その49.暴力女と貧弱男と活発女と癒し系女と溌剌男…この集団、嫌だ!
ミホと一緒に校門へ向かうと、既に縁は待っていた。
しかし、縁以外に2つの人影を見て疑問に思う。
一人じゃないのか?
「何何〜? 一人の方が良かったの?」
いやらしい笑みと共にミホが覗き込んでくる。
……うざ!
それを無視して歩を進める。
「遅い!」
最初に力の入った声を出したのは縁。
「そんな待ってないよ?」
次に弱弱しい声を出したのは志保ちゃんだった。
もう一人は? と言う具合に隣を見る。
そこに居たのはぶっきらぼうな表情をしているサクだった。
「……見ないと思ったら何してんの」
僕の呆れた声にサクは僕を見下ろす。
「へーじ……」
志保ちゃんと同じ位に弱弱しい声を発するサク。
ちょっと待て、大男が志保ちゃんみたいな声出すな、キモい。
言ったらめんどうだから言わないが。
「アッハッハ! 何その声? キモ!」
ちょっと! ミホ! 何で僕が言わなかったのを言っちゃうかな!
ほら見ろ!一気に目が死んだ魚のような目になっていってるじゃない!!
とりあえず、とことん落ち込む前に話を変えよう!
「な! 何でサクも居るの?」
「それは……」
と、サクが言いきる前に、縁が割って入った。
「あたしが呼んだのよ」
「君に聞いてないよ、僕はサクに聞いてるんだけど」
「なんだと!!」
僕の言い返した声に、返すように荒げた声を出す。
「へーじ、お前は俺の味方なんだな……うう、持つべきものはマイ ブランドだな」
「ブランドじゃなくてフレンドでしょ! 間違いすぎだよ馬鹿サク、略して馬ク!」
ブランド、て! 僕はどこの製品だよ……。
僕の言葉に、涙目のままキョトンとしているサク。
「馬ク?」
「アッハッハ! 馬ク! 良いね!! サイッコー!! ちなみにバクっていうのはアメリカ方面にしかいない哺乳類なんだよ!」
どうでもいいな……
「何!? よくわからんが凄いのか!? 百獣の王! ライオン! みたいな感じか!?」
ミホの言葉に何故はしゃいでいるか知らんがバクを見たことが無いらしい。
馬鹿なサクでもライオンは知っているらしくライオン=カッコイイみたいな子供の知識なようだが。
「何ィ!? 兄貴はライオンなのか!?」
ここにも子供が居た! 君ら兄弟揃って脳内子供か!。
そんな馬鹿兄弟を前にミホは可笑しそうにクックと笑った後言った。
「ライオン? どっちかってーとブタかな?」
その言葉と共に一気にズーン……という具合に大男が暗くなった。
だから何故三角座りになるんだ。
「ブタ? じゃー兄貴は汚いのか!」
縁の追い打ちのような言葉に更に顔に雲がかかる。
ブタ=汚い、ですか……本当に子供の知識だな!!
ちなみに以外にもブタは綺麗好きだったりする。
「あの……そろそろ本題に」
志保ちゃん、この変人の集団の中で君だけは輝いて見えるよ。
「そう! 本題!!」
「俺はブタ……俺はブタ……」とブツブツ言っている兄貴を無視して妹は続けた。
「ちょっとひとでが居るから暇そうな兄貴も誘った(むりやり)んだ、何で水歩さんが居るか知らないけど手伝ってくれるの?」
僕は呼び捨てでこの性悪女はさん付けですか……。
ミホは答える様に笑顔でッグと手で小さく丸を作りOKサインを作っていた。
その答えに満足したようにウンウン! と頷いて見せていた。
「それじゃ! 行こうか!!」
何処に行くのか本当気になるよ……。
私「次でとうとう50話なんよ」
友人「へぇー(興味無し)」
私「何かした方がええかな?」
友人「へぇー(興味無し)」
私「・・・・」
友人「・・・・」
私「死ね!」
友人「お前が死ね!」
等という友人との仲睦まじいやりとりを今日してました。