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異女子  作者: 変わり身
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「信号機」の話

正直、この御魂橋という街は『異常』がよく発生する街だと思う。

四六時中あっちこっちで見かけるという程ではないにせよ、二・三日に一回くらいの頻度で何かしらに遭遇するのだ。


オカルトが見えるようになったのは最近だし、他の街との比較が出来る段階にはまだないけど、多い方だろこれ絶対。

それとも霊感持ちの日常ってそんなもんなんだろうか。ただのか弱い美少女にもどして。


命の危機に陥るようなヤツはもとより、例えそうでなくともふとした時に『異常』を発見してしまうのは精神的にだいぶクるものがある。

単純にビクっとなるのもイヤだが、なにより日常と非日常の境目が歪んでいると分かるのが本当にイヤ。


そう、例えば――私が今見上げている信号機である。


私の通学路途中に生えている何の変哲も無い歩行者信号機の一本であり、小さな頃から見慣れた日常の一風景。

そこに混じり込んでいた『異常』を唐突に見つけてしまった時、私は心底ゾッとした。



「……ずっと前からこうだったのかなぁ、これ……」



溜息と共に呟き、伏せた目の端でそれを見る。


その『異常』は、とある交差点の歩行者信号機の中にあった。


いわゆる止まれの赤信号。その真っ赤なレンズの内部には棒立ちの白い人型のシルエットが浮かび、その両横に待ち時間を示すバーが表示されている。

それだけ見れば、よくあるちょっと良い信号機でしかないのだが――問題はその人型のシルエット。


……端的に言えば、動くのだ、この白いヤツ。


ぴょこぴょこと、ひょこひょこと。

本来であれば、ただ突っ立っている姿しか見せない筈のものが、暇そうに伸びをしたり、屈伸をしたり、跳躍をしたりと中々アグレッシブに動き回る。


最初はそういった新型の信号機なのかとも思ったのだが、他の信号待ちの人々はまるで気付いた様子が無い。これが視えているのは私だけであり、みんなはごくごく普通に過ごしている。

日常と非日常が共存する街角――いやもう、ほんっとやめてくれ。



「あー、やだやだ……」



赤信号のレンズの中で、白いシルエットがいっちにーさんしーと体操をしている。

なんだか可愛らしく見えなくも無いが、私にとっては気味の悪さが上回る。


もっとも、彼(いや彼女か? 知らん)が何をするという訳では無い。

この存在に気付いて数日経っているが、ヤツはただレンズの中で動く姿を見せるだけのようだった。


『足の裏』のような実害はなく、インク瓶に泣きつく程の危機感もなく。

猛獣タイプ小鳥タイプの後者という事で、私は自分からこいつに何かをする気は無かった。藪をつついて蛇を出すのは勘弁なのだ。



「…………」



信号が青になり、カッコーカッコーと電子音が流れる。


白いシルエットは青レンズの中でも変わらず元気そうだ。それが赤レンズのシルエットと同一の個体なのかは分からないが、赤信号の時だけの存在では無い事は確かだった。


私は努めて信号から視線を外しつつ、横断歩道をとぼとぼ歩く。

そうして渡り切る直前にちらとシルエットの様子を窺えば、横になって居眠りしていた。

それ赤の時にやるべきやつじゃない……?





