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夕闇倶楽部のほのぼの怪異譚  作者: 勿忘草
第4章 異界団地
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プロローグ 忘れ去られるナニカ

 現代の社会は、目まぐるしく変化していく。

 思想や技術、自分たちが住んでいる地域の環境だって同じことが言える。

 数十年前は森や山だった大地も、今では無機質な建物が立ち並ぶようになった。

 我々に不要なものは取り壊され、新しい何かが数ヶ月のうちに建てられていく。

 ――そして、現代の人々は変貌していくその光景を無意識に受け入れている。

 寂れた商店がコンビニに、売れないお店が別のお店に、廃校が老人ホームに。

 最初は物悲しさを感じつつも、数日もしたら我々は気にしなくなっているのだ。

 それ自体は慣れたことによるもので、人間が持つ優れた認知機能だとは思う。

 しかし、忘れてしまう、受け入れてしまう、というのは恐ろしいことでもある。

 なぜなら本当は不合理なことでも、当たり前にしてしまえるから。

 それに忘れられた場所が 人智の及ばない“異界”に成り果てたとしても。

 日常を生きる人々の、誰も気づくことができないかもしれないのだから。


                『夕闇倶楽部部誌 第四十巻 28ページより』

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