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ケンのターン6

とりあえず今日の分の検査を終え、自分の病室に戻る。

頭と身体を落ち着かせるため、少しの間、目をつむる。視界からの情報がシャットアウトされるため、数分間そうしていると、頭の中でぐるぐるとしていたものが少し解消された気がした。


ジュニに検査が終わったことを報告すると、今から病室に行くとの連絡があった。

ジュニはすぐに病室まで来た。こいつも落ち着かなくて、ずっとこの辺りをうろちょろしていたのだと思った。

「悪いね。せっかく見舞いに来てくれたのに、検査だなんだで待たせちまって」

「ああ、それはいいんだ。身体の方は大丈夫なのか」

「うん。別に特段どこか痛むわけでもないし、おれは検査入院ってとこだろ」

「そうか。それは不幸中の幸いだな...」

少し間が空いた。ジュニが何か切り出そうとしていることは分かる。

よほど言いにくいことを言うつもりなのか、自分でも何を言おうとしているのか整理できていないのか、微妙な沈黙と今までのおれらの間にはなかった気まずさがこの場に漂っている。

「サヤカのことなんだけどさ。お前はもうあんまり話とかするつもりはないかもしれないんだけどさ、少し余裕があったらさ、あいつとも話をしてやってくれないか」


どうしてお前がサヤカのことをそんなに気にかけている?サヤカはやっぱり何かおれに言いたいことがあるのか?こんなところまで来て、わざわざおれに声をかけてきたくらいだ。何か、はあるんだろう。

周りから状況の分からない話をいろいろとされて、少しイライラし始めてしまっていたが、ジュニは見舞いに来てくれたわけだし、自分を落ち着かせる。

「お前は何を知ってるんだ?何か知ってるならお前からも少し教えてくれよ」

また少しの沈黙の後、

「サヤカはまだお前のことを気にかけてる。色々あるんだと思う。」

サヤカがおれを?なんで?振ったのはあいつだろ?

突然の言葉に困惑するが、昨日の午前中、サヤカと会った時のことを思い返す。

サヤカと話せる状態になったら、会いに行ってみよう。おれの中でどうしようか迷っていたことの背中を押された気がした。思い返すと、この男はいつもこういう奴だった。

そろそろ時間も遅くなってきたので、付き合いは長いが未だつかみ所のない友達を家に帰す。

ちょうど届いたいつもと変わらない病院食も、今日はいつもよりおいしかった気がした。

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