次の朝。

登校途中に件の信号機を確認すると、シルエットはやはり元気に動いていた。


……その内に自然消滅してくれる事を期待しているんだけど、なんか無理そうな気配。

赤信号の中でコサックダンスをしているヤツの姿にまた溜息を吐き、ぼんやりと信号を待つ。朝から何見せられてんだろね。


そうして待っている内に青となり、普通に横断歩道を渡る。

私はそれきり信号機を見る事も無く、足早にそこから離れ――。



「ああ、ちょっと待ってちょうだいね……」


「……?」



その時、ふと背後から呼び声がした。


思わず振り返れば、横断歩道の途中あたりに杖をつくお婆さんが歩いていた。

そして信号機はチカチカと明滅を始めており、待ち時間のバーも残り僅か。どうやらさっきの呼び声は私ではなく、信号に向かってのものだったらしい。

見るとシルエットも「えっ、オレ?」みたいな感じで自分を指差していた。



「あぁ、ごめんなさいね。すぐ、すぐに渡りますからねぇ」



とはいえお婆さんの歩みは遅く、信号が変わるまでには到底間に合うまい。

まぁ仕方無いというのもアレだが、これを急かすような人も居ないだろう。

私は内心でお婆さんにエールを送りつつ、ハラハラと明滅する青信号を眺めた、のだが。



「……お、おぉ」



――そこでは、シルエットが待ち時間バーを必死に引っ張り、抑え留めていた。

そのせいなのか何なのか、いつまで経っても信号が赤に変わらない。いいのかそれ。


それはお婆さんの横断中ずっと続き、渡り終えたのを見計らってからやっとこさバーが解放された。

赤信号のレンズの中でシルエットが疲れたように尻もちをつき、汗を拭う。



「どうも、待ってくれてありがとうねぇ」



お婆さんはそう独り言を呟くと、まるで信号機を労るようにその支柱を撫で、立ち去った。

シルエットの事は視えていないようだったので、単純に物を大切にするお婆さんだったのかもしれない。


撫でられたシルエットは暫くボーっとした様子だったが、やがて興奮したように飛び跳ね始めた。


まぁ、初めて褒められたんだろうな。

私は生暖かい目で信号機を眺め、今度こそスタコラその場を立ち去った。





次の朝。

やはりシルエットは今日も今日とてそこにあり、自由気ままに飛び跳ね回っていた。


……いや、気ままにではないかもしれない。

今日のヤツは適当に動き回っていたこれまでとは違い、明確な目的を持って動いているように私には見えた。



「旗……?」



そう、青レンズの中のシルエットの手の先に旗の形が形成されており、パタパタとそれを振り回しているのだ。

まるで――横断旗を持って子供の登下校を見守る、善意の誘導員のようだった。



「……オカルトのくせに何してんの」



昨日のお婆さんとの一件で感じ入るものでもあったのだろうか。

私は困惑とも呆れともつかないものを抱きつつも、シルエットの誘導通りに横断歩道を渡る。


他の通行人に対しても同じように旗を振り、信号の点滅時に駆け込んできた者に対しても、昨日と同じく待ち時間のバーを抑えてやっていた。

どうやら本当にこの交差点の通行人を助けているようである。


……とはいえ、私以外の人にその頑張りが映る筈も無し。

当然通行人達は礼どころか何一つの反応すら無く立ち去っていくのだが、シルエットはそれでもどこか満足そうに見えなくもない。



「…………」



だから、という訳ではないけれど。

横断歩道を渡り終えた私は、信号機とのすれ違いざま、その支柱をぽんぽん軽く叩いておく。

そのまま立ち去った背後から、「カコッ」という驚いたような電子音が小さく鳴った。





それからもシルエットは横断歩道の通行人を守り続けた。


やはり私一人しか気付く者の無い報われない善行だけど、本人(本シルエット?)的にそこらへんはどうでも良いらしく、毎日精力的に旗を振り回している。

登下校時に見かけるごく短時間での話なので、見てない時に何してるかは知らないが。


私も私でそんな光景に慣れつつあるのが気持ち悪い。

というか向こうの中では私はもう顔見知り扱いになっているらしく、こちらを見つける度にピコピコ手を振ってくるようになってしまった。無視無視。

かといって中途半端に目を離すのも何だか怖く、この交差点を避ける事も出来ないでいる。


……こいつこのまま完全に日常風景の一部になっちゃうんかな。

