十一月は“掃除をする”
モンちゃん、この月も大好きだぞ。なにしろ、トウモロコシが最も多く収穫できるのは、この十一月なのだからな。
十一月の祭事の主役は老女の姿をした女神トシだ。こやつは蒸風呂の守護神で、皆から崇拝されている。
なにしろ、蒸風呂は病を癒すのに使われるからだ。病人はもちろんのこと、妊婦や赤ん坊など、これによって健康を維持するのだ。
そんな治療施設の守護神である。敬われるのは当然であろう。
女神トシに敬意を表し、至る所で大掃除が行われ、身奇麗になる。特に水路の掃除は大切で、澱んでしまっては大変であるから、徹底的に掃除される。
そんな掃除に勤しむ中、選ばれし女性がトシの姿に扮し、女神の化身として皆が掃除をする中を静かに踊りながら練り歩く。八日間に及ぶ沈黙の舞踊の後、化身の女性は首を刎ねられ、心臓は神に捧げられる。
あと、忘れてはならないのは、心臓は神に捧げられるが、皮は剥いで使用する。大抵の部分は男性神官がそのまま被って使用するが、腿の部分だけは使ってならないぞ。あとでシンテオトルの仮面の材料にするからだ。
人皮を被った男性神官が各種祭礼を執り行い、十一月は綺麗に終わる。
皆ですべてを綺麗に掃除したのであるから、次なる暦も安心して進めるよいうものだ。
やはり、人間として、身奇麗にしておくのは当然のことであるからな!




