躑躅は頬紅の如く
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
雨音と暴風雨が下敷きになってます。
でも読まなくても全然通じると思います。
この前の大都会の話も書きたいなぁと思う幻想奇譚。
渡は鬼いい子なので、そんなものは意に介さず!!
私はある方とのお約束を守る為、とある社を訪れる事に決めました。えぇ、最初は全く予定していなかった事で御座います。ただ、大都会の人混みに目を回していた時に、ふと脳裏を過ぎったのです。濃い赤紫の大群の山々が。何だかあの方にお呼ばれしている気がして、私は駆け出しました。
予想的中と言ったところで御座いましょうか。出口を出た途端に、真っ先に看板が目に入りました、『躑躅祭』の文字。此処でも赤紫を求めて人が川のように流れて行きます。幸いだったのは、先程訪れた大都会と異なり、一定方向に進んで行くところ。天の川の様に、ただ真っ直ぐに。良かった。私と願いを持つ同胞の方々。貴方方のお陰で、今度は目移りせず、目を回さず、きちんと辿り着けそうです。
私はその流れの一部となって、川を作る事に致しました。神社への細道を抜け、鳥居の前に立つと、多くの出店が。お祭りとはよく仰ったもので、沢山の方々が賑わいを見せております。その後ろをそろそろと通り抜け、見えたもの。私が本日求めていたものが。
赤紫の波風。一つ一つの木々にみっちりと花弁が詰まって、一つの大きな花束を見ている様です。それが幾重にも寄り添い合って、花束を作っておいででした。この間訪れた時には、少々気が早かったのに、もう開花の時期。時が経つのは早いものです。
私はそれを遠目に拝見しながら、列へと並びます。遠くから聞こえる太鼓と鈴の音。よもや何か催事が? ですが此処からでは何一つ分かりません。もしかしたら、何一つ起きて無いのかも知れません。ふふふ。何だかんだとても、あの方らしい。
「おい」
そう、一人横隔膜を震わせていると、真後ろからお声が。えぇ、以前私と約束をなさって下さった方。『また参ります』というお言葉を捧げたお方。振り返ると、腕を組んで、少々不機嫌そうに此方を見据えておりました。
「こんにちは、飆靡様。花の咲く時にもう一度失礼させて戴きましたよ」
「ま、呼んだからな。感謝しろよ」
少しだけ口角を上げて笑うと、少しだけ首を傾けました。
やはり、お呼び下さった様です。基本的に無愛想で、あまり笑顔を浮かべては下さらない方では御座いますが、今日は特別。それは咲き誇る躑躅のお陰か、はたまた御祭のお陰か。いいえ、心根のとてもお優しい方々なのです。ならば私もと、それに習って笑顔を浮かべます。
「飆靡様、飆靡様、またお邪魔しても?」
「あ゛ー!! 調子狂うな!! 勝手にしろ!!」
短く跳ね回るくせっ毛を掻き回し、鋭い歯を鳴らしながら、貴方様はとろりと溶けてしまいました。えぇ、でも。消える時に見えた頬はこの躑躅の様。貴方様の頬の色。とてもいじらしくて、愛すべきお方。
飆靡様の性格的に
内心動揺してくれないと、弄り甲斐がない。
嫌われるの前提で悪戯してるところがあります。
故に、こうベタベタな好意を向けられると、慣れて無いので調子狂います。
『思ってたのとちげーじゃねぇか!!』
ツンデレのツンが通じないならデレるしかねぇよなぁ!!
まぁ、ほら、好かれようが嫌われようが、気に入ったら傍に置くタイプなので。
むしろ嫌いな相手を好きにさせるのに燃えそうなので。
基本的に話は引き摺らない質ですが、相手が楽しみにしているのなら話は別。ちゃんと覚えて縁を結びます。
渡が行った大都会の話。
プラネタリウム行って、うとうとして、ぽやぽやちゃんのままに人酔いした話。
書きたいなぁと思います。ガッツがあれば。
また話すことあった気がするので、後日。
今は忘れました( ᐙ )