私は酷く憂鬱な気分を抱えながら、今日もまたいつものように騒ぎ回っている赤信号の前に立ち、



「お……」



すぐ横側を、人影が通り過ぎた。

片手にスマホを持った、どこにでも居そうな若い男だ。彼は車の流れが途切れるや否や、青信号を待つ事なく横断歩道を走り渡った。



「あぶないよなぁ、ああいうの……」



紛れもない信号無視。

おまけに走っている最中もずっとスマホを弄り続けているようで、危険と違反が更にドン。

昨今において珍しい光景ではないとはいえ、見る度ちょっぴりギョッとする。


ちらりとシルエットの様子を窺えば、奴も慌てた様子でわちゃわちゃしていた。


なんかスマホ男に文句やら注意やらやってる雰囲気であるが、まぁ伝わる筈も無い。

信号機を一瞥すらせず走り去るスマホ男にシルエットは悔し気に地団駄を踏み、そこで青信号に切り替わる。


……あと数秒くらい待てなかったもんかね、あのスマホ男も。

青信号の中でも変わらずじたばた暴れ続けるシルエットを眺めつつ、私はそそくさ立ち去った。






その次の日から、シルエットは誰も見てない無意味な旗振りを控え、待ち時間バーを操作しての駆け込み妨害のような、直接的な干渉をよくするようになった。

どうやら交通違反者への対処に力を入れる事にしたらしい。


とは言っても、進んで違反をするような奴らがそんなので止まる筈も無い。

突然の事に小首は傾げども、それ以上は何も気にせず赤信号を渡って行く。


特に酷いのが、件のスマホ男である。


私も驚いたのだが、ヤツは本気で信号機を見ない。徹頭徹尾見ない。

周囲の音と雰囲気のみで横断が可能かどうかを判断しているらしく、シルエットの奮闘どころか存在自体が本当の意味で無価値となっていた。

……流石の私も、ちょっと気の毒になって来る。



「ほっときゃいいのに……」



ああいう輩はどうせ何したって止めやしないのだ。

真面目に相手するだけ損なのだから、いつか警察に捕まれとか事故に遭えとか祈りつつの不干渉が正解である。


まぁオカルトのシルエットに、そこらへんの流し方は理解できないのだろう。

そうして、シルエットの不毛な頑張りはそのまま数日ほど続き――。


――それが起こったのは、そんなある日の事だった。





その日の私は、少しだけ足の調子が悪かった。


言うまでも無く、『足の裏』の後遺症だ。

傷自体は既に完治しており、剥がれた皮は痕も残らず再生している。しかし短期間で治ったのがあまり良くなかったのか、新しく張った肌がピリつく時がままあったのだ。

傷の治りが早い身体も善し悪しである。


こればかりは慣らして治すしかないとの事なので、私はリハビリがてら、のたのた登校していた。

一歩一歩踏み出す毎に走る、まるで長時間正座した時のような痺れ。

そんなこしょばゆさに呻く内、件の横断歩道に差し掛かる。


信号機のランプは青ではあったが、チッカチッカと明滅中。

正直今の足で走るのは遠慮したかったので、渡る事なくそのまま待機。大人しく次の青信号を待つ事にした。



「今日もうるせー」



そうしていつも通り跳ね回っているシルエットを眺めていると、ふと私の横に人影が立った。


なんとなく横目で見れば、それはいつかのお婆さん――初めてシルエットを褒めた、杖を突いたお婆さんであった。

シルエットも彼女に会えて喜んでいるのか、暴れ方も興奮混じりの五割増し。マジうるせー。



「おはようございます、どうもねぇ」


「え? はぁ、どうも……」



お年寄りらしくフランクに挨拶をされたが、顔見知りという訳でも無い。

軽く会釈を躱した後、会話が弾む事もなく。その内に赤信号となり、信号待ちの人数も増えていく。


まぁ、いつも通りの光景だ。

私は車道を行き交う車の数を何となしに数えつつ、大きなあくびを一つ漏らして、



「――あっ」



とん、と。

突然、お婆さんが押されたように大きく前へと倒れ込む。


いや、実際に押されたのだ。

例によって例の如く、車道の空白を狙って背後から飛び出してきたスマホ男によって。



「っ、ぶねっ!」



私は反射的にお婆さんの腕を掴み、歩道の方へと引き寄せる。

しかし足の痺れによって咄嗟の踏ん張りが効かず、逆にお婆さんの方へと引っ張られた。嘘だろ。


そうして共に車道へ倒れ込む最中、目の前には走行するゴミ収集車が迫り――。



「――んぬあああぁぁぁぁぁッ!!」



いや死ねるか!!

