表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/9

あとがき

曲亭馬琴原作による「南総里見八犬伝」では語られる事の無かった、

怨霊玉梓の出自や少女期のエピソード。

物語の原点となった最重要人物の過去が、なぜ語られ無かったのか?

私は玉梓の処罰とその経緯に、どうにも拭えない違和感を持ちました。


当時の世情は室町幕府の中頃。

中央の統制は緩み地方豪族の反乱が相次ぎ、

重税に苦しむ農民が一揆を起こすなど、

不安定さが増していた時代です。


いくら城主の愛妾が悪女だとしても、

それが国の乱れの原因では無いだろうと。

責任は為政者にこそあれ、玉梓の悪事が如何ほどの事かと。


金碗八郎の玉梓に対する異常なまでの固執は何故か。

進言を受け入れて貰えなかったと言う理由での出奔。

それのどこが忠臣なのか?

また光弘暗殺の実行犯は八郎の子飼いの者。

主君の仇討ちと言いながら、他国の武将に国を明け渡す。

しかも里見義実は幕府に謀反を起こして敗れた敗残兵。

玉梓の存在が無ければ、逆賊はむしろ八郎ではないのか?

罪を玉梓に被せる事で自らを正当化したのではないのか?

そう思えて来たのです。


そうなると浮かび上がるのは、その美貌故に男に翻弄され、

無念の末路を辿った哀れな女人の物語。

それでこそ怨霊となるに相応しい。


玉梓と言う言葉には「伝言を届ける使者」の意味が有ります。

古来より恋文の代名詞として使われて来ました。

なんと麗しい名前でしょう。

その名に相応しいストーリーが必要だとは思いませんか?

それを書いてみようと思った次第です。


楽しんで頂けましたでしょうか?



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