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三月は“子供が徹夜で祈る”

 さあ、どんどん話していこうぞ。モンちゃん、絶好調だよ~♪

 三月の祭事はまたまた水を司る神々に祈りと供物を捧げるが、この月の主役は何と言っても、地母神コワトリクエだ。

 このコワトリクエという神は、生死を司る強大な力を持つ神だ。それに神々の中でも、特に恐ろしい姿をしておってな。無数の蛇をその身にまとい、更には人の腕や頭蓋、心臓を装飾品とし、それらで着飾った姿をしておるのだ。

 おどろおどろしい姿をしているのに、どこが女神なのだと?

 たしかに、コワトリクエは見た目は怪物そのものと言っても良いかもしれん。しかし、だ、そんな見目恐ろしき女神であるが、何事も見た目で判断してはならないぞ。なにしろ、コワトリクエには他の神々に伝わるような荒々しい所業が見当たらぬ、心優しい神であるからな。

 まず、この女神は花が大好きだ。だから、三月の祭事においては、コワトリクエの神殿には花束を奉納するのが慣わしだ。皆がせっせと花を組み合わせ、それを優しき女神に捧げる。

 もちろん、子供も生け贄として奉納するから、そこは安心してほしい。

 また、子供が断食や徹夜でコワトリクエに祈りを捧げるのも忘れてはならんぞ。その真摯な子供の祈りが、女神の感情を動かし、神威を身に降ろしてくれるのだからな。

 あと、舌とか耳などから採血し、それを奉納する。奴隷の子供ではなく、我が国民の子供なのだし、このくらいで丁度よかろうて。

 こうすることでコワトリクエは子供から病魔を遠ざけ、健やかに過ごすことができるというわけだ。

 恐ろしい姿ながら、子供を守る心優しきコワトリクエに感謝を! 圧倒的感謝を!

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