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エレベーターが止まり、上がる時とは違う階で降りた。すると、前から1人こちらに向かって歩いてくる男がいる。


???「ヨーーーミーーー!!!」そう大声で名前を呼び走って近づいてくる男、ヨミに抱きつこうとするが、ヨミは華麗に回避する。


それも織り込み済みなのか、男はクイックターンをし、後ろから抱きつこうとする。それに対してヨミも解っていたのか足払いをするが、男はそれをジャンプして回避する。

ジャンプ中の無防備な体勢の男の腹にパンチを放つヨミ。しかし、それを受け流し抱きつく。


ヨミ「兄さん。毎度毎度別の仕事で戻ってくる度に抱きつくのやめてくれない?」


兄「余裕な仕事だとしても、お前が怪我をする可能性は0じゃないからな!心配なんだよ!」


ヨミ「はぁ……。毎度毎度このやり取りが面倒なんだけど」

兄に抱きつかれたまま溜息をつき、「困った人だ」という感じの対応をしている。


『こんにちは。初めまして、イツキと言います。さきほど同僚となりました。お兄さんも同僚なんですね』当たり障りのないように話しかけたはず。


兄「あぁん!?お前に兄と呼ばれる筋合いはねぇぞ!」

名前知らないんだから「お兄さん」と呼んで挨拶するしかないじゃないか……。

凄い睨んでるし、これがあれか、シスコンてやつか。厄介だなぁ。関わりたくないなぁ。


ヨミ「この人私の兄でレイジっていうんだよ。自己紹介くらい自分でしてよ。シスコンの厄介な兄がいるって思われるでしょ」思ってたのがバレてる!?顔にでてたか?


レイジ「うっ。シスコンの厄介な兄だと思われる分にはいいが、ヨミに嫌われるのは困るからな。俺はレイジ、ヨミの兄で、ヨミと同じホルダーだ」

厄介な兄と思われてもいいのか。振り切ってるな、この人。


レイジ「俺の大事な妹だ、ヨミのパーソナルスペースはかなり広めだから2メートルくらいは離れろ」広すぎだろ!?過保護すぎだわ。見ろあのヨミの「またバカな事言ってるなこの兄は」って顔を。ん?あれ?


『そういえば、初めてヨミさんに会った時に、性別は内緒って言ってましたけど、今妹って……』


ヨミ「あ。ちょっと兄さん。何バラしてるの?心臓抜き取るよ?いつかネタバラシした時の楽しみだったのに」


突っ込みがこえーよ!だが女性で確定した!よかったー!厄介な兄さんのおかげだな!そして今やっと抱きついたままで会話してるのを止めて離れて話をしだした。ってちょっと前にヨミも「シスコン」って言ってたけどね。


レイジ「す、すまん。楽しみを奪ってしまったか。ごめんなさい」

まじで妹の為に生きてるような人だな。凄くすまなそうに謝っている。そんなに謝る事でもないと思うのだが。俺は女性と確定して嬉しかったし。

まぁ俺関係ないけどね。


『所で、訓練はどこでするんですか?というか今日は帰れない感じでしょうか?』


ヨミ「とりあえず、今いるホルダーに会わせとくね。その後は訓練する人によるから解らないかな」


『わかりました。ホルダーの人は、あと何人ここにいるんですか?』


ヨミ「兄さん。何人いる?」


レイジ「ナナヤ1人だな、他は、仕事無い時は遊びに行ったり、実家帰ったり学校行ったりしてるから、全員いる事は稀だ」

結構頻繁に実家に帰れるのか。まぁ、全世界の完全犯罪に対応してるって事は相当忙しいだろうけどなー。


ヨミ「じゃぁナナヤに会いにいこうかー。あ、兄さんついてこないよね?……だよねー」レイジは文句を言うかと思いきや、素直に「行かない」と引き下がった。なんだ?どうしたんだ?


『わかりました』

レイジの反応は気になるがまぁ早く会って一度帰ろう。いい加減気を休ませたい。


それからちょっと歩くと、目の前に「訓練室」と書かれた部屋に着いた。

ヨミは疲れたような、これからさらに疲れると予想しているような溜息を1つ吐きドアを開けた。聞き取れるかどうか位の小声で「ごめんね」といいながら。


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