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絶望した彼らは神殺しを決意する  作者: M.root
第一幕 半妖の剣豪
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第10話 終結

作戦は考えた。死ぬかもしれないがそれ以外に思いつかない。死ぬのは嫌だ。でも負ければどうせ死ぬんだ。ならせめてこいつぐらい倒してから死ね。やることやってから死ね!そう自分を鼓舞するが、その作戦はあまりにも頭が悪くそして無謀にもほどがあると言われてもしょうがなかった。ドラゴンゾンビは既にこちらに狙いをつけ、街を半壊させたあのブレスを放とうとしていた。だが彼は動けなかった。否、動かなかった。このままではブレスが直撃し、一瞬で燃え尽きることは分かっていたが彼は動かなかった。傍から見れば彼は諦めてしまったかに見えた。武器も折れ、なす術もなく突っ立っている。そしてドラゴンゾンビはブレスを放った。その瞬間彼の姿が消えた。彼の回避行動はあまりにも速く常人には彼の姿が掻き消えたように見えただろう。ブレスが直撃する直前に全力で範囲外ギリギリに回避。ブレスを放ち技後硬直中のドラゴンゾンビに接近。その口の中に飛び込んだ。ドラゴンゾンビは驚いて口を閉じ異物を噛み砕こうとした。その気配を感じたキュロスは一気に体内へと入り込み折れた剣を振りかざした。

「腐りきって酷い臭いだ。だがここなら攻撃が通る。【剣術】スキル・不死斬り!!!」

対アンデッドのスキルを発動。このスキルで核を破壊すれば聖魔法でなくともアンデッドを倒せる。ほとんどの場合アンデッドの核は心臓をそのまま使っている。キュロスは今いる胃から心臓に向かって斬撃を繰り出した。

「うぉぉぉぉ!!!!死ねぇぇぇ!!!」

グズグズに腐った肉が折れた剣で放った最高とは言い難い斬撃を吸収し威力はさらに低くなる。だが妖怪化したキュロスの規格外の破壊力はズバッと音を立てて腐肉を切り裂き、核を両断した。

「グギュアァァァ!!」

断末魔の叫びをあげ遂にドラゴンゾンビは倒れた。


―――キュロス・マーベルに称号『竜殺し(ドラゴンスレイヤー)・屍』が授与されました。―――


「腐臭が体中に染み付いちまった。街にもどったらまずは風呂だな。こんなので飯屋に入ったらたたき出される。」

魔力が切れて原型を留めていないかつてドラゴンゾンビであった腐肉の塊からはい出たキュロスは呟いた。妖怪化を解き元の姿に戻っている。折れた剣を鞘に戻しへばりついた腐肉を払い落とす。

「さて、戻るか。ナヴィとマスターには顔見せるほうがいいだろうな。」

キュロスはゆっくりと歩き出した。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「おい。ドラゴンの声がやんだぞ。」

「危機は去ったのか?」

「もうドラゴンいないの?」

「そうよ!誰かが倒してくれたんだわ!」

人々は口々に無事を喜びあった。

「ふう。これで終わりみたいだな。」

住民を避難させていたギルドマスターは汗を拭き、安心したように足元の岩に腰かけた。その横にナヴィが座った。

「あとはキュロスが帰って来るのを待つだけか。」

「キュロス...無事だといいけど...」

「大丈夫だ。あいつは殺しても死なねぇだろ。」

「そうだね。きっと無事だよ。」

「全く。ひどい言い草だな。」

「確かに言いすぎ―――」

今返事したのは誰だ?驚いた2人は振り返るとキュロスが立っていた。なぜか酷い臭いを発しながら。まるで肥溜めの中に突っ込んだような、もしくは死体置き場の死体のような。

「キュロス帰ってたのか!それにしても臭ぇな!何があっウオェェエエ」

「ちょっとマスターきたなウップ...汚いよ...」

その臭いに思わずマスターは昼食をリバースした。ナヴィは獣人で酷い臭いに耐性があったので耐えれたが涙目になった。

「・・・風呂入ってくる。」

「おう。そうしrオロロロロロロrr」

マスターは朝食もリバースした。

我ながらひどいオチですね。

ペタ攻防戦はこれにて終わりますがまだキュロスの幕は続きます。


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