四月は“大人が徹夜で祈る”
さあどんどん話を進めるぞ。モンちゃん、超楽しい~♪
四月の祭事の主役はシンテオトルとチコメコアトルの二柱の神だ。どちらもトウモロコシの神格と言われている。
ん? シペトテックがいるのに、さらに追加とか、トウモロコシの神が多すぎやしないかだと?
そりゃあトウモロコシは我が国なの主食であるし、そういう意味では一番身近な神でもあるな。一番御機嫌を取っておきたい神でもあるが。
その二柱への祭事だが、まず若い男が四日間の断食を行って身を清め、それから血を採取して神殿に捧げられる。
一方で、若い娘は神殿をくまなく清掃した後、トウモロコシのお粥を奉納する。
さて、ここからが重要だ。豊穣を祝う祭事の根幹と言ってもよい。
まず、二柱の神の座する神殿より、トウモロコシを運び出す。このトウモロコシは前年に収穫してあった物で、それからずっと神殿に留め置かれた物だ。すなわち、神の息吹を最も受けた、聖なるトウモロコシというわけだ。
その聖なるトウモロコシを、今度は各所にあるトウモロコシの倉庫へと移す。神の力を得たトウモロコシは力を循環させる心臓となり、今度は倉庫の中のトウモロコシも神の力を得るという寸法だ。
トウモロコシを介して、神の力を“分祀”するとでも思っておればよい。
こうして、次なる収穫においても豊作が約束されるというわけだ。
そして、種まきの時期が来ると、畑の中で二柱に神楽を奉納する。皆で歌い踊ることにより、蒔いた種が無事に芽吹くよう大地に活力を与えるのだ。
もちろん、生贄も忘れてはならんぞ。心臓を捧げ、大地に血を吸わせることにより、更なる豊作を神々にお願いするのだ。もちろん、生贄は捕虜や奴隷であるから問題ないぞ。
これにより、我が国は更なる繁栄を得ることとなるのだ!