。わけもなく人を殺めるはずがない。貴様が真犯人ではないのか」

 そう言い放つと、知県は一人の執務官を呼び出した。

 そこへ現れたのは、張文遠ちょうぶんえんという押司であった。彼は殺された婆惜の間男まおとこであり、「俺の女が宋江に殺された」と知るや、復讐心に燃えていた。彼は手早く供述をまとめ、閻婆のために告訴状を代筆して、事件の証拠を固めた。

 直ちに検視官や里正(りせい・村長)らが現場の家へ向かい、遺体を検分した。枕元には、宋江の持ち物である凶器「圧衣刀あついいとう」が落ちていた。検分の結果、喉を切り裂かれたことが致命傷と断定される。遺体は近くの寺に預けられ、関係者は全員、再び県庁へと連行された。

 実のところ、知県は宋江と古くから仲が良く、彼を救いたい一心であった。そのため、あえて唐牛児を厳しく取り調べることで時間を稼ごうとした。

「なぜ昨夜、騒ぎを起こしたのだ! 共犯に違いない!」

 唐牛児は「ただ酒が欲しかっただけです」と繰り返すが、知県は聞く耳を持たず、捕吏に命じて三十から五十回もの激しい棒叩きの刑に処した。唐牛児がどれほど拷問を受けても答えが変わらぬため、知県は彼に首枷くびかせを嵌めて牢に繋ぎ、宋江が遠くへ逃げ延びるのを待とうとした。

 しかし、執念深い張文遠が食い下がった。「凶器は宋江の刀。本人を捕らえねば、この件は決して決着いたしませぬ」

 三度、五度と詰め寄られ、知県もついに隠しきれず、宋江の住まいへ捕吏を送った。だが、宋江はすでに風のごとく逃げ去った後であった。

 張文遠はさらに追い討ちをかける。「本人が逃げたのなら、宋家村に住む実父の宋太公と弟の宋清そうせいを連行し、期限を定めて宋江を差し出すよう命じるべきです」

 知県は渋ったが、張文遠が閻婆をそそのかして法廷で泣き叫ばせたため、ついに公文書を発行し、宋家村へ捕吏を派遣せざるを得なくなった。

 捕吏たちが宋家の屋敷へ到着すると、父の宋太公が落ち着いた様子で迎え出た。公文書を見せられた太公は、静かに言った。

「皆様、お聞きください。私は代々、この地で田を耕し暮らして参りました。不孝者の宋江は、幼い頃から親の言うことを聞かず、役人になると言って家を飛び出したのです。そのため数年前、私は県庁へ不孝を訴え、彼を親子の縁から切り、せきから外しております。彼は街で暮らし、私と弟の宋清はこの村で田を守っております。金銭のやり取りも一切ございません。もし彼が過ちを犯しても私どもを巻き込まぬよう、当時の公文書がここにございます。ご覧ください」

 やって来た捕吏たちも皆、宋江とは親しい仲であった。これが万一の時のための「逃げ道」であることを察していた彼らは、無理に太公を罪人にはしなかった。

「証拠があるなら、その写しを頂いて県庁へ報告しましょう」

 太公は彼らに酒と鶏料理を振舞い、さらに十数両の銀を与えて丁寧にもてなした。捕吏たちはそれを受け取り、県庁へ戻って「宋江は三年前から分家しており、太公とは無関係です」と報告した。知県もこれを利用し、「親族もいないのでは仕方ない。千貫の懸賞金をかけ、各地へ手配書を送るに留めよう」と幕引きを図った。

 だが、張文遠はまたも閻婆を焚き付け、彼女を髪を振り乱した姿で法廷へ送り込んだ。

「宋江は、弟の宋清が家に隠しているのです! なぜ捕らえてくださらないのですか!」

 知県は怒鳴った。「三年前に勘当されたという公文書があるのだ! どうして家族を捕らえられようか」

「あんなものが本物なわけがありません! あの子は及時雨きじう孝義黒三郎こうぎこくさんろうとあだ名されるほどの親孝行者。あれは偽物です!」

 老婆は泣き崩れ、「娘の無念を晴らしてくれないなら、上役の州へ訴え出ます!」と言い放った。張文遠も「もし上から調査が入れば、知県様のお立場も危うくなりますぞ」と暗に脅した。

