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王と客人の対面

 よくぞ参った、旅の御方よ。客人として歓迎しよう。

 私の名前はモンテスマ。この国の王である。我が繁栄の都テノチテトランによくぞ参られた。遥かなる海を遥々越えてやって来たそうな。さぞ長旅でお疲れのことであろう。

 ささ、堅苦しいのは抜きにして、楽にしてくれたまえ。そうだな、私のことは気軽にモンちゃんとでも呼んでくれて構わんぞ。

 まずはお互いの出会いを祝し、奴隷を五万人ほど生贄に捧げて祝おうではないか!

 え? いらない? それは残念なことだ。

 我が国ではそれが当たり前なのだがな。

 太陽は天に向かって登り、そして、地に向かって沈む。だが、それは世界の滅亡を意味する。ゆえに生贄を殺し、心臓を捧げることにより、太陽に再び活力を与え、再び天へと昇る力を付与する。活力を蘇らせることにより、世界の破滅を先延ばしにしておるのだよ。

 そう、一年三百六十五日、休まず毎日だ。

 一日でも怠れば、太陽は活力を失い、世界は破滅へと突き進むことになりかねないからな。

 ほう、おぬしの故国でも、一年は三百六十五日であることを知っておったか。ふむふむ、中々に優秀な国であると感心するよ。暦を知らぬ馬鹿者と話すなど、文明人のすることではないからな。

 しかも、一年を十二の月に分けておるとな。つまり、一月を三十日とし、それで一年を構成している、と。なるほどなるほど、そこは我が国と違うな。

 我が国では一月を二十日と定め、合計十八の月と、いずれにも属さぬ“余計な五日”を以て一年と成しているだ。

 我が国ではいくつもの神が存在し、十八あるそれぞれの月には祀る神も異なる。当然のことながら、祭事の方法、生贄の作法も違っている。

 よろしい、折角であるから、我が国を良く知ってもらう意味においても、御客人には我が国の祭事や風習、生贄の作法についてお話しするとしよう。

 ああ、緊張なさらずとも結構! そう長くなる話でもないからな。

 ほんの一日もあれば語り尽くせよう。

 さあ、では始めるとしよう。我が語りを聞き、神々と祭事と我が民族の偉大さを知るがよいわ!

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