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赤いロザリオと白い薔薇の花言葉

何故、水歩が赤いロザリオを持ってきたのか、というお話し。

舞台は縁が目覚めて全員が一度へーじの病室を離れた時の水歩の話

カランコロン、と古臭いドアの上に付いてる大きなベルが鳴った。

 それはお店に入る人を示すチャイムの様な役割を持つ。

 一際大きな音を立てて私、世界の美少女水歩ちんはお店に入った。

 ……うーん、突っ込みがいないと何か寂しいねェ。

 心の中で言っても何か悲しくなるだけかー……、なんて勝手に凹む。



 縁ちゃんは目を覚ました。

 後はへーじだけ。


 舞台の終焉は近い、どーせヘタレなへーじの事だ。

 何かしらが無ければ上手い事『決めて』くれない。

 最後だからこそ、最後にこそ最高に決めて貰わなければならない。

 私の見たいステージのラストスパートを。

 最高の形で。

 

 そこで私は最高の物を探し出す為に、一人町に向かった。

 他の皆も用事があったみたいだし、丁度良い。 


 そして、私はこの店に居る。

 外から見て、如何にも怪しいこのお店に心が疼いたわけだ。

 煌びやかに並ぶ宝石、怪しい仏像も置いてあるそのお店は、誰が見ても怪しい骨董品の店だ。

 古臭い店内は私以外は居ない。

 居ると言えば居るけれど……店番をしている年老いたお爺さんだけ。


 アッハッハ! どーにも、何かありそうな店だねェ?


 最高の掘り出し物、っというのは案外こういう所にあるんじゃないか、て私は思う。

 暫く店内を見渡していると、ある一つに視線を奪われた。

 それはロザリオ。

 赤く輝くロザリオは、数ある不可思議な物達を押し退け、一際派手に目に映った。


 手に取ってそれを見つめる。


 赤いロザリオ。

 真ん中に在る透明な水晶が光に当たり、美しく輝いていた。


「綺麗……」

 静かな店内に、私の言葉が零れる。

 誰であろうと吸い付かれる様な輝きと、赤い毒々しさが興味本位で触れたくなる。


 水晶の中に、花弁が入っているのが解った。

 薔薇。

 白い薔薇の花弁だった。


 ……決まりだ!


 このロザリオにしよう。

 とっても綺麗だし。


 それに。

 赤い薔薇を示すロザリオの『赤』 そして真ん中の水晶に入っている『白い薔薇』

 このロザリオが示す意味を私は瞬時に理解していた。

 その意味は、あまりにも縁ちゃんを表していた。


 アッハッハ! こりゃ縁ちゃんにピッタリだわ!


「お爺さーん! これ下さーい!」


「はいよ~」

 私の元気な声とは対照的にのんびりした声で店番のお爺さんが言葉を返した。


 店から出ると再びカランコロン、と鐘の鳴る音がした。

 うう……思いのほか高かったじゃないの……。

 新聞の売り上げが吹っ飛んだわ……。

 思いのほかの高さに軽く私の顔は暗い影が差し掛かる。


 ま、縁ちゃんとへーじにはその分、十分頑張って貰って~また新聞のネタにさせて貰うけどね~?。

 そう思いながらも、フッフッフ、と腹黒い笑いを浮かべる。

 直ぐに元気に開き直った。

 高かったけど、良い買い物をした。


 四角い高級そうな黒い箱に入れられた赤いロザリオ。


 


 薔薇自体の花言葉は。


「気まぐれな美しさ」「無邪気」「爽やか」「新鮮」「斬新」「内気な恥ずかしさ」「輝かしい」


 どれもが縁ちゃんに当て嵌まる様で、つい笑ってしまう。


 ロザリオは赤で彩られている。

 真ん中の水晶に入っているのはメジャーな赤の薔薇では無く、態々白の薔薇。

 

 それは外見。

 赤に彩られたロザリオのソレはメジャーな薔薇の花言葉。

 それが縁ちゃんの外見。

 

 薔薇には沢山の種類が存在する。

 黄色・ピンク・白……他にも様々な『色』が存在し、その一つ一つに花言葉が存在する。

 真ん中に在る水晶に入っている白色の薔薇の花弁。

 『白い薔薇』

 まるで心を表すように真ん中に在るソレ。

 外見の赤とは対照的に控え目にその花弁はあった。

 意地っ張りで、素直になれないけど、口に出したくてもどかしい様な縁を表している様な一言だった。


 その言葉はきっと。

 へーじに向けられた言葉。


 きっと顔を真っ赤にして言うのだろう。

 後先考えずに大声で。


 白い薔薇の花言葉は。






『私はあなたにふさわしいのよ』








 薔薇の花言葉自体は沢山あります。

 下がソレです。


バラ,ばら(薔薇)

花言葉は

「愛」「美」「内気な恥ずかしさ」「輝かしい」「愛嬌」「新鮮」「斬新」「私はあなたを愛する」「あなたのすべてはかわいらしい」「愛情」「気まぐれな美しさ」「無邪気」「爽やか」


(帯紅)「私を射止めて!」

(赤)「愛情」「模範」「貞節」「情熱」

(黄)「嫉妬」「不貞」

(白)「尊敬」「私はあなたにふさわしい」

(ピンク)「上品」「愛を持つ」「しとやか」

(朱赤)「愛情」

(薄オレンジ)「無邪気」「さわやか」

(青)「神の祝福」「奇跡」「夢 かなう」

(蕾)「愛の告白」(葉) 「希望あり、がんばれ」(トゲ)「不幸中の幸い」

(ミニバラ)「無意識の美」

(バーガディー種)「気づかない美」

(ヨーク・アンド・ランカスター種)「戦い」



 以上を持ちまして、最終回でございます。

 ここまで読んで頂き本当にありがとうございました。



 皆様の物語が。

 最高の舞台でいられる事を。



 

 最高のハッピーエンドを迎える事を祈って。



 

暴力熱血女と貧弱毒舌男 作者:桜


 終わり

 

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