序章 ???
基本的に投稿は不定期です。ご了承ください。
まず初めにこれから話す物語は狂った神に運命を狂わされた7人の物語だ。後の世では彼らは偉業を成し遂げた英雄と伝わっている。
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「退屈だ。」
真っ暗な部屋のなかで彼は静かに呟いた。
「退屈すぎて死にそうだ。」
彼には全能とも呼べる力が備わっていたが、この退屈を紛らわせることはできなかった。
「人間共に神託をして勇者が魔王を倒すのも見た。馬鹿な人間共を唆して戦争させるのも見た。他に何があるだろう?」
しばらくの間彼は考え、やがて無邪気な子どものように残酷なことを思いついた。
「そうだ。能力のある奴の運命を変えて絶望する様を見てみよう。」
人間などただの玩具であると言わんばかりの言葉に彼の配下は眉をひそめた。だが何も言えなかった。傍らのテーブルに乗ったキューブを見ながらある者は歯ぎしりし、またある者は恐怖に慄いた。諫めようものならたちまちの内に同じ運命を辿るだろう。すでにここに法はなく、彼自身が法だった。
「さて、僕に選ばれる優秀な人物は誰かな~?」
ウキウキしながらどこからともなく取り出した石板を操作した。
「ふむふむ。こいつがいいかな?それともこいつかな?」
鼻歌を歌いながら哀れな人間を選んでいる。配下達はせめてもの救いとしてその者達が楽な死を迎えることを願ったが、彼らの主がそんな生易しいことをするとは到底思えなかった。
「決まった!」
例の人間達の処遇が決まったようだ。一体どう変わったのだろうか。彼らにはただ見守るしか出来ることはなかった。