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推理

『さて、訓練終わったけど何すればいい?』


ヨミ「とりあえず長官の所にいこうか」

そう言って俺には数か月ぶり、ヨミには1日ぶりの長官室に向かう。


秘書「ヨミ様、イツキ様、お待ちしておりました。お通しします」

長官室のドアを開けてもらい中に入る。


長官「1日ぶりだな、……ふむ、見違えたな。何か月かかったんだ?」


『約4か月です』


長官「そうか、なかなか見どころのある奴だな」


ヨミ「それで長官、イツキはどうしますか?」


長官「まず、ヨミ、お前がサポートして当分は手伝ってやれ。任務も国内をメインにしよう。

捜査方法や手順等は、ホルダーの中でヨミの方法が一番安定しているからな。他のホルダーは脅して情報手に入れたり、完全に捜査は任せるやつがいたりと、教えるのに向かないヤツが多いからな」

長官は頭を抱えている。長官も大変そうだな。


ヨミ「わかりました。それでは任務にあたります」


『失礼します』


『ヨミ……さん、訓練して強くなったとは思うけど、それでも人を殺せるとは思えないんだが』


ヨミ「さっき訓練室から出てきた時は呼び捨てだったのに、フフッ、……そうだね、人を殺すのは難しいね。でも、ここで殺さなければ何人も殺される。そう思うようにして。少しは勇気が出るから」

さっきは勢いで呼び捨てに出来たけど、さすがに今は恥ずかしくなってできなかった。が、ここで勇気を出さねば、ずっと「さん」付けで呼ぶ事になりそうだしな!


『んっんん。……ヨミ、どうすればいい?』


ヨミ「そうだね。私が今受け持っている案件で、すぐに決着がつきそうなやつにいこう」






『いくら一瞬で移動できると言っても沖縄はないだろ。……めっちゃ暑い』

ヨミが行き成り「あのドア」を開けて俺の背中を押したと思ったら、日本の一番南にある県にいるとは。


ヨミ「現在、完全犯罪を行っている犯人は3人殺した。出入りの激しい旅館やホテルを狙って殺人を犯しているから、まだ特定できていない。だけど、これ以上犠牲者をださない為にも必ず見つける。とりあえず、イツキの考えを聞かせてくれるかな?」

ここは少しでも使えるヤツだと思われるように頑張らなくては!


『衛星のような視点から犯行現場を視ているとの話だったけど、3人の被害者の中で犯行現場を出入りをしている同一人物はいる?』


ヨミ「10人いる。その中で死体を動かせる人物、死体はベッドや座敷から浴室まで運ばれていた。女性では時間がかかるだろうし、未来で視た10人の中で華奢な女性を外すと6名」


『……6人……。その6人が共犯……は無いか。被害者は地元の人?その6人は?』


ヨミ「被害者は、女性1人が地元、2人が男性で地元じゃない。容疑者候補の方は、6人中4人が県外から来てる。2人が地元。全員サラリーマンのようにスーツを着ていて4人が出入りが激しい。2人はほぼ泊まったら出てこない。県外から来てる1人と地元の1人がそう」


『繋がりは無い……のかな?ほぼ泊まってから出てこない2人は、部屋で仕事をしているのだろうから違うのかも?3か所で同じように部屋から出てこないなら、取引先と会うギリギリまで仕事してるんだろう。普通なら県外に出てきたらちょっとは遊ぶはず。犯人なら物色するためにも外出はするはず。地元出身で、泊まってるのに出てこない人は解らないけど』


ヨミ「いい線だね。これで容疑者は5人に絞られたね。イツキの見立て通りなら。」


『被害者の仕事等は?』


ヨミ「女性はホステス。男性2人はサラリーマン」


『男性2人はその女性の働く店に行っていた可能性は?』


ヨミ「ん~。聞いてみる」

そう言いながら、前に優を殺した時みたいにどこかと会話している。


ヨミ「うん。うん。そう。……どう?……そっか、わかった」

横でみてると完全な独り言にしかみえない。


ヨミ「店にきてたって」


『そうなんだ。ところで、さっきのどうやって話てるの?スマホも持ってないし耳にマイクもつけてないし』


ヨミ「ああ、これはコンタクトだね。目にいれてるコンタクトで目の前に情報出せるんだよ。もちろん電話も」

え、すげー。ほしい!


『俺も欲しいんだけどなんか条件あるの?』


ヨミ「んー、任務に入る前に行き成り付けるのはオススメできない。訓練室とかで慣れるまで付けないと頭痛がヤバイよ。あげなかったのはすぐ任務だったから」

そっか。んじゃこの任務終わったら訓練室に籠ろう。はやく付けたいし!ワクワク


『えっと、女性の犠牲者はホステスしてるくらいだから美人なのかな?』


ヨミ「多分?美意識は人それぞれだから。私は綺麗な人だと思うけど、顔はこんな感じ」


『なるほど、綺麗系の人だね。となると被害者の男性2人の相手をこの女性がしてた可能性あるよね』


ヨミ「あるね。被害者同士に繋がりがあった。そうなると、この女性にストーカーが入ればストーカーが犯人候補として有力だね」


『だね。自分よりも楽しそうに話しをしてた男性2人と、自分以外と楽しそうにしている彼女を許せなくなり殺した』


ヨミ「んじゃ、ここで殺人が終わるか、まだ楽しそうに話をしていた男性がいたかで変わってくるか。そして、犯人候補は地元の2人に絞られたっと」


『他の県からきた連続殺人犯の可能性もあるけど、その場合は今までの話は全部意味がなくなるし、とりあえずストーカーの線で犯人探す?』


ヨミ「そうだね。本来なら二手に別れて愉快犯とストーカーによる連続殺人で調べるのがいいんだけどね。まだ「眼」を持ってないから二手に別れると連絡の取る方法とか調べ物も時間かかるだろうしこのまま一緒に行動したほうがいいね」

コンタクトの事を「眼」って呼んでるのか、いちいち琴線に触れる言い方してくるの好き。


『被害者女性の職場に盗撮用の隠しカメラは仕掛けられて無いのかな?』


ヨミ「ん~。待ってね。お店内部をスキャン中だけど~……、あ、あった。3個あったからハッキングして動画情報を確認してみる」

そんな事もできるのか。ますます欲しい。もちろん犯罪には使いませんよ?


ヨミ「1つは完全に下着撮影用の変態カメラだった。更衣室に仕掛けられてるからこれは違うかな。1つは写真撮影も動画も撮れるやつだけど、中身的に探偵が仕掛けた不倫の証拠集め用かな。最後のやつは~……うん。これが犯人のだね。被害者女性メインで撮ってる。遠隔操作もしてるっぽい」


『こうなると、県外からの連続殺人犯って線はなさそうだね。彼女に固執して、繋がりのできてる客の男も殺害するような事は、県外にまできて完全犯罪を行おうとしている犯人がやるとは思えない』


ヨミ「そこは犯人によるからなんとも。急に一目惚れして不可解な行動をするかもしれないからね」

なるほど。固定観念を持つと犯人を捕まえられなくなるかもしれないな。


『とりあえず、監視してたとなると外に出かけないだろうから、地元出身でホテルや旅館暮らしで部屋から出ないやつが犯人かな?』


ヨミ「1人いるからその男をマークしようか。よし、確認班!犯人と思われる男の未来を覗いてくれ」

犯人の名前を確認班?に伝えながら目の前で手を動かしている。


……これで事件が解決してくれれば殺さずにすむんだけどね……


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