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その22.一件落着と思いたかった…というか序章?マジですか。

「ちょっとあんた」

 後ろから女の子の高い声が聞こえた。

 そして忘れていたものを思い出した…

「ナンデショウカ」

 振り向くな! 声は高く!


「どっかで、あった?」

 ええ、会いましたね、あの雪の日にゲロを掛けられ、膝蹴りを食らわされた貧弱男ですよ!

 でも言わない、関わりたくないから。

「サア?」


「いや、絶対会ったって」

 しつこいわ! ゴリラ女! 僕は今少しでも早くここから消え去りたいんだよ!

「ちょっと、こっち向いてよ」

 そう言って僕の肩に手を掛ける。

 ちょ! やめて! 声変えてる意味無くなるじゃん! 別の意味で恥ずかしくなるじゃん!

 僕の猛烈なピンチに、助けは天から降ってきた。

 キーンコーンカーンコーン! というかスピーカーから耳障りなチャイムの音は昼休み終了の合図を確認。

 そして、天使も現れた。

「おら! お前らー、チャイム鳴ったぞー昼休みしゅーりょー、さっさと帰れガキ共」

 今迄何処にいたのか、駄目教師がめんどくさそうに掛声を掛けた。

 天使にしては口が悪い上に天使と比喩したくない人物だけど。

 駄目教師の発言と共にゾロゾロと野次馬達は食堂の出入り口に向かう。

 ナイス駄目教師ィ!嫌!今は特別に出来教師と呼ぼう! (出来た教師の略)

 よし! この野次馬達に紛れて(?)抜け出せれば! きっと二度と(多分)合わないだろう!(同じ学校だけど)フハハハ! さらばだ暴力女!。


「あー、お前ら3人は残れ」


 は?

 今まさに猛ダッシュで逃げようとしていた僕に、めんどくさそうな一言が聞こえた。

「嫌、でも、ほら、授業が……」

 ぼそぼそと後ろの暴力女に聞こえないように喋る。

「言っといてやるよ、お前ら汚したから食堂の片付けな」

 言っといてやるって、あんたどんな権力持ってんですか。

 暴力女がノした男たちを一人一人起こしながら、出入り口に促している。

 僕の、嫌、でも、という言葉に耳すら貸さない。

 やっぱり前言撤回じゃ駄目駄目教師ィ!ほんと死ねェェ!

 心の中で思いっきり悪態をつく、駄目教師の後ろ姿を思いっきりにらんだ。

 最後に自分が出入り口に向かい、一瞬だけ僕の方を向いた。

 突然振り向いたので、ビクッとしてしまった。あれ? 心の声届いちゃいました?

 そして。

 あの嫌な笑みを浮かべた。

 バカにした様に。

 ドアを閉める。

 ピシャン!という軽快な音と共に、出て行った。


 食堂に残ったの3人のみとなり、先ほどまで大勢いた野次馬達も今はいない。

 天からの救いは天罰だったのだろうか……そして奴(教師)は悪魔。

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