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その69.暴言VS暴力 嫌、無理でしょ、殴られたら即ノックアウトですよ僕は

 変態共が去った後、振り返った縁と目が合った。

 一瞬、硬直したように見えたが、その後、人がまだ多くいる廊下で大声を放ちやがった。


「あーーーー!! 変態男!」


「誤解を招く言い方をするな!! ゴリラ女!」

 僕の発言が言い切る前に、縁は目をギラつかせながら僕にダッシュを試みていた。


 あー! もー! また殴られるの!? 僕そんな丈夫じゃないんですよ! いや、何か耐性ついてきてますけども!!


「おおっとぉ!」

 サクが僕の目の前に、守る様に立ってくれた。

 ああ! 持つべき者は友だね!!

 今ここだけ、親友だよ!!


「へーじに手ェ出すなら俺を通・・ぺひょ!?」

 弱ァァ!! カッコイイこと言いながら縁が右手を横に払っただけでサクが吹っ飛んだ。

 お前兄貴でしょーが! もっと頑張れよ! プライド保とうよ!!

 チキショォォ! 使えねェェ!!(酷)


 ああ! 近づいてきますよ! 振りかぶった拳が刃物に見える!!

南無参なむさん!!


 僕がどういう気持ちだったのか知らないが前に出ていた。

 後ろに下がっても意味が無い気がするのだ。

 ……経験上


 そう、前に出ていた。

 縁の拳は僕の顔面ギリギリ横を通過。

 半泣きで思いっきり目を瞑りながら前に出ていたのでよくは解らんが、拳の風を斬る音だけで十分に背筋が寒くなった。

 必死の抵抗で無意識に両手を前に出していたが、拳が通過と共に安堵の考えも過ぎった。

 一瞬、助かったと思った。

 だが、


 甘かった。


 ドン! という柔らかい衝撃が体全体に出たのだ。

 目を瞑り、拳で無いぶつかったような感触にビクついて出していた手を交差させようとした。

しかし、それは何かが邪魔をして必然的に両手が邪魔をした物に纏わり付く。


「……?」

 何か温かい物を抱いている……?。

 目を瞑っていても周りの空気が固まっているのが解った。

 何となく……何となく予想出来る。

 最悪の予想が!!


 両手を回した何かは僕よりも若干小柄で小さく。

 右手は綺麗な糸の束を撫でているかのようにサラサラとした感触。

 僕の頭より少し下の部分に温かい風が掛かった気がした。

 鼻から微かなシャンプーの良い匂いについ、朝風呂入ったのかな?何て考えてしまった。

 そして、微かに荒い息遣いが聞こえる。


 …………。


 目を開けるのが……怖い。


 いや、アノ本当……不可抗力っていうか、正当防衛っていうか、その。


 取り合えず目を開けなくては始まらない。

 恐る恐る……ゆっくりと……目を開けた。





 目の前に、真っ赤な顔の縁が居た。


 ほらなぁ!! もうやだよ!!

 僕の顔も同じくらい赤いと思う。

 そして、周りの視線がかなり痛い。

 そうです、ここは廊下です。本当にありがとうございました。


「あ、あの……これは業とじゃ……」

 等と口をモゴモゴさせている僕に残念ながら説得力という概念は思いっきり空の彼方かなたに蹴っ飛ばされる。


「やっぱり……」


「は?」

 顔を赤くしながらもドスの利いた声はすンばらしく耳に残るね。


「やっぱり変態じゃボケェェ!!」

 その声と共に繰り広げられたワンインチパンチ。

 この短い距離で繰り出すパンチは見事僕の腹に命中。

 当然近すぎて避けるのは無理。

 短いからって威力が無い何て常識通じないんですね☆


「おっふぉぉ……」

 あ、やばい、吐きたい。全力で吐きたいぃぃ……。

 朝のもん出る……昨日の君の料理ごとプレゼントしてやろうか。


「吐いたら殺す」


 飲み込みますよ!!飲み込んだらいいんでしょーが!!


「げほ……君……正義とか、ほざく割に、悪てきな行動するね……」


「へーじが! ゴリラ何て言わなきゃあたしだって手を出さないっての!!」


「っは! そんなことするから言うんだっての! 君が御淑やかだったら何も言わないって!」

御淑やか……自分で言ってアレだけど、無いな。


「アンタが悪口何て言わない心の広い優しい人だったら良いのに!!」


 え? 僕が優しかったきもいよ? 自分で言うのもアレだけど。

 寧ろアレって何だ。



「しかも……抱きついてくるし……」


「あれは不可抗力です!」


等という言いあいをしている時に、横からパシャパシャとうるさい音と目障りなフラッシュ。


「…………」

 言いあいを一旦止めて、その元凶に視線を送る。

 主に空気読め的な意味を込めて。


「…………」

縁も気づいたらしく、僕と同じ視線を向ける。


「え? 何? 続けて続けて!」

 取り合えずそのデカイカメラのパシャパシャを止めろ性悪女。



「何? いつから居たの?」


「変態集団辺りからバッチリ!」

 その ッグと見せた親指をへし折りたいんですが。てかやっぱり「良いよー!」とか言ってたの君か。

 満面の笑みのミホは「特ダネ特ダネ!」と呟きながらはしゃいでいる。


「明日のスクープは『トラブル娘VSモテ隊!! そして戦闘の後の嬉し恥かしの学校の春』だね!」


「こっちが嬉し恥かしじゃぁぁぁ!!」


「あ! 良いですね! あたしのファイティングポーズ載せて下さいね!」

 絶叫する僕を無視して、何、満更でも無いみたいなこと言ってんの!


「OK〜OK〜! ま、それよりさっき面白い話してたよね?」


 は? 何ですか突然。

 縁も首を傾げている、お互い勢いで言いあいしてたぶん、あまり記憶に残っていない。


「ほら〜……片方が御淑やかで? 片方は心の広い? そりゃ〜さながら……まぁいいや」

 良い比喩が思いつかなかったらしい……どんだけ比喩表現好き何だこの子は!



「じゃあ〜、ゲームしない?」

 また、あの嫌らしい笑みを浮かべやがった。



友達との些細なメールのやり合い。


友人Bからのメール

『明日の科目なんだっけ?』


私の返信

『フハハハハ!! 知るか』

嫌、今私の中で閣下が流行でして。


友人B返信

『やっぱりな、明日は英語と国語あるぞ』


『・・・・知ってるやん』


マジで何の為に送ってきた。

馬鹿にされたような気がする。

やっぱりって何だ!やっぱりって!!

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