問題点の発見 - 後編
改革案の骨子作成に奮闘するマコたち。しかし、突如として彼らの資料の一部が盗まれるという事件が発生。外部からの圧力と内部での軋轢。マコたちの団結力が、かつてない危機に直面する。
それでは、どうぞ。
古文書保管室の静寂を破り、マコの声が響いた。
「誰かが私たちより先に、これらの文書を見たんだ」
エリザベスが眉をひそめる。「でも、誰が...そしてなぜ？」
「今はそれを考えている場合じゃない」ヨハンが冷静に言った。「まずは我々が発見したことを整理すべきだ」
5人は急いで図書館の特別研究室に戻った。マコが行政魔法を使って、これまでの調査結果を空中に投影する。
「じゃあ、みんなの発見を共有しよう」マコが切り出した。
エリザベスが最初に口を開いた。「教育システムには大きな問題があるわ。特に、一部の授業内容が現代の魔法社会のニーズと乖離しているのよ」
「ああ」レイが続く。「学生生活にも深刻な問題がある。設備の老朽化は言うまでもなく、才能による無意識の差別まであるんだ」
ミーナが小さな声で付け加えた。「それに...多くの学生が不満を抱えているのに、表に出せずにいるの」
ヨハンが腕を組んで言った。「学院の運営システムも問題だらけだ。予算の配分が非効率的で、一部の管理職に権力が集中している」
マコがうなずく。「そして、最大の問題は、現在の学院の方針が創立時の理念から大きく外れていることだ」
議論が白熱する中、突然ドアがノックされた。
「失礼します」
入ってきたのは、若手教師のミランダ・キャストだった。
「みなさんの調査、素晴らしい成果を上げているようですね」彼女は微笑んだ。「実は、私たち進歩的な教師陣も、長年改革の必要性を感じていたんです」
マコたちは驚きの表情を見せた。
「でも」ミランダは表情を曇らせる。「気をつけてください。あなたたちの活動に危機感を抱いている人たちがいます」
その言葉に、部屋の空気が一瞬凍りついた。
ミランダが去った後、5人は対策を練り始めた。
「行動を慎重にしなければ」エリザベスが言う。
「いや、それこそ奴らの思う壺だ」ヨハンが反論する。「より大胆に動くべきだ」
意見が割れる中、マコが新たな提案を持ち出した。
「みんな、行政魔法の新しい応用方法を思いついたんだ」
マコの説明に、全員が目を見開いた。学院システム全体を可視化し、最適化できる可能性があるという。
「でも、それって危険じゃない？」ミーナが心配そうに言う。
「確かに大きな力だ。だからこそ、慎重に扱わなければならない」マコが真剣な表情で答えた。
その夜遅く、マコは一人で新しい魔法の実験を行っていた。複雑な魔法陣が部屋中に広がり、学院全体の構造が立体的に浮かび上がる。
「これは...！」
マコは息を呑んだ。学院の隠された構造、情報の流れ、そして力関係まで、すべてが明確に見えたのだ。
翌朝、マコは興奮冷めやらぬ様子で仲間たちに報告した。
「信じられないわ」エリザベスが感嘆の声を上げる。
「これで改革の具体的な道筋が見えてくるな」ヨハンが満足げに頷いた。
しかし、彼らの高揚感は長くは続かなかった。
「おい、見てくれ」レイが窓の外を指さす。中庭に大勢の上級生が集まり、何やら騒いでいる。
近づいてみると、「改革反対！」「伝統を守れ！」といったスローガンが聞こえてきた。
「まずいな」ヨハンが眉をひそめる。「俺たちの活動が知れ渡ったようだ」
その時、一通の手紙が彼らの元に届いた。開封すると、中には不吉な警告が。
「調査はここまでにしろ。さもなければ...」
5人は顔を見合わせた。プレッシャーは確実に高まっている。
「どうする？」レイが不安げに尋ねる。
「...続けるわ」エリザベスが決意を込めて言った。「ここで諦めるわけにはいかない」
マコはうなずいた。「そうだね。でも、もっと注意深く行動しないと」
その日の午後、彼らは学院の中庭で思いがけない人物と遭遇した。
「よく頑張っているわね」
セレナ・ヴィジョンメイカーだった。王国の預言者が、なぜここに？
「あなたたちの行動は、学院の枠を超えた影響を持つかもしれない」セレナは神秘的な微笑みを浮かべた。「でも、それは祝福であると同時に、大きな責任でもあるのよ」
彼女の言葉の意味を探ろうとする間もなく、セレナは風のように去っていった。
その夜、マコの寮部屋に5人が集まった。壁一面に貼られた資料や図表。机の上には積み上げられたレポートの山。
「さて、これまでの調査結果をまとめよう」マコが言った。
夜が更けていく中、彼らは必死に改革案の骨子を作り上げていく。意見の対立あり、予想外の発見あり、時には笑いあり。寝食を忘れて作業は続いた。
夜明け近く、ようやく一つの形になった改革案。
「やった...」レイが疲れた声で言う。
「素晴らしい内容よ」エリザベスが満足げに頷く。
「うん、きっとこれで...」ミーナが小さく微笑む。
「悪くないな」ヨハンも珍しく褒めた。
マコは窓の外を見た。朝日が昇り始めている。
「これが、新しい学院の夜明けになるといいね」
5人は疲れながらも、達成感に満ちた表情で顔を見合わせた。しかし、その瞬間、
「あれ？」ミーナが不安そうに言う。「さっきまでここにあった資料が...」
確かに、机の上の重要な資料が一部なくなっている。
「まさか...」
部屋の空気が一瞬で緊張に包まれた。彼らの苦労の結晶である改革案。それが何者かの手に渡ったかもしれないのだ。
新たな難関が、彼らを待ち受けていた。
初作品です。
いままでは、転生物の読む専だったのですが・・・
本作品の大部分は、「Claude 3.5 Sonnet」を活用しております。そのため、いろいろとおかしい展開になったり、おかしい発言になっていたり、おかしい表現になっていることが多々あると思いますが、初投稿であることも含めて、柔らかなご対応をお願いいたします。