 ついに追い詰められた知県は、朱仝しゅどう雷横らいおうの二人の都頭ととうに命じた。「大勢を連れて宋家村へ行き、宋江を捜索してこい」

【詩に曰く】

関わりなき事とて人は捨て置けど、

路上に散る花(婆惜)を誰が哀れまん。

花のようなる美姫の死を惜しめば、

愛しき男(宋江)も、今はかたきなり。

 朱仝と雷横は、四十人の兵を率いて宋家庄へと向かった。

 太公が迎え出ると、二人は申し訳なさそうに言った。「太公、恨まないでくだされ。仕事ゆえ、いたしかたないのです。宋江はどこにおりますか?」

 太公は先ほどと同じく勘当の公文書を見せたが、朱仝は「書類があっても、捜索しないわけにはいきません」と、屋敷を兵で包囲させた。「雷都頭は中へ。俺は表門を固める」

 雷横が中をくまなく調べ、戻ってきた。「どこにもおりません」

 朱仝は「俺も念のために見てこよう」と言い、雷横に門の番をさせて一人で中へ入った。

 朱仝は真っ直ぐに仏堂へ向かうと、壁に朴刀を立てかけ、内側から静かに扉を閉めた。そして仏壇の下にある三世仏を避けると、床板を一枚剥がした。そこにある綱を引くと、カラカラと鈴が鳴り、地下室(地窨子・ちいんし)から宋江が這い出してきた。朱仝の姿に宋江は驚いたが、朱仝は静かな声で語りかけた。

公明こうめい兄貴、どうか怒らないでくだされ。かつて酒の席で、この仏壇の下に隠し部屋があると言っておられたのを、私は覚えていたのです。今、県庁は張文遠とあの老婆に突き上げられ、後に引けぬ状態です。もし雷横にここを見つけられたら、言い逃れはできません。だから俺が彼を遠ざけ、一人で参ったのです。ここは当面はしのげても、安住の地ではありません。早く逃げる算段をなされ」

「恩に切る、朱仝殿。貴殿の助けがなければ、俺の命はなかった」

「どこへ行くおつもりですか」

「心当たりは三つある。滄州そうしゅう小旋風しょうせんぷう柴進さいしん殿の屋敷。青州清風砦の小李広しょうりこう花栄かえいのところ。あるいは白虎山のこう太公の屋敷だ」

「ならば今夜、すぐに出立なさい。官憲の手回しは俺がなんとかしましょう」

 宋江は深く感謝し、再び地下の闇へと戻った。

 朱仝は床板を元通りに戻すと、何食わぬ顔で外へ出て言った。

「本当にどこにもいないな。太公だけでも連行するか?」

 雷横はそれを聞き、(朱仝が宋江の親父を捕らえるはずがない。これはわざと言っているのだな)と察し、自分も人情を見せることにした。

「都頭、太公は病床にあり、勘当の文書も本物だ。無理に連れて行くこともなかろう。書類の写しだけを持って戻ろうではないか」

 二人は太公が用意した二十両の銀を受け取ると、それを兵たちの酒代として分け、県庁へ戻って報告した。

「宋太公は重病、宋清は不在。宋江の姿はありませんでした」

 知県はこれを受け、事件を迷宮入りさせた。朱仝はさらに自腹を切って閻婆に金を握らせ、州への告訴を思いとどまらせた。張文遠も、周囲からの説得と宋江へのこれまでの恩義を感じ、矛を収めた。結局、身代わりとなった唐牛児が軽い刑を受けることで、宋江への追及は表面的には止まったのである。

【詩に曰く】

色欲に迷いて身を滅ぼし、

地下の穴に隠るる情けなさ。

さらばと告ぐる美髯公(びぜんこう・朱仝)こそ、

おとこの中の漢なれ。

 さて、なぜ宋江の家に地下室などあったのか。当時は「役人(吏)になるのは、官になるより難しい」と言われた。役人が罪を犯せば全財産没収、家門断絶が当たり前の時代。そのため、いざという時の避難所を用意し、あらかじめ親から籍を抜いておくのは、当時の役人の知恵であった。