私は大きく足を踏み出し、限界まで股を開いての超前傾姿勢。強引に転倒を防ぎ、お婆さんの身体を必死になって抱き寄せた。


あんまりにも無理な姿勢に股関節が悲鳴を上げたが、この頑丈な身体はどうにか耐えた。

ので、更にそのまま力を込めて、跳ねるように後ろ飛び。目の前を通過するゴミ収集車に冷や汗を散らせつつ、お婆さんを抱えたまま歩道の側へと転がった。



「んいっ――たぁぁぁぁぁ……!!」



打ちつけた背中が痛い。無理した股がすんごく痛い。そんで足の痺れも超ヤバい。

そうして涙の滲み始めた私の視界に、走り去るスマホ男の背中が見えた。


あの野郎、この期に及んでまだスマホを見てやがる。

菩薩と名高い私もこれには堪らずブチ切れた。



「このッ……! 危ないだろお前ぇ!! おい待て逃げんな! おい!! バーカ! バーーーカ!!」


「ああ、いたたた……あ、ありがとうねぇ、お嬢ちゃん」



逃げるスマホ男に向かい、とっても上品かつ豊富な語彙で罵倒していると、私の腕の中からよろよろとお婆さんが起き上がる。

……見た感じ、大きなケガは無さそうだ。強く引いた腕も痛めた様子は無く、私も安堵の息をひとつ吐く。


そして慌てて駆け寄って来た他の通行人の手を借り立ち上がった時には、既にスマホ男は跡形も無く消えていた。



「マジで逃げやがった……あんのやろ……!」


「まぁまぁ、お嬢ちゃんのおかげでケガも無かったから……落ち着きましょ。ね?」



激怒に震える私の背を、お婆さんがポンポンと撫でる。


……まぁ、奴を追いかけようにも足の痺れが収まらない。

お婆さんに免じて、今この場は矛を収めておいてやろうじゃないか。美少女は心も広いのだ。


私は滾る怒りを抑えつつ、大きな深呼吸を繰り返す。そうして空を仰いだついでに、きっと私と同じく怒り狂っているだろうシルエットの様子をチラリと窺って、



「……あれ?」



しかし、その意外な程に静かな姿に、思わず声が漏れた。


予想では以前のように、じたばたと地団駄を踏んでいると思ったのだが――それとは逆に、ただ佇んでいた。

まるで普通の信号機のそれのよう。ヤツは直立のまま、微動だにせず――。



「……、……」



気付いた。

あれはただ直立しているのではない。頭だけが横を向き、別の方向を見つめている。


顔の無いシルエットなのに何を言っているんだと自分でも思うが、分かるものは分かるのだ。

だって白塗り一色だった頭部に、二つの黒点が増えている。それらが片側に寄り、明確な視線を形作っている。


――そう、目だ。黒点の眼球がシルエットの中に生まれ、ただ一点をじっと睨みつけていた。

そしてそこは、スマホ男が走り去った方角だった、筈で。



「……あー、お婆さん。ほんと大丈夫でした? アレだったら、警察とか救急車とか……」


「いいえぇ、怪我も無いし、そんな大事にしなくて大丈夫よぉ。それよりええと、杖はどこ行っちゃったかしら」



すぐにシルエットから視線を外し、白々しくお婆さんへと話しかけた。

それきり信号機に視線を向ける事も無く、私はお婆さんに付き添う形で青信号の横断歩道を渡り切り、そのまま別れて立ち去った。






――そして、次の朝。


私が横断歩道に着いた時、そこには丁度彼が居た。


相も変わらず手元のスマホに視線を落とし続ける、スマホ男。

昨日の今日でこの場に戻って来れるそのクソメンタルに呆れ果て、私の美しい顔がぐんにゃり歪んだ。


本音を言えば突撃して後ろっから蹴っ飛ばしてやりたいが、それをしたら昨日のスマホ男と同じである。

だが文句を言うくらいは許されるだろう。あわよくばビンタも。


私は右腕でスイングの練習をしながら、のっしのっしとスマホ男の背中に近づき――途中、ぴたりと歩みを止める。



「…………」



信号機を見上げた。

光る歩行者用の赤信号の中で、シルエットが静かに直立している。


いつものように、動き回る様子は無い。

白の中に浮かぶ二つの黒点で、ただただスマホ男を見つめ続けていた。


……さっき刻んだ足跡を、後ろ歩きでなぞり戻った。



「…………」



今のところ、信号待ちをするものはスマホ男しか居ない。

他の通行人は私以外に見当たらず、また通りがかる様子も無い。まるで、そうなるように誰かが調整したかのように。


……また赤信号に目を向ける。

シルエットの隣にある待ち時間のバーは、先程から全く動いていない。



「……、……」



車道を行き交う車の音が、やけに大きく耳に響いている気がした。

特にいつもと変わらない交通量の筈なのに、どうしてだろう。胸がざわつき、胃の底が冷え込んだ。


すると乗用車とバイクの軽い音の中に、重厚感のある音が混じり始めた。

長距離輸送のトラックだろうか。小さくない排気煙を上げ、こちらに近づいて来るようだった。



「……ッ」



信号を見る。

まだ赤信号。


車道を見る。

渡れる空白など無い。


最後にスマホ男を見る。

未だスマホに目を落とし、動き出す気配は無い。


何も、何も問題は――。



「カッコー」



……突然、電子音が鳴った。


青信号である事を知らせる、聞き慣れた音。なんだけど。

それはスマホ男にとってもそうだったらしく、顔を上げないままごく自然にその一歩を踏み出して、



「あ」



――轟音。後、ブレーキ音。


幾つもの激しい騒音が周囲一帯を劈き、スマホ男の姿が私の視界から掻き消えた。



「…………」



急ブレーキをかけたトラックが少し先で停車し、運転手が慌てて降車。すぐに車体の前方に回り――ひきつるような絶叫を張り上げた。


一体、何を見たのだろう。

私の位置からは何も見えず、何も分からない。


そして自分から分かりに行く気も無く、そのままそこに立ち尽くす。



「…………」



視線を感じた。


未だ()のままの歩行者信号――。

その中のシルエットが、じっとこちらを見つめていた。


やはり動かず、電子音も無い。

ただ二つの黒点で私を捉え、何かを待っているようだった。



「…………」



徐々に周囲が騒がしくなり、野次馬が集まり始める中。私はくるりと踵を返す。

横断歩道は渡らない。振り返りもせず、ただ通学路を遡る。



「カッコー」



その時、背後で鳴った呼び止めるようなその音を、聞かなかった事にした。






――以降、私は通学路の道を一本変えた。

当たり前すぎて改めて語る意味も無い顛末である。さもありなん。



主人公:この街の良い所は、道と橋が多くて通学路変えるのが簡単な所だよねと思っている。

杖のお婆さん:街中で主人公と会う度に世間話するようになった。


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