その81.正義は正しい・・・・きっと、きっと!…きっと。
夕日がクラス内を照らす中、アタシは一人で箒を握りしめていた。
……何やってんだアタシ。
志保は委員の仕事が忙しいらしく、学校の授業が終わった瞬間、慌てて出て行った。
かくゆうアタシは掃除だ。
一人で。
今日は妙に数人の女子に突っかかられている。
何でだろ……。
アタシは、何で。
鈍感とか良く言われるアタシだけど。
流石に解る。
アタシ、嫌われてるんだ。
駄目だ! 泣いちゃ……駄目だ。
正義の味方は泣いちゃ……。
たった一人で箒を握りしめているのは結構辛い。
何でだろ、何で。
嫌なことをしてくるのは数人だけだった。
だけど……それでも、昨日は何の気無しに喋っていたのに。
今日、突然だった。
辛い。
アタシには身を守る力が、あったことが解った。
だから、何もしてこなかったんだ。
解った。解ってしまった。
アタシには、それ以外に守る術を知らない。
……解ってしまった。
アタシが今、力を使えないから。
「なーに、泣きそうな顔してんの?」
声に振り向いた。
そこに、
ドアの所に立っている貧弱男が居た。
後ろから夕日を浴び、一瞬誰か解らなかった。
だけど、そんな憎まれ口を叩くのは、へーじしかいない。
慌てて顔を腕で拭う。
泣いて無い!! 泣いて無い!!
「あ、あら〜! へーじさん!? ご、ご機嫌よう!?」
アタシの言葉に思いっきり呆れた表情をして見せていた。
な、なによ! その顔!!
「ッバーカ」
貧弱男は簡単にそう言った。
「!?」
あれ!?
「もう、げーム終わってるよ、なぁ〜にいっつまでも続けてんの」
へ!?
「な何それ!?」
つい、大声が出てしまった。今の言葉に御淑やかさの欠片も無い。
「き! 聞いて無いよ!!」
アタシの大声に、へーじは動じず呆れた表情のまま、教室に入ってくる。
へーじは、そのままアタシの所に来ずにそのまま掃除用のロッカーに向って歩いていた。
……? 何で?
ロッカーから箒を取り出すとそれを肩に担いでめんどくさそうな顔を振りむかせた。
「ほら、手伝ってやるから、サッサと終わらすよ」
その声に、つい耳を疑ってしまった。
「な、何で!?」
アタシの言葉に、へーじはめんどくさそう、から呆れた表情へ。
「何度も言わさないでよ、バーカ……
今日一日は『凄い心の広い爽やかでつい人を手助けしてしまうお人よし!』らしいから」
何よソレ、自分で言ったじゃないの。ゲームは終わった……って。
意味解んないよ、矛盾しすぎ。
そんな困惑してるアタシを無視して、勝手に教室の掃除を始める。
何なのよ。
意味……解んない。
最近、友人Aの進めでオンラインゲームのテイルズウィーバーなる物をはじめました。
ハマらないだろ…とか思ってたら以外に面白い(笑)
そして進めた本人である友人Aは殆どこない…何で!?