その66.無駄に良く出来た新聞って結構大げさなんだよね。・・・・男の人コワイヨー
思いっきりドアを開けると2人で同時に突っ込む。
「この新聞は何じゃミホミホォォォォォ!!!」
水歩の前で思いっきり叫んだのはサク。
「何何〜? どったの早句間っち〜」
いつのまにかサクの言い方がかわっとる……。
「早句間っち?悪くないな……」
早!! 冷静になるの早!!
「違うだろ! サク!!」
「っは!? そうだ! この新聞何だよ! ミホミホ!!」
怒っててもその言い方何だ……。
「フハハハハ!! すばらしい出来でしょ〜? 昨日はネタ満載だったからねぇ〜!」
そう、その新聞は……ほぼ昨日の出来事を大袈裟に、そしてど派手に、
見事に書き下ろした出来栄えだった。
嘘を良い感じに入れながら。
『トラブル熱血ガールと愉快な仲間たちと仲良くボランティア活動!!」
ここまではいい。嫌……良くないけども愉快な、て……。
『プレイボーイ男! トラブル熱血ガールが居るにも関わらずボランティアのお姉さんにまで手を出す!!』
等というテロップと共にデカデカと、おねーさんと喋っている写真。
そしてその下に小さく、
『しかしトラブル熱血ガールは手放さない!!』
というテロップと手を繋いでいる写真がァァァァ!!!
「これ!! どう見ても僕最低目線じゃん!! しかも何最後に上手いこと言ってんの!?」
「アッハッハ! でっしょ〜? その最後は自身あったんだ〜」
「そうじゃなくて!」
というか、これ昨日で作ったのか!? 凄いな君!!。
「ンなこたどォでもいーんだよ!!」
よくないわァ! 馬鹿サク!
「何だよコレェェ!!」
そう言って指差した所にも僕の所と同じくらいのデカイ写真。
その絵は思いっきり愛おしそうに子犬を抱き締める正人。
『子犬を抱き締める大男!! そのギャップは何が目的か!?』
「本当に何が目的ィィィ!? 抱き締めてねェよ!! 俺の周りのイメージが崩れるだろーが!」
「「嫌、それは既に今更」」
僕とミホの声が重なる。
……というか気にしてたんだ。
「俺のカッコ良さが落ちるだろーがァ!!」
「「嫌、元から無い」」
再び僕とミホの声が重なる。
「チキショォ! へーじの時もそうだけど嘘ばかり言いやがってェェ!!」
「それは嘘じゃない」
「うん、嘘じゃない」
ここだけミホに味方にする、いや本当反射的に。
「なっ!? へーじ! お前どっちの味方だよ!!」
「今はミホだよ」
「友にまで裏切られた俺は一体どうすれば……」
「友でも無いし」
僕のその言葉が止めだったらしい。
サクは「ウワァァァァ!!」と、泣きながら走りだしていってしまった。
そろそろ朝のホームルーム始まるんではなかろうか……。
「アッハッハ!! 最高!!」
そんな逃げるように走り去っていくサクを指さしながら爆笑する性悪女……少し悪い気がした。
ほんのちょっとだけ。
「……で? これもう発行してんの?」
取り合えずサクは置いといて、こんなのが発行された日にゃ僕のこの学校での立場がやばくなる!!
「いんやぁ? まだだけどぉ?」
ニマニマと笑うミホは僕を見透かすように笑っている。
「良し! じゃぁ即刻やめよう!! 僕のプライドに掛けて!」
「嫌だっていったらぁ?」
「全力で取り返す!!」
「力づくで?」
「それも含めて考えてるよ」
そこでニヒッと笑う。
「アッハッハ! 軟弱男と言っても可憐な女の子の私じゃ流石に力は負けるかもね〜?」
誰が可憐だ。
「だ・け・ど?」
そう言って僕に向けて写真を突きつける。
「これ何だとおもう〜?」
そう言って差し出された写真は……僕の写真?
「…………待て待て待て何で僕の写真? しかも寝顔まで!?」
僕の様々な表情の顔、笑っていたり泣いていたり、授業中に寝ていた写真何てどうやって撮った。
「アッハッハ! 凄いでしょ〜」
「で? それが?」
ニマァーっと再び嫌らしい笑みを浮かべて見せた。
……この表情の時のミホは色々とまずい。
経験上。
その手に持つ写真で顔を仰ぎながら、続ける。
「男子校に知り合いがいるんだけど〜」
……それが?
「へーじの写真欲しがってる人居るんだよね〜」
…………ん?
え? ちょ、え?
「いんや〜私もそれは不味いかな〜って! でも、新聞を発行出来ないならァ〜別の手口で稼がなきゃね〜」
目が……マジだ……。
え? つか男子校?え? 嘘……ェェェェェ!!!
脅してる!! 再び脅してる!!
僕を誘うような挑発的な目線。
つまり、僕には選択肢は一つしか無い……。
「すんません、発行しても宜しいです……」
なんだろう、貞操の危機を感じた気がした。
中学の時にありましたよ、何回か。
何で!? 女にしろよ!! 何で男!?
普通に異性に興味持てやボケェェ!!
「フハハハハハハ!! 私に勝とう何ざ後10年ちょっとは早いわ!」
新たな心の傷が出来た瞬間であった僕を無視して思いっきり立ち上がって爆笑していた。
思いっきり立ち上がった瞬間、ミホのポケットから生徒手帳が落ちた。
「ハハ、ハ………………?」
と、一瞬固まったミホ等知らず、僕の目の前で偶然その生徒手帳は開く。
そこに僕の写真が挟んであった。
授業をつまらなそうにしながら写ってる僕は斜めからの中々良いアングルであった。
……、そうか、これに写真を挟んでるのか。
そう思った瞬間、生徒手帳に手が伸びる。
これに挟んであるのを全部(今は一枚しか無いように見えるが)消し去れば僕の貞操は安泰!?
だが、僕以上に素早くミホが生徒手帳を回収していた。
ック! 早い!
顔を上げると、何故か顔を赤らめているミホが居た。
もしかして風邪か?
「ア! アハハハ〜! これ! これに写真挟んでるんだ〜!」
?、解ってるよ。
何で説明口調?
「と! とにかく! 新聞はもうとっくに配ってるだろうし!
どっちにしても遅いよ! ざーんねん!」
「何ィィ!! じゃぁ! 先程までのやり取りの意味は!?」
「はィ? からかっただけですが?」
「え? じゃあ男子校ってのも嘘……?」
心の傷が回復する気がする!!
「あ、それは本当」
チキショォォォォォォォ!! 心の傷が更にえぐれたわ!