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その26.人生の選択肢も間違える事は寧ろ良くありますね。…泣ける

 放課後。

 現在真冬真っ盛りな分けで、空は薄っすらと赤みを帯びている。

 4時前ともなれば、仕方ないのだけれど……。

 そんな空の下、僕はこそこそと歩いていた。

 我等が学校には、というかどこも一緒だとは思うが正門と裏門が在る。

 僕が今コソコソと歩きながら向かっているのは裏門。

 え? 約束? 何ソレ? 美味しいの?

 つまるところ、めんどくさそうというか、後が大変そうというか。

 関わるとアレそうとかまぁ色々意味合いがあってですね。

 嫌、最初は行ってもいいかな〜何て思いましたけども。

 あの子が去った後の食堂の事は思い出したくも無い……てか、本当疲れた。

 もうイヤ。

 要するにアノ子と関わると大変な事になる事を敏感に察知した僕はばれない様に帰ろうと。


「へ〜ぇじぃ〜! 一緒にぃ〜! かぁえろ〜!」

 馬鹿が何でわざわざ大声で言うんですか。

 空気読めよ! 明らか僕コソコソしてんじゃん! 

 最初から自分で言っちゃってんじゃん! あれ? コソコソって解られたらダメじゃない? 

 もしかして。

 等と摸索している内に目の前まで大声の主はやってきていた。

「帰ろーゼ!」


「イヤダ」


「即答!?」


 僕の口から大きく大きく溜息が漏れる。

 もう、溜息つくのが日課ですよ。むしろ時課。言わないか。


「あのさ、僕は早く家に帰って休みたいの……今日色々会って疲れたの、OK?」

 これ以上やっかいごとに巻き込まれる前に帰りたい。そして寝たい。今日という一日を早く明日にしたい。

「は? 意味解んねー、」

 解れよブォケェェ!。

「てか、お前縁ゆかり待ってんじゃねーの?」

 あれ?言ったっけ?

「別にいいでしょ……」

「ま! 何でもいいや! 帰りにゲーセンよらね?」

 だから一緒に帰らないつってんじゃん!

 どうやらサクは振り切れそうに無い様だ。

 ならば最終手段だ。

 悪い気もするが、これ以上僕は疲れたくないの!!

「サク……きもい」


 その時、ピシィッ! と空気に割れ目が入った気がした。

 多分サクの中ではもっと激しいイメージがあったのだろう。


 僕の一言に大袈裟に後ろにサクは飛んだ。

 正に銃弾が当たったかのようなぶっ飛び具合。

「ぐほぁぁ!?」という呻き声と共に宙を飛んだ。

 そして、そのまま着地と同時に体育座りになると、暗い影が顔に差し掛かった。


 ……色々と凄いね。何で空中から着地と共に体育座りになれるのだろう。


 そんなサクを放っておいて再び歩き出す。

 バイバイ、サクまた明日。


「……もしもし、俺」

 後ろからサクのぼそぼそとした声がした。

 振り返ると、携帯を耳に当てていた。

 珍しい。

 とことん凹むサクは、凹む以外の行動はしない。……はずなのだが。


 まぁ、君が誰と連絡取ろうがどうでもいいけどね。

 そう思うながら再び歩き出す。


 ……ドドドという小さな音が耳に入った。

 後ろから聞こえる音。

 何だろう、デジャウ゛を感じる。

 ……ドドドド!と、今度は音が大きくなっていく。

 音は近付いてくる。

 うん、走ろう。走ろう!


「ぉ……ら……ぁ!……」

聞こえる!あの声が!薄らだけど聞こえる!!

全力で走っているので息が直ぐに荒くなる。

「くぉらぁぁぁぁぁぁ!」

 声が直ぐ後ろからはっきりと聞こえた!

 振り向いた先に、縁が居た。

 凄い剣幕の。


 走りながら僕に向かって飛んだ拳。

「ぬをぁ!?」

 間一髪で、拳は奇跡的に僕の髪をかすめるだけで終わった。


「ままままま待った! 待った!」

 尻もちを付く僕の今の表情はきっと恐怖で一杯。

「待つかぁ!」

 大声と共にかかと落とし。


「ひぃ!?」

 悲痛の声と共に体を丸めると、再び髪の毛をかすめる。運いいのか?これは。


 フゥーッ…

 と。武将の様な息を吐くこの方は同じ人間ですか!?

「は! 話を聞いて!」


「約束を破るような男の弁解など聞く気も無いわ!」

 うぉぉ!? マジギレ!?

「男が約束を破るとは嘆かわしい、今の世はマトモな男は居ないのか……」

 何をぶつぶつ言ってんですか。

「あの? 何の話ですかー?」

「それでもおとこか貴様ァ!」


「口調変わってらっしゃいますよ!?」


 振り下ろされた拳。

 !?、いやいや、2度あることは3度あるって言うし……



 メキョっ! と、子気味の良い、減り込む音。

 そんな都合良くいかないか。

「ぶへらぁ!?」

 見事にクリーンヒット。

 間抜けな声と共に吹っ飛ぶ。


「ま、待って!」

 やばい……泣きそうだ。


「問答無用!」

 再び振り下ろされる拳。


 イヤァァァァ!




―5分後。

「いや、あの……ほんっとすんませんした」

 ボコボコに晴れ上がった僕の顔はアンパンマンもびっくりな腫れ方をしているでしょう。


 正座する僕……もう17ですよ、何で外の硬いコンクリートの上で正座せにゃならんのですか。

 僕の前に仁王立ちで立つ暴力女、いえ、縁さん。


「借りがあんのに、その借りを返そうともしないなんて、人としてどう? 男なら、もっと武士道を守ろうとか無いの?」

 あの、説教している様ですが、いつの話ですか? 現代の話をして下さい。僕は武士じゃないです。

 周りを通り過ぎる生徒達はクスクスと僕達を見ながら通り過ぎていく。

 周りから見たら可笑しいでしょうさ。僕は笑えないけどね!


「ちょっと!聞いてんの!?」

 縁の声と共にビクゥ! と体が揺れる。

 ……情けない。


「はいぃ! 一言も逃してませんよ!?」

 ……情けない。


 そこで落ち着いたのか、縁が肩を落とした。

「で? 何で約束を破ったの?」


 僕の中で選択肢が生まれた。

 そう、人生の起点。

 失敗すればジ・エンド!

 これ以上殴られたらマジで死ぬ!

 正にライフカードォ!


1.たるかったんで

2.恥ずかしくて君の顔を見る事が出来なかったんだ!

3.家の人が急病で!!


 ろくな選択肢が無い! だが選ぶしか無い。

 何故ならこれ以外僕の中に選択肢が生まれなかったんだ!

 あれ? 僕って結構バカ?


投稿する前に今回のを勝手に読んだ友人の一言。(基本授業中に小説書いてます、だから私はバカです)

友人「…これ、最後の読んでる人が感想で選択肢選んだらどうすんのよ?」

私「え?考えてなかった…」

友人「…馬鹿だろ」

私「お前の方が馬鹿だろ」

友人「うるっさい」

私「お前の方がうるっさい」

友人「…もういい」

私「まぁ、別に良いんじゃない?選ばれたらその選択肢で」

友人「適当だな!」

というわけで、選びたかったらどうぞ、別に選ばれなくても話は進みます。



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