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訓練

母「おかえりー。遅かったわね。ご飯食べる?」

いつも通りの親だ。そんな事がすごく安心する。


『ただいま。ご飯はいいや。風呂入ってくる』

浴槽に浸かり目を瞑ると、急に優が死んだ実感が沸き全身が震えた。だが、ヨミを恨む気持ちはない。優の親にはふざけるなって話だろうが。


そういえば学校休む理由考えとけって言われたけど、どうしようもないよな~。1日~2日くらいなら病欠でいけそうだけど。

風呂を出て自分の部屋に戻りベッドへダイブする。今日は大変な一日だった。そう思った瞬間深い眠りについた。


『ふぁ~。6時半か、目覚ましより先に起きるとかすげーな!今までなかったし』

どうでもいいことだがちょっと嬉しい。気持ちよく起きれた事で早めに学校に行く準備をする。


母「おはよう。今日の朝ご飯はいつものラーメンよ!」

うちの親は一度作ると当分続くんだよね。前にピザを作った時は4日間夜飯がピザだった。しかし朝からラーメンとは。

ズルズルズル~、うん、うまいな。朝からは食べたくないけど。


『さて、学校いくかな。いってきます』

靴を履いていると後ろでいってらっしゃいと声が聞こえる。

玄関を出て学校へ向かう。

優が死んだ事は誰1人知らない中、学校へ向かう生徒達と同じように

学校へ向かう。


校門をくぐり下駄箱で靴を履き替える。そして教室に入る。もちろん優はもう来ない。

教室にクラスメイトが集まってくる。友達と挨拶しながら教室で雑談をしている。ホームルームがそろそろ始まる頃、何人かが、優休みか?とか優サボリか?とか言っている。


俺が殺した訳じゃないのになぜか罪悪感のような物がある。

ホームルームが始まり、先生から優がきていないし、連絡もないと言う話が出た。すごく居心地が悪いし、いたたまれない。


休憩中は誰にも話しかけられないように寝たフリをする。優の話を振られたら平常心で答えられる自信がない。泣いてしまうかも。


なんとか学校が終わる時刻まで寝たフリで過ごせた。じゃぁヨミが来るだろうし家に帰るか。家の前に着くとヨミがいた。

『ごめん。待たせた?』


ヨミ「ううん。待ってないよ。とりあえず、数日分の着替えとか持ってきて」


『わかった。すぐ戻る』

家に戻り制服から着替え、数日分の着替えをバッグに詰めすぐに降りる。


『おまたせ』

そう言いながらヨミに近寄る。


ヨミ「それじゃ、家の裏庭に行こうか」


『家の裏庭?いいけど……?』

連れていくと裏庭でヨミが「あのドア」を開ける。どこでも開けれるのか。

まぁなんでもありだよな。


ヨミ「今日から訓練受けてもらう。訓練の担当は私じゃないから、当分会う事なくなると思う。頑張ってね」

え?なんか普通に寂しいな。声に出さないけど。


ヨミ「フフッ、そんな顔しないでくれる?イジメてるみたいだから」

しまった。顔に出てた。そんな話をしながら、昨日きたばかりの訓練室へ着く。


ナナヤ「おう!きたな!」

やっぱりこの人か。大変な訓練になりそうだ。


『昨日ぶり』


ナナヤ「おう!んじゃ始めるか、じゃぁなヨミ!あとは任せろ!」

そう言ってヨミに手を振る。ヨミも軽く手を振りながら、訓練室から出て行った。寂しい。


ナナヤ「んじゃまず、昨日と同じランニングな」

それから地獄の時間が続いた。訓練室の中で寝泊まりし、風呂と飯と寝る以外訓練。体力の限界にきたらオ○ナミンCもどきを飲む。

それを繰り返す事2週間。ランニングはこの訓練室200週しても息は軽く上がる程度になった。


ナナヤ「よし!大分スタミナ付いたな!んじゃ武器の適正調べるか!」


『適性?どうやってわかるんだ?』


ナナヤ「それじゃぁ、この指輪をやろう!サイズからして人差し指が丁度いいかもな!」


『わかった』

もらった指輪を右手の人差し指にはめる。右利きだしね。


ナナヤ「それじゃ、立ったまま目を瞑れ。リラックスして深呼吸を繰り返す。自分が武器を持つ姿を想像しろ」

言われたまま想像する。


ナナヤ「まずは剣だ。大きさはどんなでもいい。ガードや攻撃をするイメージだ。……よし!次は弓だ!」

そういって次々に言われるまま色々な武器をイメージした。

1つだけしっくり来た武器があった。


ナナヤ「よし、お前の適正は「槍」だな!」

しっくり来た武器を言い当てられ驚く。


『なんで槍だと思ったんだ?』


ナナヤ「自分に合う武器の場合その武器を想像した時に顕現するんだよ。お前が槍を想像した時うっすらと右手に槍が出たぞ!」

まじか!右手をみながら槍をイメージした。が、出てこなかった。


ナナヤ「目を瞑って集中したから顕現させられたんだぜ!今のお前では適正が解っただけだな!」

それでも、自分にも何かできる、必要とされるような存在になれる。と言う気持ちが沸き、嬉しくなってくる。


ナナヤ「んじゃ、ランニング200週の後に槍を顕現させれるようになるまで目を瞑って集中をするを繰り返す!」

まだ走るのね。どうせ文句言っても走らされるんでしょ!やりますよ!ヤケっぱちになりながら200週走り槍をイメージする。


それをまた2週間繰り返した。やっと目を瞑ったままなら槍を握れるようになった。そこからさらに1週間後、槍を顕現させれるようになった。


だが、その間一回も家に帰ってないのだが。どんな言い訳考えてても、1か月も失踪してれば言い訳無用じゃないだろうか。


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