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イドの少年
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人は平等じゃない。
そんな事は生まれながらに知っていた。
「お願い、もう辞めてよ!グレイ!」
僕は震える声で、目の前の白髪の少年に懇願する。
「はっ、何で俺が"名無し"のお前の忠告を聞かなきゃなんねーんだか、イド」
グレイは、喜々とした表情で、両の拳を打ち付けると、バチバチと火花が飛んだ。
「ほら、どけよイド」
震えている心と体を抱き締める。だけど、グレイは僕に近づくその足を止めない。間もなく彼は僕の近くまで寄って来て、いつも通りその火花を携えた拳で僕の頬を打ち据えるだろう。
僕は迫りくる痛みを創造して硬く目を閉じた。そして僕が"名無し"と呼ばれるきっかけとなった日を思い出す。
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