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十四月は“貴重なる羽毛の紅い鳥”

 さて、この月の主役はモンちゃんが最も崇拝する神ミシュコアトルだ。ケツァルコアトルの父神であり、全身に赤と白の線の入った姿をしており、戦争と狩猟を司っている。古い言葉で“雲の蛇”、これを転じて“天の川”を意味する。我が国のみならず、他の国においても最高神として崇めている場所も多いぞ。

 そんな神を讃える祭事だ。当然、その神威を感謝するべく、大規模な狩猟が執り行われるのが習わしだ。

 まず、いつもの通り、神の化身を選定した後、選ばれた戦士達が葦を刈取ってこれを神殿に奉納する。そして、自分の血で化粧を施し、儀式に備える。

 最初の儀式は墓参りだ。ミシュコアトルは戦争の神でもあるから、戦場で散った戦士の霊を慰めるべく、墓所を色とりどりの旗や武具、様々な羽毛などで鳥のごとく飾り立て、その栄誉を称える。同時に、狩りの成功を祈るのだ。

 そして、戦士達は狩りを始める。なお、十四月の狩猟は神に捧げる特別な儀式という位置付けがあるので、戦士は身を清める意味で飲酒や性交が禁じられている。禁を破りし違反者は、儀式を汚した罪で即斬首だ。

 山に分け入り、獲物を求めるのだが、まあ、そうそう成果の出るわけではない。ウサギなどの小さな動物が大半だ。だが、稀に鹿やコヨーテをしとめる者もいる。そうした大物を狩った者はミシュコアトルの祝福を受けし者と認識され、皆からの尊敬を一身に浴びる。

 狩りが終わると神殿にて獲物を奉納し、さらに奴隷を生贄として、心臓を抉り出す。もちろん、神の化身の心臓を抉るのを忘れてはならんぞ。

 あと、獣を狩って奉納するという儀式であるから、生贄もまたそれに倣ったやり方にしなくてはならない。獣のように殺すというのが作法で、縄で手足を縛ってから心臓を抉るという手順を踏まねばならないから注意してほしい。もっとも、それは奴隷にだけ適応されるやり方で、神の化身は普段の生贄のようにやってしまってよいぞ。

 そして、最後に捧げられた“獣”の肉を皆で分け合って食べつくし、そこで儀式は終わる。

 どうだ。中々に情熱がほとばしる儀式であったろう?

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