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183/189

その182.皆が大好きな玩具をアタシが一人占め。

 次に目覚めた時は病院のベッドの上に居た。

 ぼぅっとする頭は体中の痛みと共に徐々に動き出す。

 体中に包帯が巻かれているのに気づいた。

 服も病院用の白い服へ変わっていた。


 見渡すと、カーテンで敷き詰められては居るが、もう一つのベッドが置いてあるのが解った。

 個室用……では無い?

 二人だけの病室というのも珍しいな……と思いつつ、ベッドから何とか立ち上がろうとしていた。


 い、痛い……。

 体を少し動かしただけで痛みが走った。

 しかし、それでも何とか立ち上がる。

 目覚めて直ぐにへーじの事が頭に浮かんでいた。

 ここは病院だ、もしかしたらへーじもこの病院に居るかも知れない……。

 とにかく情報が欲しかった、ヨロヨロとしながらもドアに向けて歩を進めた。

 二つ目のベッドの事も気になったけど、知らない人物を覗くのはあまり良い事とは言えないと思う。

 横目でベッドのカーテンを見つつ前に進んだ。


 その時、

 カーテンに意識を飛ばし過ぎていたのか、自分の足に躓いていた。

「あ」

 間抜けな声と共に上体が倒れていく。

 いつもならこんなボケをしても耐性を立て直す事が出来るのだが、今の傷だらけの状態じゃそうも行かない。

 アタシは反射的に、もう一つのベッドのカーテンを掴んでいた。

 あ、ヤバイ。

 と思いつつも既に体は倒れている状態。

 カーテンが人、一人の体重を支えられるわけも無く。

 プチプチという音と共にカーテンは剥がれた。

 カーテンをもぎ取る形で派手に転んでしまった。


 扱けた時の衝撃と体中の傷がプラスになり、予想以上の痛みが襲った。


「~~~~~ッ!!!」


 痛い! ほんっと! 痛い~~!!

 暫く床をゴロゴロと転がっていた。

 あ、駄目……泣きそう……

 少し涙目になりながらも何とか立ち上がる。


 カーテン壊しちゃった……。


 視線は自然とベッドの方に向いた。

 見る気は無かったんだけど。

 そこに居たのは、見覚えのある人物だった。


「へーじ……?」

 口に呼吸器を当て、眠っていた。

 体中に妙なケーブルが繋げられ辺りにはカーテンで見えなかった様々な機器が存在していた。

 大丈夫と言える様な状況では無い。

 だけど、それでも、へーじを見れた事に、へーじが無事で居てくれた事に心からホッとした。

 良かった、本当に良かった……。


 へーじの布団に腰掛けると、へーじの寝顔を覗き込む。

 呼吸器が白く曇るのを繰り返し、それが確かに生きている事を証明していた。

「へーじ、アタシ、自分の正義を貫いたよ、信念を、曲げなかったよ……」

 アタシの言葉に、へーじの反応は無い。


 聞いていないのは知ってる。

 だけど、頑張ったよって、言いたくて。

 頑張ったねって、へーじに言って欲しくて


「へーじ……」

 名前を呼んでも返事は無い。

 そっと、優しくへーじの頬に触れた。

 頬から伝う暖かさが、何となく嬉しかった。

 前にも同じ事を思ったけど、へーじって顔だけ見たら結構可愛い顔してんだけどねー……。

 寝顔を見ながらそんな事を思ってクスクスと小さく笑う。

 だけど、へーじがカッコイイ時があるのをアタシは知っている。

 時々……時々だけどね。

 何故か認めるのは少しシャクだった。


 頬に触れていた手をへーじの頭の方に向けた。

 サラサラの髪の毛を優しく撫でる。


「……何やってんだアタシ」

 


 変な感じだ。

 何と言えば良いんだろう、身動きの取れないへーじがアタシと二人っきりだ。

 まるで人気の在る玩具を独り占めした様な……玩具って言い方は流石に悪いかな?

 少し恥ずかしくて照れくさく笑った。

 多分今誰かに見られたらアタシは妙にニヤけた変な人に見られるんだろう。

 そんなとこ見られたら恥ずかしくて死ねるなァ、アッハハ。


 その時、ガチャッという音と共にドアが開いた。

 ヤバイ、と思ったのも束の間で、ボロボロのアタシは素早く動く事は出来ない。

 ドアを開けた先に、馬鹿兄貴と、志保と、水歩さんが居た。

 ジャストフィットで丁度ニヤけている所をハッキリと見られた。


「…………」


「…………」


「…………」


 完全に三人と目が合う。



 は、恥ずかしすぎて死にそう……。

某掲示板で小説家になろうサイトがボロクソに言われていて怖かった(ガクガクブルブル)

自分の作品も何か言われているのではと恐る恐る覗いてみると全く触れられてませんでした。


 うん……いや、いいんだけど、それはそれで……なんか寂しい気が……。


これは触れる価値も無い程駄作という意味なのか、それとも触れる必要が無い良作なのかと考えすぎてしまう私がいますw

結局言われても言われなくてもビビっている私は臆病者^^;


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