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その72.暴力改め、御淑やかな女の子らしいお嬢様になった場合……え? 違うの?

「いじめはいけないと思いますわ?」

 そんな気持ちが悪い声を出したのは、当然あたし。

 御淑やかって……こんなのでいいのだろうか……。

 アタシの声の先は廊下で下級生の胸倉を掴んでいると思われる上級生(3年生くらいだろうか?)に向けて。

 いくらゲーム中とは云え! いじめを見過ごすのは正義に反する!!

 一瞬、アタシを見た後、緊張した表情になるも、直ぐにその表情は馬鹿にしたような笑みへ変わった。


「へ、トラブル娘かよ」

 そう吐き捨てるように言うと、上級生は再び胸倉を掴んでいる相手に視線を戻した。

 アタシのことは知っているらしいが、何だ、その態度は。


「聞こえませんでしたの? いけない、と言いましたのよ?」

 自分でも肌寒い言葉を発しているのは解っているが、今はゲーム中だ。致し方ない。

 上級生の視線は再びアタシに、


「知ってるんだぜ? てめェ今は人を殴れないんだろ?」


 言っている意味が一瞬、理解するのが遅れたが、その言葉の意味が解った。

 水歩さんがあたしに出した条件。それは、


『縁ちゃんは暴力何て知らない御淑やかなお嬢様、お箸以外の重いものが持てない女の子らしい感じで!』


 つまり……御淑やかなお嬢様は……暴力を振るわない。


 何処で知れ渡ったのか知らないけれど、(とゆーか……廊下で言ってたからなァ……)あたしが暴力を奮う事が出来ない状態だということになっているらしい。

 ニヤニヤとした笑みの意味が解った。

 アタシが力で止めることが出来なければ……別に止められてもやめる必要が無い。



 ………………あ、凄いイラついた。



 八つ当たりの様に、近くの壁を思いっきり!! 力任せに殴った。

 ドガァァ!! という破壊音が廊下中に響き渡り、後ろは見えないが何人もの視線を後ろから感じた。

 胸倉を掴んでいた上級生は口をあんぐり開けながら、震える手を下級生から離した。

 上級生の視線はあたしが殴った壁にくぎ付けになっている。

 そんなに、壁にヒビが入ったのが珍しいのだろうか?

 そこでッハ! と我に返る。


 しまった! 今は勝負の途中だった。


「あ、あら〜? こんな所にヒビがございますわ? まぁ、怖い」

 白々しい感じに言ったのは自分でも解るが、やるのならば勝負には勝ちたい!!


「怖いのは縁の方だよ」

 後ろからの呆れた声に振り向くと、溜息を零している志保が居た。

 や……やばい、見られた?


「あらあら〜、志保さん? ごきげんよう」


 そんなアタシを見て、釣られたように、「ごきげんよう……」と小さく言ってくれた。


「今のは見なかったことにしてあげるよ……」


「マジ? やった!」


「縁!」

 慌てて素に戻った自分を「オホホホホ」とか言いながら誤魔化す。


 呆れ眼の志保を無視して、上級生に向き直ろうと……

 あれ? もういない? ていうか、いじめられてた人まで。

 そんなに、アタシは変だろうか……


「というか、何故志保さんは協力するのかしら?」

 う、……常識人の志保にそんな顔されると結構凹むんだけど……。


「そ、そりゃ〜縁が女の子らしくするチャンスだよ? 縁はカッコィィし! 可愛いんだしコレを機会にって思ったんだけど……」

 そう言った後、訝しそうにアタシを見た後、思いっきり溜息を付いた。


 ……何よ。


「私の知ってる御淑やかとちょっと違う気がする……」


「…そんなの、アタシだって女の子らしいって解んないもん」

 私は小さく零した後、慌てて口を塞ぐ。

 しかし、俯いて残念そうにしている志保には聞こえていなかったらしい。

 良かった……この勝負、絶対に負けられない!!


「そういえば縁はこの勝負勝ったらどうするの?」


「……へ?」


「だって勝ったら、へーじさんに何でも命令出来るんでしょ?」

 そういえばそんな特権の話してたなぁ……。


 ………………あれ?

「もしかして勝負にしか拘って無かった?」


「そ……そんなことはございませんことよ?」

 だ、だって……


「拘って無かったね……」


「あう……」


 そうか、どうせ勝つのはアタシだし、考えとかなきゃ。

暇潰しで遊んだ場合2。


私「それじゃー、マジカルバナナ開始ー…」←高校生


友人達「わー…(やる気無し)」←適当な拍手。


私「…もうちょっとテンションをこう…上げようよ」


友人「嫌、テスト前にやることじゃ無いだろ」


私「うるっさい、喋るな息するな、幸せになれ」


友人「ッハ!…(失笑)」

私「ッチ…(舌打ち)」



次の話に続く。


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