 地下室から出た宋江は、父や弟と相談した。

「朱仝殿の恩は決して忘れません。我ら兄弟は逃亡しますが、いずれ恩赦があれば必ず戻って参ります。父上、朱仝殿には密かに礼を届けてください」

 その夜、宋江は范陽はんようフェルトの笠を深く被り、弟の宋清を従者として連れて、泣きながら父に別れを告げた。秋の終わり、冬の訪れを感じさせる寂しい夜道であった。

【詞に曰く】

蓮の葉は枯れ、梧桐ごとうは散る。

枯れ草に虫は鳴き、平沙へいさに雁は降りる。

細雨さいうかえでを濡らし、霜は重し。

旅人ならずば、秋の滋味あじは分からじ。

 兄弟は道中、どこへ行くべきか話し合った。

柴進さいしん大官人を頼ろう。あの方は後周の皇帝の末裔であり、天下の好漢を助ける現代の孟嘗君もうしょうくんと名高い」

 二人は滄州を目指した。道中の苦労は絶えず、汚れた椀で食事をし、見知らぬ天井の下で眠る日々。

 やがて滄州の界隈に入り、柴進の屋敷を訪ねた。

「大官人は東の別荘へ米の取立てに行っておられます。ここから四十里(約二十二キロ)ほどです」

 宋江が名を名乗ると、庄客(屋敷の者)は驚いた。

「もしや、及時雨の宋押司様ですか! 旦那様は常々、貴方にお会いしたいと申しておりました」

 庄客に案内され、三時間ほどで東の別荘に到着した。そこは実に見事な邸宅であった。

【描写して曰く】

前には広い川、後ろには高い嶺。

えんじゅや柳は林を成し、客室は整う。

牛羊は大地を埋め、鴨や鳥の群れは騒がしい。

豪華なる食事は孟嘗君を凌ぎ、

満ち足りた暮らしは桃源郷の如し。

 柴進は宋江の来訪を聞くや、履物も履かずに駆け出す勢いで迎えに出た。

「ああ、宋公明殿! いかなる風が貴殿をここへ運んでくれたのか。生涯の喜び、これに過ぎるものはありません!」

 二人は地に伏して挨拶を交わし、柴進は宋江の手を引いて奥座敷へと招き入れた。

「鄆城県におられるはずの貴殿が、なぜこのような僻地へ?」

 宋江は閻婆惜を殺した経緯をすべて打ち明けた。柴進は豪快に笑った。

「案じることはありません。たとえ皇帝の役人を殺し、国庫を略奪したとしても、この柴進の屋敷にいる限り、捕吏どもに指一本触れさせはしませんぞ!」

 柴進は二人に新しい衣服を与え、盛大な酒宴を開いた。酒が進み、互いの志を語り合ううちに夜も更けていった。

 宋江は少し酔い醒ましにと、灯明を掲げた庄客に従って厠へ向かった。

 東の廊下を千鳥足で歩いていた時のことである。その廊下の隅で、一人の大男がおこり・マラリアに苦しみ、炭をおこした火を囲んで震えていた。

 酔った宋江が足元を確かめず、その火を熾した十能(じゅうのう・炭シャベル)の柄を思い切り踏みつけてしまった。

 ひっくり返った熱い炭が、大男の顔にバラバラと降りかかった。

「何の鳥人(へっぽこ野郎)だ! 俺をなぶり殺しにする気か!」

 怒り狂った男が跳ね起き、宋江の胸ぐらを掴んだ。

 庄客が慌てて割って入った。「控えろ! この方は旦那様が最も大切にされている貴客だぞ!」

「貴客だと? 俺だって最初はそうだった! 今じゃ庄客どもに冷たくされ、これがお前の言う『花に百日の紅なし』か!」

 男が今にも宋江を殴りつけようとしたその時、柴進が駆け寄ってきた。

「公明殿! いかがなされた!」

 柴進は男を厳しく叱りつけた。「このお方が誰か知らぬのか。鄆城県の宋押司、あの及時雨、宋公明殿だぞ!」

 男は一瞬、動きを止めた。

