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6つのプロローグ

筆者はGMです。

○○○


豪雨の中、男は眼前の光景に咽ぶ。


捲れ上がった台地。

薙ぎ払われた森。

夥しい数の神々の兵の残骸。


それらに目もくれず、男は一人の仲間の亡骸に涙を流していた。


「済まないジャッカル。お前のように仲間の成長を、ただ祝福すればいいだけだった。こんな結末は望んでいない。置いて行かれたくなかっただけなんだ」


贖罪は豪雨にかき消され、聞こえた者など誰もいない。ずぶ濡れのまま地獄にうずくまり、聞こえもしない懺悔を譫言の様に繰り返す。


こうして一柱の神が、泥のように世界に誕生した。


男の名は『ルナ・シックゾーン』

かつて始まりの剣級の冒険者だった彼は、パーティーの解散後も、自身の魔術の随意を駆使し、数々の功績をこの世に残した。

しかし、この時に開発した大魔術は、神々にとっては禁忌だった。


『かの悪人三つの大罪』

『一つ、自惚れ』

『一つ、固執』

『一つ、無自覚』

『ゆめゆめ忘れることなかれ』

『意地と欲望に目が眩み、己が罪を招くのだ』

『零れた命を知った時、己が罪に気付くのだ』



○○○



轟音とともに、住処は爆炎に包まれる。

自身が築き上げてきた空間転移の研究成果も、黒く炭となって消えてゆく。


にもかかわらず男は、動揺するでもなく冷静に分析を行う。


「おかしい。彼とは確かに上辺だけの協力関係だが、裏切るタイミングが不可解すぎる」


退路はふさがれ、自身の転移能力も封じられた。脱出する術は無い。

ならば、最後の賭けに出よう。


男は新たに開発中の転移ポータルに身を投じた。

偶然手に入った未知のエネルギーが動力の転移技術。危険な橋を渡ることになるが、現状を打破するには、未完成でも不確定要素に飛び込まざるを得なかった。


男は光に包まれた。もうじき転移が始まる。

間際に見えた敵の顔が、自身とそっくりの顔をした同一人物に見えた。

一点、違和感があるとすれば、彼は転移ポータルに使った未知のエネルギーをまとっているように見えた事だ。



○○○



タビット。

知的好奇心が旺盛で、一箇所に留まらない旅人の種族。その中でも彼は、ひときわ自身の衝動に正直だったのだろう。


ある時は魔導技師として銃の作成と射撃を学んだ。

ある時は騎手としてライダーズギルドに加入した。

言語学を学んだこともある。

軍師として軍略を学ぼうとしたこともあった。


中でも彼が熱心に取り組んだ技術は、鍛冶師である父親から受け継いだ魔剣の鍛造技術である。


いつからか手に握られていた、錆びて刀身の見えない魔剣。この魔剣の謎を解き明かすためなら、たとえ地の果てだろうと歩いて見せるつもりだ。


そう、たとえ異世界に迷い込んだとしても・・・。



○○○



「はぁ・・・はぁ・・・」


故障した体を引きずって、追手から逃げ惑う。魔物からの襲撃を受けたのだ。


不良品である自身に優しくしてくれた居場所を守りたかった。その一心で彼は囮になったのだ。


ルーンフォークの作成技術は、現在では失われたロストテクノロジーだ。

しかしとある科学者が、その技術を再びこの地に呼び起こした。


いわば新型ルーンフォーク。彼はその量産機に当たる。


魔物からの襲撃を受け、彼は住み慣れた居場所を手放すこととなってしまった。

魔物は執拗に追ってくる。追われる緊張と、居場所から離れていく恐怖が、彼の心を凍らせる。


精魂尽き果て、倒れ込む。ぼやけていく視界の奥に、誰かが立っている気がした。



○○○



エルフにとって、幼少の頃の出来事など瞬きのようなものだ。忘れている者も少なくない。


彼女は、その瞬きの思い出に囚われ続けている。

師匠、姉弟子たち、ただ一人の友達。尊厳も自由も無残に奪われ、蹂躙された屈辱を彼女は忘れない。


「本当に行くのか?」

「世界各地を練り歩いた。それでも師匠たちの情報は、紙切れ一つとして手に入れる事はできなかった。そんな中、唯一見つけた情報がケルディオン大陸にあるんだ」


ケルディオン大陸は混沌海という特殊な海流に阻まれ、一度迷い込むと二度と戻れない。

お世話になった司祭の心配を振り切って、彼女は船に乗る。


全てを奪った悪魔に会いに行く。

彼女はその為だけに、百余年の全てを費やしてきたのだから。



○○○



エアバイクに乗って目的地に向かう。


人工マナタイトの製造と精製の開発が進んでからというもの、簡単な造りのエアバイクなら、手軽に借りれる世の中になった。


今日は快晴。

出かけるにはもってこいの晴れ模様だ。


これから彼女は、初めての冒険をする。

緊張も、不安も、今まで感じたことがない高まりを感じる。でも、それら全てを踏み越えるように興奮と歓喜が溢れてくる。


外に出られず、退屈だった日々。

絵本の中の冒険が、ずっとずっと憧れだった。


「私は・・・冒険者だぁー!!!」


こうして一人の冒険者が、芽吹く花のように世界に誕生した。


GM「TRPGやるべ。キャラ作って来て」


PL①「VALORANTのチェンバー作りたい」

PL②「タビットの鍛冶師で行きたい」

PL③「ガンダムAGE-FXで戦いたい」

PL④「遊戯王のディアベルスター」


ビルドに一番癖が強いのは「タビットの鍛冶師」でした。

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