その40.一時のテンションで今死にそうです。サヨウナラ皆さん。
「そ・ん・で〜? お話は〜?」
あのー……サクは余裕で無視ですか。
とりあえず片目だけで立花さんを見てから、肩を落とす。
「うるさい、よ」
悪いけどそろそろ鬱陶しい。
「話すこと何て無いしあったとしても話さないよ」
立花さんの表情が一瞬変化した。
だが、直ぐに元の笑顔に戻る。
「……取材料が必要かしらん?」
「は? 言葉が理解出来なかった?」
君もバカの部類?
立花さんが歯を見せていた笑みを今度は薄い笑みへと変わった。
「取材料か〜、う〜ん」
「ちょっ、話聞いてんの?」
「じゃぁ」
そこで悪戯っぽい笑みを見せると、抱きしめる様に自分の体に両手を回す。
「私の体何てど〜ぉ?」
!!!!!!!。
勢いよく立ちあがったと同時に椅子がガタン!
と大きな音を立てたがそんなことを気にする余裕は無い!!
「! は、はぁ!? なななな何言ってんの!?」
流石に直球で来るとクールな僕でもちょっとは驚くだろうさ。
だけど体って!! か……体って!!
僕は結局男であって、健全な男子高校生なんです!!!
それがちょっと発育気味の同学年の可愛い女の子からそんなことを言われれば、
誰だって戸惑う!! これは仕方がないことであって!!
決して僕が変態なのではありません!!!
「ばばばば! お! 女の子がそんな体とか言っちゃ!」
やばい! 絶対顔赤いよ!!
「ップ!」
そこで立花さんが思いっきり噴き出した。
「アッハッハッハッハッハッハ!!」
思いっきり爆笑している立花さんを僕は、ぽかんっという具合に眺めていた。
「え? あれ?」
腹を抱えて爆笑している立花さんは既に涙目。
え? もしかしからかわれた?
「何マジんなってんの!? アッハッハッハ!! ヤッダ可愛い〜!!」
顔が先程とは違う意味で真っ赤になるのを感じた。
「な! なななななな!」
「へーじ君って結構天然!? ていうかぁ……」
そこで含み笑いのまま再び意地悪な笑み。
「むっつり?」
その言葉に再び顔が赤くなる。
そして周りからの視線を感じた。
「あ……う!」
周りからの視線が痛い。
僕がデカイ音で椅子を転がした辺りから視線を感じた気がする。
つまり赤面で良く分からんことを大声で叫んでいた辺りからバッチリ周りに聞かれて恥ずかしいのです!
比較的目立たない僕がここまで注目を浴びると、
死にたい…嫌、寧ろ死のう!!。
「ち! チキショォォォォ」
負け惜しみの叫び声と共にサクが去った後割れた窓ガラスに飛び出そう!!
さぁ! 羽ばたけ僕の翼!!
サク……現実から逃げたくなる君の気持がよく解ったよ!!
空中に浮いた瞬間、クラスのざわついた声が聞こえた。
「おい! へーじが飛び出したぞ!!」
「何ィ!? 穴見と違ってあんな軟弱男が飛び出したらマジで死なね!? っていうか死ぬだろ!!」
あれ? その通りじゃね!? 本当に死ぬじゃん!! 嫌! 死のうとか嘘ですから!!
等と思っても既にもう遅い。足は地に付いておらず空中を動くだけ。
マジカァァァァ!!! ちょ、ちょちょちょちょ!!
僕は元々こういうキャラじゃないよ!?
何でこんなことしてんの僕は!? 一時のテンションに身を任せることだけは気をつけようとか思ってたのにィィィ!!!(この間0.3秒)。
ジェットコースターの落ちる時のようなゾワッとした感覚が体を襲う。
空中で落ちる際、景色が見える、ああ……これが僕の最後に見るものになるのか。
頭から落ちたら潰れたトマトみたいになるんだろうなぁ。
そして背中から落ちたら背骨バッキバキで口から内臓が飛び出して尻から腸が飛び出すんだっけ……。
…………。
「そんなのイヤじゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
その37がここまで不評だとは…ここは消すか!!
どう思うか友人に聞いてみた。
「知るか」
・・・・私の友人はこんなのばっかか。