「……あの、及時雨、宋公明殿……だと?」

「そうだ。貴様が病が治ったら訪ねたいと言っていた、その人だ」

 男は呆然として宋江を見つめた。そして、その場に崩れるように膝を突き、深々と頭を下げた。

「俺は……夢を見ているのか。兄貴、この通りです、どうかお許しください。泰山を見分けられぬ節穴の目でした!」

 男は泣きながら、地面から顔を上げようとしなかった。

 柴進が指し示したその男の名を聞くや。

 山中の猛虎、これを見れば魂は飛び、林の中の強人もこれに遭えば胆を冷やす。

 果たして、柴進が紹介したその男、いかなる豪傑であるか。

【Vol.022】:~不倫男の粘着と、地下室の神対応、そして伝説のアイツ~


1. 詰みかけの現場と「推し」を守りたい県知事

宋江ソン・ジャンが浮気相手をブチ殺して逃亡。現場にいた生姜売りの唐二くんは、とばっちりで逮捕されます。でも県知事は宋江の大ファン(ガチ勢)。「あんな聖人が人殺すわけないじゃん! お前が犯人だろ!」と唐二くんに濡れ衣を着せて拷問し、宋江が逃げる時間を稼ごうとします。職権乱用の極みですね。


2. 粘着質な元カレ・張くんの嫌がらせ

そこに現れたのが、被害者の間男だったチャン。「俺の女を殺した宋江を絶対許さない」と執念の粘着を見せます。知事が「宋江は親から勘当されてるから家宅捜索しても無駄だよw」と適当にスルーしようとしても、「いや、あいつは嘘つきの親孝行者(孝義黒三郎)だから絶対実家にいますって!」とガチレスで追い詰めます。知事、ついに折れて警察出動。


3. MVP朱仝シュドウの神回避

警察のリーダー、朱仝と雷横ライオウが実家へ。雷横が適当にガサ入れしてる間、朱仝は「俺がもう一回見てくるわ」と一人で仏壇へ。実は朱仝、以前宋江から「俺、仏壇の下に隠し部屋作ってんだよね」と秘密を共有されてたんです。

床板を剥がすと、鈴が鳴って宋江が登場。「兄貴、ここは俺がマキ(誤魔化し)入れておくから、今のうちにトんでください!」と神対応。賄賂と友情パワーで事件を一旦フェードアウトさせます。朱仝、マジでイケメン。


4. 逃亡生活と「スパダリ」柴進サイシン

宋江は弟と二人で、アウトロー界の超有名パトロン・柴進サイシンの屋敷へ。「俺、人を殺しちゃいまして…」と告白する宋江に、柴進は「お、殺人? 全然OK! 俺の家なら警察も手出しできないから、ゆっくりしていきなよw」と富豪の余裕を見せます。圧倒的な課金勢の安心感です。


5. トイレ帰りの大事故、そして伝説へ

酒宴でベロベロになった宋江。トイレに行こうと廊下を歩いていたら、隅っこで震えてる大男を邪魔だと思い、火のついたシャベルを思いっきり踏んづけます。

熱い炭が男の顔にドバァ!

「熱っ! 何すんだコラ! 殺すぞ!」とブチギレる男。そこに柴進が飛んできて「待て待て! この方はあの『及時雨』の宋江様だぞ!」と紹介。

それを聞いた男は急に静まり返り、「えっ、あの、憧れの宋江さん…? すんませんでしたァ!」とガチ謝罪&号泣。

実はこの火傷した男こそ、後に素手で虎をぶっ殺すことになる最強の男「武松」であった。

最悪の出会いが、最高の相棒へと繋がる歴史的なフラグが立った瞬間でした。


【今回のまとめ】

・宋江、隠し部屋でギリギリ逃げ切る。

・朱仝の友達甲斐が限界突破してる。

・トイレに行こうとして炭をぶっかけた相手が、後のタイガーキラーだった件。

・「四海の内、皆兄弟みんなマブダチ」の精神で、英雄たちの合宿生活がスタート!


