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絶望した彼らは神殺しを決意する  作者: M.root
第一幕 半妖の剣豪
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第9話 死闘

キュロスが考えた作戦はこうだ。まずペタを狙っているドラゴンゾンビの意識を自分に向けてペタが狙われないようにする。次にブレス発動直前に奴の口を閉じ暴発させる。その後消耗したドラゴンゾンビをボコボコにするという簡単な作戦だ。作戦自体は簡単だが実行するには余程の実力が無ければ完遂どころか実行に移すことさえできないだろう。ドラゴンゾンビの意識を自分に向けるとは自ら死地に飛び込むようなものだ。数十以上の、それもかなり手練れのパーティーが討伐隊を作ってやっと倒せる相手の攻撃がたった1人に放たれる。1発でも食らえばアウトの攻撃を躱し、時にはいなして進む。そんな芸当ができる者はこの世界にほとんど存在しない。キュロスは卓越した戦闘センスと半妖の身体能力を駆使して身を躱し、いなし、攻撃する。しかし

「ゴフッ、ゲホッ、ハァハァ。」

キュロスも全能ではない。ドラゴンゾンビの爪がほんの少しかすっただけで肉が裂かれ、振り下ろされた尻尾の衝撃がキュロスを吹き飛ばす。自己再生を駆使してもほんの数分で満身創痍となる。唯一の誤算は

「こっちを振り向きすらしねぇ。」

彼に対して加えられた攻撃はドラゴンゾンビにとってはほとんど無意識化の物だった。

「クソがぁ!!!!」

激高したキュロスは一番近い脚に走って近づくと二刀を渾身の力で振り下ろした。

ガギィィン!!!!!

斬撃を鱗に阻まれた刃はキュロスの力に耐えきれず半ばから粉々に砕け散る。同時にゾンビ化して軟化していた鱗も割れ、腐敗した肉が露出した。

「ギュォォォン!!!」

違和感を感じ取ったドラゴンゾンビが怒り咆える。そしてゆっくりとこちらを向いた。

「まずい、どうする!?」

武器は折れ、使い物にならない。今から逃げるにしてもすくに追いつかれる。打つ手なしか。いや、ここで諦める訳にはいかない。だが...

フッとある考えを閃いた。さっきの攻撃ははじかれたがそれは鱗があったからだ。その鱗も同時に割れている。それってつまり()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?流石に体内にまで鱗がある魔物は聞いたことがない。つまり体内に入り込んで大暴れすれば良いわけだ。そう考えついた瞬間キュロスはドラゴンゾンビに向かって走っていった。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


オアシスの森の中で隠れながら見ていたその男―――ネッツ・ライトは怯えて隠れ場所から出られないでいた。

「な、な、何なんだよ。一体。くそぅ、こんなはずじゃなかったのに。」

スタンピードって言ったってただの魔物が暴走してるだけだ。この辺りに居るやつはランクも低いし、楽勝だ。とか思っていたらなんか軍隊みたいに隊列を組んでるは、無茶苦茶強そうな奴がごろごろいるは、挙句の果てにはドラゴンまで出てきやがった。這う這うの体で隠れたはいいものの腰が抜けて動けなくなった。だが今は街の中で戦わなかった自分の英断に感謝していた。もし街の中にいれば間違いなく巻き込まれて死んでいただろう。とりあえず戦いが終わるまでここに隠れておけば問題ないだろう。そう自分に言い聞かせてじっとしていた。戦いが始まって2時間、未だ終わる気配はなかった。

「君は何をしているのかな~?」

誰もいないはずの場所から声を掛けられビクッと飛び上がった。

「え?」

恐る恐る振り返ると真っ黒な衣装に身を包んだ人間がいた。顔はフードに隠れていたが背格好は子どものようだった。

「なんだ、ガキか。見て分かんねぇのか?隠れてんのさ。」

「何で~?」

「あんなバケモンどもの戦いに割って入るほどオレは馬鹿じゃねぇ。終わったころに出て行って残った方を殺しゃあ全部オレの手柄だ。」

子どもだったことに安心したのかベラベラと自分の計画を喋った。

「ふ~ん。おじさん卑怯だね。」

「ふん!最後に立ってた奴が偉いんだよ。」

「それは同感だけどさ~。・・・エイ♪」

ゆっくりと悟られぬよう近づいた彼女は後ろから魔剣を突き刺した。

「カハッ...て、てめぇ...」

「おじさんは最後まで立ってる資格はないよね♪」

返り血を浴びた彼女はにっこりと、しかし狂気的に笑っていた。魔剣に生気を吸い取られ、ネッツの体は何十年も経ったかのように年老いていた。彼女はそのまま立ち去りその場にはネッツだけが残された。ネッツは2度と返事をしなかった。

ドラゴンゾンビのイメージはラ〇シャ〇ロ〇なんですがラ〇はブレス使いませんよね...

かませ犬のネッツは死にましたが彼女は一体何者なのか。後々絡んできます。どんな関係があるか考えてみてください。


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