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主要人物図鑑(登場順)


034:鉄扇子てっせんし宋清そうせい★梁山泊一〇八将★

影が薄すぎて逆に尊い「究極の裏方男子」


あだ名は「鉄扇子てっせんし」。これ、ぶっちゃけ「鉄の扇なんて風が起きない=役に立たない」っていう自虐めいた二つ名なんですが、彼はそれでいいんです。

立ち位置は「最強の事務局長」:

兄の宋江が「俺、カリスマ公務員(自称)だけど不倫相手殺しちゃった、テヘッ」ってなってる横で、文句も言わず逃亡のお供をする健気な弟。兄貴のコネ作りのために、ひたすら荷物持ちや宿の手配をこなす「運営さん」的な存在です。

後の活躍(?)は「宴会部長」:

後に梁山泊りょうざんぱくに108人のアウトローが集結したとき、彼が任される仕事はなんと「宴会の準備・管理」。猛者たちが「俺が一番強い!」と暴れている裏で、「えーと、お酒足りてますか? おつまみの追加入りまーす!」と走り回るポジション。派手な必殺技はないけれど、彼がいないと組織が回らない。現代なら間違いなく「推しのマネージャーにしたいNo.1」です。


035:行者・武松ぶしょう★梁山泊一〇八将★

ステータスを筋力に全振りした「チート級の野生児」


今回、廊下の隅っこでマラリアに震えていた男……。それが、後に中国文学史上最強の「タイガーキラー」になるなんて、誰も予想できません。

初対面のムーブが「限界オタク」:

最初は「炭をぶっかけたな! ぶっ殺す!」とブチギレてたのに、相手が憧れのインフルエンサー(宋江)だと分かった瞬間、「え、待って、本物? 尊い……無理……」と地面にめり込む勢いで土下座。この「キレ散らかし」から「全肯定」への手のひら返し、まさに情緒不安定なガチ勢そのものです。

スペックが「フィジカルお化け」:

この後のエピソードですが、彼は「この先、虎が出るから立ち入り禁止」と言われている山に、酒を18杯飲んでから突っ込んでいきます。そして、襲ってきた巨大な虎を素手でボコボコにして仕留めるという、格闘ゲームの隠しキャラみたいな活躍をします。

その後の「闇落ちと悟り」:

兄を殺した悪い奴らに復讐を遂げた後、逃亡のために「僧侶(行者)」に変装するんですが、それがそのままトレードマークに。最後は片腕を失いながらも、悟りを開いて天寿をまっとうするという、水滸伝の中でも屈指の「エモい」人生を送る男です。


・宋清:兄貴の不祥事を全力でカバーする、究極の「良心」にして事務方担当。

・武松:廊下で震えていた「不審者」から、素手で虎を倒す「神」へと進化する男。

この二人が、逃亡中の宋江という一本の糸で繋がったのが第22回。

特に武松と宋江の「出会った瞬間にブラザー(義兄弟)になっちゃう」スピード感は、まさに爆速の友情。ここから物語のボルテージは一気に爆上がりしていきます!


⭐【予言】禁断のスピンオフ『金瓶梅きんぺいばい』での武松

さて、ここでちょっとした予言です。この武松という男、あまりにも強くてキャラが立っていたため、後に『金瓶梅』という別の物語でも「死神」のようなポジションで登場することになります。

『金瓶梅』界の「絶対に怒らせてはいけない男」:

『金瓶梅』は、武松の兄を殺した西門慶さいもんけいと、浮気妻の潘金蓮はんきんれんが主役の、いわば「R-18指定のドロドロ不倫・成り上がりドラマ」です。

主役たちが「金だ! 女だ! 酒だ!」と欲望の限りを尽くしている間、読者は常にこう思っています。「……で、いつ武松バケモノが復讐に来るの?」

武松は、その物語において、どれだけ悪い奴らが贅沢をしようとも、最後には必ずすべてを叩き壊しに来る「抗えない運命の執行人」として君臨します。まさに『ターミネーター』ばりの絶望感を悪党たちに与える存在なんです。


「筆者のいずれの創作『金瓶梅の梅毒ー西門慶美艶芬芳立志伝』候ご期待を・・・

おもいっきし番宣とちがうか!」     

光闇居士


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